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2024/05/02

ママエンジニアが語る1日のルーティーンと仕事と子育て両立のコツ、現在と将来のキャリアとは?

男女雇用均等法が施行されてから早くも40年近く経とうとしている今、キャリアを維持しながら出産・育児を経験する女性が増えています。

折しも、IT人材の不足が叫ばれている昨今、女性エンジニアの活用は今後のIT社会の行方を左右する鍵。私たちアイ・ディ・エイチも「エンジニアはスキルのみで評価されるべき」の理念のもと、子育て中のエンジニアには案件紹介や労働時間、働き方などに最大限配慮してキャリア継続を支援し、子どもを持つことが不利にならない企業文化を目指しています

そこで今回ご紹介するのは、5歳のお子さんを育てる現役ママエンジニアのF.Sさんです。

仕事と育児に奮闘するF.Sさんに、ママエンジニアの1日のルーティーン、仕事と育児の両立のコツ、現在と将来のキャリアについて語っていただきました。

<F.Sさんのプロフィール>
育ち盛りの5歳児を育てる33歳のフロントエンドエンジニア。病院の経理やメディアの編集などの職を経て2021年よりエンジニアとしてのキャリアをスタート。経験3年目ながらHMTL/CSS、JavaScript、PHP、Liquid(Shopify)などを駆使して数々のサイト開発に携わるほか、女性向けサイトやビジネスサイトのWebデザインも手掛けるデザイナーとしての顔も。開発する際は、サイトの利用者・運営者が使いやすい設計にすることを常に心がけています。忙しいママエンジニアライフを支えてくれる強い味方はネットスーパーと、家事や育児に積極的に参加してくれるパートナー。

ママエンジニアが参画している案件と1日のルーティーンとは?

<日々の仕事、子育てに精力的に取り組むママエンジニア。毎日が計画と調整の繰り返し、決して一筋縄ではいかない子育ての日々をどう過ごしているのか、当社SESのフロントエンドエンジニアであるF.Sさんの業務内容(参画案件)と1日のルーティーンをのぞいてみましょう!>

―現在、私が参画しているのは某大手生活用品製造・販売企業のWebサイト開発、保守運用です。新商品が発売されるたびに多くのアクセスが集まるECサイト、今や”企業の顔”とも言えるコーポレートサイトなどに携わっていますから、大事な仕事を任されているという緊張感と同時に、大きなやりがいも感じています。大手企業の案件だからこそ多種多様なテイスト・雰囲気のサイト開発に携われますし、技術力の高い現場の上長からは色々なことを学べるので、経験3年目のエンジニアにとってはこれ以上ない職場環境だと言えるでしょう

2022年の入社当初から現在までこの案件に継続してアサインされていますが、契約更新のたびに「日々の業務が評価されている」と感じてうれしくなりますね。

本来なら残業もいとわないところですが……母親業もありますので18時の定時に終了させ、猛ダッシュで幼稚園に通う子どもを迎えにいきます。与えられた時間の中で複数のタスクをこなさなければならないのが親ですから、時間に追われる毎日であることは確か。
私の平日は次のようなルーティーンで成り立っています。

・朝:7時頃子どもと一緒に起床。すぐに子どものお弁当を作り、幼稚園に行く支度をさせたら8時50分の通園バスに間に合うように家を出る。子どもを見送ったら急いで帰宅して即業務開始。

・昼:残業できないので就業時間内はとにかく集中!ランチはほとんど買ってきたもので済ませます。朝からバタバタしているのでお昼休憩のときぐらい休めばいいものの……結局、洗濯や掃除をすることに。

・夜:18時に終業。18時20分までにお迎えに行かなければならないので、すぐに家を出ます。子どもと一緒に帰宅後は夕食の支度。つかの間の家族団らんの後は子どもを21時頃寝かせ、私自身は24時頃に就寝。

平日はあっという間に過ぎ、「忙しい」とため息をつく時間も正直ありませんが、結局は慣れてしまえばこっちのもの。今では気が付くと明日の仕事の段取りを考えている自分がいます。―

ママエンジニアが感じる大変なこと・つらいこととは?

<経済産業省が平成28年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、IT関連産業における女性の比率は24.1%。女性エンジニアが増えているといってもまだ全体の4分の1程度ですから、産後に職場復帰しても極度の疲労やストレス、制度の不備などで仕事を断念する女性エンジニアが一定数存在することは想像に難くありません。ただでさえ激務だといわれることの多いエンジニア職。F.Sさんは仕事と子育て、同時並行の多忙な日々をどのように感じているのでしょうか。>

―確かに毎日忙しいのですが、それでも「仕事と育児の両立がつらいから仕事を辞めたい」と思ったことは一度もありません。プログラミングを勉強中に「この分野は向いていないのかも」と感じてエンジニアを諦めようとしたことは何度もありますが……。

私の場合、両立のつらさより、任された仕事を自分自身で納得できるところまでやりきれない時間の制約に、苛立ちと悔しさを感じることの方が多いです。
以前、私が担当しているサイトの修正が就業時間内に終わらず、上長に続きをお願いすることがありました。「代わりにやってくれる人がいるのだからよかったのでは?」と思われるかもしれませんが、私としては最後までやりきりたかったです。

子育ては予定・計画通りには進みません。どうしても子どものペースに振り回されてしまうので、今はこの状況を受け入れるようにしていますが……子育てがひと段落したら、今よりもっと仕事に熱中したいですね。―

キャリアを諦めなくて正解!ママエンジニアが仕事を続けてよかったと思うとき

<F.Sさんは前職で出産後に保育園が見つからず、泣く泣くキャリアを断念した経験があります。知識と経験、やる気があっても自分ではどうにもならない事情で退職を選ばざるを得ない理不尽に怒りと悲しみを覚えながらも、そこでキャリアを止める選択肢はなかったそう。彼女がキャリアの継続をこれほど強く望む理由は何なのでしょうか。>

―大学病院の経理、人材サービス企業発行の情報誌の編集、ブライダルジュエリー会社でコンテンツディレクターになるなどキャリアの変遷はあったものの、一貫していたのは「仕事が好き。そして自分の仕事で人に喜んでもらうのはもっと好き」ということ。

現在参画中の現場でも、自分が携わったサイトが多くの人々に使われたり、売上アップのきっかけになったりするのを見ると、改めて仕事をがんばってよかったと感じます。特に、売上やアクセス数などの数値については部内で定期的に振り返り会があるので、苦労して作った機能がちゃんと使われているとうれしいですね。仕事は常に誰かのためにあるものだと考えていますから、自己満足の追求だけでママエンジニアは続けられなかったでしょう。

また、働き続けて、どんな現場でも通用するスキルが身に付いたことも大きな収穫でした。エンジニアは高度な専門職ですから、万が一、社外に出ることがあっても他の職種と比べると仕事は見つかりやすいです。いつ物事が暗転するかわからないこのご時世、”食べていけるスキル”があることは大きな安心材料。勉強も仕事もそうですが、継続することで、後々大きなリターンが得られるのです。―

ママエンジニアが仕事と子育てを両立するコツとは?

<育児は想像以上に心身を消耗します。「これほど大変だとは思わなかった。認識が甘かった」と仕事と育児を両立させる難しさ・厳しさを痛感することが多いもの。ママエンジニアとして忙しい日々を上手く乗り切るコツについて、F.Sさんは次のように語ります。>

―すでに多くのワーキングマザーが語っていることですが、育児や家事に完璧を求めないことがポイントです。どうしても子どもと離れている時間が長くなるので引け目を感じ、「やれることはしっかりやりたい」と肩に力が入ってしまいがちですが、それはお休みの日に取り組めばいいのではないでしょうか。私は子どものお弁当にも一部冷凍食品を使いますし、出社時(3ヶ月に1回、参画先へ出社します)は夕食を作らず、テイクアウトの食事で済ませることも。所々手を抜いてストレスが溜まるのを防いでいます。つまり、もっと楽をして、色々なもの・人に頼っていいのです。
電気調理器やお掃除ロボットなどの家電、ネットスーパーなど便利なものは”時間をお金で買う”と考えてフル活用し、家族にも頼めることは頼みましょう。

あともう一つ、仕事と育児を両立させるコツとして重要なのは、育児に理解がある会社を選ぶことです。「定時上がり。残業は無理」「リモート案件」の条件をもとに、子育てに理解がある今のお客様を紹介してくれた当社の営業担当者には本当に感謝しています。
当社のような子育てに理解がある会社の見つけ方は、面接で子育て中の女性エンジニアがいるかどうか確認すること。これに尽きます。子育て中の女性を敬遠する会社はママエンジニアが定着しないので、在籍の有無(できれば数も)を確認すれば大体の社内事情はわかるものです。

話が少しそれますが、実は私の母もかつて90年代から2000年代にかけて、某SES企業所属のエンジニア(業務システムの開発)として働いていました。当時のIT・SES業界は労働環境や待遇の面で大きな問題を抱えていた頃ですから、圧倒的少数派の女性エンジニアとして働くのは大変だったと思います。その母が、ホワイト化が進んだ今の業界を見たら、きっと感慨深く思うでしょう。諦めなければ、企業も世の中も少しずつ変わっていくのだと。―

ママエンジニアが考える将来のキャリアプラン~やりたい仕事や目指す年収は?~

<F.Sさんのような経験3年目のエンジニアはそろそろ中堅の域に入ります。最新技術の習得、SEやPLへのステップアップなどで新しいステージへ上がるタイミング。F.Sさんが今考える将来のキャリアプランはどのようなものなのでしょうか。>

―フロントエンドエンジニアは将来のキャリアプランを描きやすい職種です。インフラ領域を学んでサーバー構築まで対応できるようになる、Webデザインへの理解を深めてUXエンジニアとして専門性を高める……といった例が挙げられますが、今私が考えているのは、使いこなせる言語やフレームワーク、ライブラリを増やすことです。たとえば、React(JavaScriptのライブラリ)、TypeScript(JavaScriptから派生した言語)は組み合わせて使うことでWebサイト開発の効率性と保守性を高められる非常に便利なものなので、まずはここから着手!すでに書籍で学習を開始しており、現場の上長に学んだ技術を使う場面があれば開発に参加したいとの旨を話しています。こうしたチャンスをものにできればエンジニアとして成長できますし、契約の更新や単価アップにもつながります。

また、もう少し先の話になりますが、将来は子ども向けプログラミング教育のカリキュラム制作に携われたらいいな……と。教育学部卒(小学校教員養成課程)なので、教育への興味は今も続いています。

年収についてはそれほど強いこだわりはありません。年収アップはキャリア・スキルアップの強いモチベーションになりますから「向上心がない」と思われてしまいそうですが、私は大切な家族がつつましくも幸せに、楽しく過ごせるお金を確保できればそれで十分。今は年収よりも家族との時間を大切にしたいのです。この気持ち、全国のパパ・ママは理解していただけるのではないでしょうか。―