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2024/03/07

【SESと自社開発】両方経験のSESエンジニアが語る、それぞれの違いやメリット・デメリット、転職の際の注意点とは?

多くのエンジニアが憧れる自社開発企業。新しいシステムやサービスの開発に企画段階から携われる体験は自社開発企業に所属する大きなメリットであり、このような経験を通してこそ、自分自身も大きく成長できるものだと考えるエンジニアは今も昔も少なくありません。
その一方、自社開発企業の対極に置かれるのがSESです。「望むようなキャリア形成が難しい」「上流工程に携わるチャンスが少ない」などの理由でこのような不名誉な立ち位置に置かれてしまっています。

しかし、私たちアイ・ディ・エイチがここで改めて問いたいのは「自社開発企業はエンジニアが望むものすべてを持っているのか」という点です

そこで、今回ご紹介するのは自社開発企業から当社のSESエンジニアに転職したM.Kさん
自社開発とSESの両方を経験しているからこそわかる両者の違いやメリット・デメリット、転職を検討するエンジニアへのアドバイス、そして当社の自社開発プロジェクトについても語っていただきました。

【M.Kさんのプロフィール】
PHP(Laravel)やJavaScript、HTML/CSS、C#、オンプレスミスからAWSへのクラウドシフト、サーバー構築まで幅広く手掛けるバックエンドエンジニア。新卒から経験4年目、26歳の若手エンジニアでありながら「エンジニアはなんでもできなければならない」との考えのもと、未経験の技術・分野の案件を積極的に選ぶチャレンジ精神の持ち主です。現在は上流工程に携わるSEとしてSES案件に携わりながら、アイ・ディ・エイチの自社開発プロジェクトにも参画しています。趣味はアプリ開発と週1回は通うほど好きなサウナ。

自社開発エンジニアとして順調にキャリアを積み上げるも早期退職。一体何があった?

<人材不足が叫ばれるIT業界。特に優秀な若手エンジニアの不足はIT業界の課題となっています。そんな中、M.Kさんは大手自動車部品製造・販売会社のグループ企業に入社しました。恵まれた職場環境と福利厚生に守られながら、誰もがうらやむエンジニアライフを送ると思われたものの……>

入社3年目で退職しました。大手自動車部品製造・販売会社のグループ企業に新卒で入社後、親会社に移籍し、そこでPHPを駆使しながら業務システムを開発するエンジニアとして勤務していたのです。経営学専攻の文系学生がプログラミングに興味を持ち、基礎しか身に付けていない状態で入社した割りには恵まれたキャリアだったのかもしれません。

国内外の自動車メーカーを相手にビジネスを展開する企業ですから、やりがいはそれなりに感じていましたし、待遇も悪くはありませんでした。傍から見ると「何がそれほど不満なのか?」と不思議に思われるでしょう。

しかし、私から言わせれば、自社開発企業がエンジニアにとっての理想の職場であるとは限りません。もっと言えば、自社開発企業に籍を置くことでエンジニアとしてスキルダウンする可能性もなくはないのです。実際、私が退職した理由もこのリスクにありました。―

元自社開発エンジニアだからこそわかる自社開発企業とSES、それぞれの違いやメリット・デメリット

<冒頭の通り、多くのエンジニア志望者が自社開発企業、もしくは社内SEを希望します。どちらも業務スケジュールを調整しやすく、システムやサービスを一から企画・構築できる恵まれた環境。ワークライフバランスの面でも優れているのは事実でしょう。しかし、M.Kさんはこうした環境に不安を感じていました。両方を経験した今だからこそわかる自社開発企業とSES、それぞれの違いやメリット・デメリットとは――。>

―確かに、自社開発企業では企画段階から携われるため、エンジニアとしての声も反映されやすく、やりがいをひしひしと感じられる機会が多いと思います。一般利用者向けのサービスであればユーザーからのダイレクトな反応はやりがいに直結しますよね。企業によっては業界の常識を覆すような新しいものの開発に取り組めるビッグチャンスもあるでしょう。ライフワークバランスが保たれやすい点もメリットです。ですが……

自社開発企業にいるからといって常に新しいものを作れる・チャレンジできるわけではありません。エンジニア経験者ならご存じの通り、システムやサービスはそれほど頻繁に作られるものではないので、ある程度時間をかけて作り上げてリリースした後、しばらくの間は保守運用やアップデートの作業が続きます。場合によっては古い技術で構築された化石のようなシステムを維持し続ける作業が長期にわたって続くこともあり得るのですその間、当然ながらIT技術はどんどん進化していくわけですから、エンジニアとして成長する機会を逃してしまいます。要は、自社開発にはある種の“緩さ”があるのです。私も「今の状態で外に出てエンジニアとして通用するのか」という点で非常に不安になりましたし、結局これが退職理由となりました。

企業や業界、企業の規模にもよりますが、自社開発企業に入れば常に新しいシステム・サービスの開発に携われるわけではないうえ、成長が止まる可能性がある点は事前に留意しておくべきでしょう。

一方、SESはプロジェクトが終われば、また次のプロジェクトに移るので環境が変わりやすいデメリットがありますが、常に現場の要求に応える必要があるためスキルを磨く機会に恵まれます。扱ったことがない言語や業界にあえて飛び込めば、対応できる業務の幅はグンと広くなる……。お客様には経験年数・言語にかかわらずプロとして見られますし、コミュニケーションや各種調整のスキルも必要となるので、どこに行っても通用する実力が身に付くメリットがあります。もちろん、向き不向きはあるでしょう。余裕があるスケジュールの中で社内の仲間と一緒に一つのことにじっくり取り組みたい人には自社開発企業が向いていますが、その場合でも、転職が当たり前になりつつある今の時代において“果たして他社でも通用するのか”といった視点は持っておくべきだと思います。―

開発大好き!若手エンジニアの次なる挑戦は社内の自社開発プロジェクト

<自社開発企業ならではの”緩さ”に我慢ならず、当社のSESエンジニアとなったM.Kさん。「どんどん新しいことを学んで開発し続けたい」と語るところ、やはりSES向きのエンジニアだと言えるでしょう。そんなM.Kさんが今参画しているのは通常のSES案件と当社の自社開発プロジェクトです。>

―現在はSES案件と社内の開発プロジェクトの両方に参画しています。本業のSES案件では某大手量販店のリモート検品システムの開発、自社開発プロジェクトではスマートグラス推進事業です

アイ・ディ・エイチでは社内でいくつかの自社開発プロジェクトが進行中ですが、スマートグラス推進事業もその一つ。「もっと開発したい。できれば収入も増やしたい」との思いで自社開発プロジェクトに応募しました。ウェアラブルデバイス用のアプリ開発に必要なC#やUnityは未経験なので最初は少々不安でしたが、勉強の甲斐あって扱えるようになっています。今は企画・調査が中心で、まだまだこれからの段階です。ですが、これこそ一からサービスを作り上げる楽しみ・やりがいのポイント!世の中の役に立つものを作り、それを商業ベースに乗せる流れを成功させるためには綿密な企画と調査が必要であり、自社開発の醍醐味はここにあるわけですが、これをSESにいながら経験できるのはうれしい限りです。

自社開発プロジェクトに割く時間は通常業務終了後や休日です。掛け持ちは大変だと思われそうですが、開発が好きな私にとってはむしろ楽しみですし、月8万円~10万円の副収入も得ています。やりがいも収入アップも両方実現できるSESは希少だと思いますね。―

自社開発企業とSESで悩んでいるのなら……元自社開発エンジニアからの転職アドバイス

<エンジニア界隈では「SESはやめておけ」「ブラックな会社が多い」などとの声もありますが、SES業界は一昔前と比べると随分クリーンになっています。実際、SESと自社開発企業の求人や評判を見ても大差ないことが多く、両社はすでに対立するものではないのかもしれません。そうなると、転職を検討し始めたエンジニアにとっては悩みが増えることになりますが、M.Kさんは両方を経験しているエンジニアとして次のようにアドバイスしています。>

「想定外の事態や2回目、3回目の転職に備えたい」「将来はフリーランスになりたい」というのであればSESをおすすめします。前述の通り、さまざまな案件への参画を通してスキルが磨かれ、仕事の幅も広がるからです。お客様や未知の現場への臨機応変な対応も身に付き、まさに”身一つ”でどこでも働けるようになるでしょう。ただし、案件を選択できるSESを選ぶことが条件。さらに、スキル見合いの単価連動性であれば理想です。スキルを磨けない案件に勝手にアサインされてしまうようなSESに入社してもキャリアアップできないどころか将来が不安になってしまいますし、やりがいを搾取するような給与体系ではいずれ意欲がなくなります。
そしてSESに入社後はスキルアップを怠らず、良い案件に参画できるよう努力してください。スキルが身に付けば、営業担当者が良い案件を持ってきてくれるはずです。営業側もエンジニアを高単価の案件にアサインできる方がいいに決まっています。

一方、「環境や人間関係が頻繁に変わるのはストレス」「正直、技術の新旧は問わない」「なるべく転職したくない」「フリーランスや起業などは考えていない」「何事も急かされたくない」……このような場合は自社開発企業や社内SEを目指すことをおすすめします。―

まだ26歳!若手SESエンジニアの目指す目標地点とは?

<SES案件と自社開発プロジェクトの両方をこなすM.Kさんはまだ26歳。一般的にはようやく”見習い”から抜け出せる段階ですが、M.Kさんはすでに独り立ちできるほどのレベルに達しています。その秘訣は、成長できる環境に身を置くことを意識しているからに他なりません。>

―私の理想は「要件定義から実装、インフラまわりまでなんでもこなせるエンジニア」ですから、案件選択の際は高需要で廃れにくい技術を使う案件(PHPのLaravelなど)、未経験でも学べばチャレンジできそうな案件、上流工程に携われる案件を積極的に選んでいます。なかでも上流工程の案件は特に重視していますが、それは要件定義や基本設計、詳細設計のフェーズがない開発などありえず、これらのスキルと経験はどんな現場でも活用できるからです。

また、人に教えることも好きなので、社内のチームリーダーになってマネージメントスキルを身に付けたいですね。

もっと成長できればフリーランスになる手もありますが、当社にいれば社員でありながらほぼフリーランスのように働けるので……この選択肢はいまのところありません。逆に当社以外の企業であれば今頃は本気でフリーランスを目指していたと思います。―