Webエンジニア3年目で年収を上げるには?転職・スキル戦略を解説
2023/12/21
SESエンジニア 年収の上限は?~実例800万超から学ぶキャリア戦略

Last Updated on 2025年9月9日 by idh-recruit
SESエンジニアの平均年収は400〜500万円前後といわれています。しかし、管理職に就かずに年収800万円以上を実現したケースも存在します。
本記事では、新卒からキャリアを積み重ね、SESエンジニアとして高年収を達成したインフラエンジニア・S.Yさんの実例を紹介します。
S.YさんはPMやPLの経験を持ちながらも、「現場エンジニアとしての道」を選び、理想の働き方と年収アップを両立しました。
SESで年収アップを目指す方や、転職を検討している方に向けて、キャリア戦略の具体的なヒントをお届けします。
【S.Yさんのプロフィール】
クラウドサーバーの設計・構築・管理、システム間データ統合などを得意とするインフラエンジニア。過去にはアプリケーションエンジニア、パッケージエンジニアの経験もあり、システム構築や導入にまつわる業務ならオールマイティに対応できるエンタープライズシステムのプロ。可読性・メンテナンス性・拡張性の観点から品質の高い開発を心がけて保守運用担当者の負担軽減を心がけつつ、「どこまで、どうやって役立てるか」を考えるためにお客様との対話を大切にしているそう。数少ない英語対応エンジニアの一人でもあります。
Contents
ERP導入支援企業でキャリア開始【年収300万円台】
――S.Yさんが就職したのは就職氷河期が明ける直前でした。押し寄せるIT化に伴い、プログラミングできる理系人材が注目を集め始めた頃でもあります。初めての就職先となったのはヨーロッパ最大のビジネスウェア開発企業が発売しているERP(法人向け基幹系情報システム)の導入を支援する企業です。
S.Yさん:大学ではR言語を使用した統計解析を学んでいました。新卒で就職した企業でそれを直接活かせたわけではないですが、プログラミングにかかわるという側面では専攻と共通しています。理系学部卒のプログラミング経験者――このバックグラウンドを話すと最初から順風満帆なキャリアを歩んできたように思われがちですが、プログラミングが特別得意というわけではなかったので、社会人になってから会社の研修などで必死にスキとめルを磨き、知識を吸収していきました。努力の甲斐もあり、初級PGからSE、PLとなって大規模業務アプリケーションの構築にも携われるようになりました。
SESエンジニア、IT・Web系多角企業へ転職後に年収が2倍に
――新卒エンジニアとして入社したERP導入支援サービス企業で5年間みっちりとスキル・業界知識を身に付けたS.Yさん。次に選んだ職場は、IT・Web系サービスで多角的事業を展開する新進気鋭のベンチャー企業でした。
S.Yさん:エンジニアとして技術力を伸ばしていきたいと考えていましたが、業務パッケージ導入を主とした会社で経験できる技術に限界を感じ、転職を考え始めました。システム開発の工程を幅広く経験できる可能性のある会社を探していたところ見つけたのが1回目の転職先となるIT・Web系サービスで多角的に事業展開するベンチャー企業です。案件を選べる環境ではありませんでしたが、特定の製品・サービスにとらわれずに上流から下流まで仕事ができる見込みがあったため転職することに。
ビジネス英語にも対応できるエンジニアに
この企業には10年在籍することになりますが、前半5年は新システム導入に伴うデータ移行開発を担当するアプリケーションエンジニア、後半はインフラエンジニアとして働いたので、新システムの導入や構築、データ移行、システム基盤となるインフラの整備など、エンタープライズシステムについては一通り対応できるスキルを獲得できました。
また、ここは外国人エンジニアも在籍する企業だったためビジネス英語にも対応できるようになり、仕事の幅が広がったのは間違いないでしょう。
年収は前職の2倍になったものの……
年収は前の2倍、600万円になりました。ただ……この600万円には残業代が相当含まれています。つまり、それだけ残業があったことになりますが、そうした残業ありきの働き方に納得できなくなってきたのが勤続10年を過ぎた頃。私は「スキルに見合った給与・自分が理想とする働き方を実現すること」を転職活動の軸として次の職場を探し始めました。
スキル見合いのSES会社へ【年収800万円超を実現】
――2度目の転職活動でS.Yさんが重視したのは「スキルに見合った給与・理想とする働き方の実現」。しかしこの2つを成立させるのはなかなか難しいことに気付きます。
なぜならそれなりの給与を得るには管理職となり、マネジメントのために長時間労働を受け入れることを前提とするパターンが多いからです。
S.Yさん:私が理想とする働き方とは、なるべく残業せず、ライフワークバランスを維持しながら長く働き続けること。ですが、いまだ長時間労働を美徳とする企業が多い日本では、高いスキルがあっても実現が難しいのが現状です。また、ある一定の年齢になればチームをマネジメントする管理職としての役割を期待されるようになります。というか、実際のところ「それなりの年収が欲しいなら、それなりの役職に就いて残業を厭わず働いてほしい」というのが多くの企業の本音でしょう。
経験があっても、管理職に向いているとは思えなかった
しかし、今まで散々残業してきたので、この先もそういった働き方はしたくありません。そして何より、私にはPMとPLの経験こそありますが、自分が管理職に向いているとは思えないのです。確かに管理職をこなせることはこなせますが、「とりあえずこなせること」と「向いていること(適性)」は違います。
私は管理職の地位と高い給与を引き換えに向いていないことを無理してやりたくないと思っていました。本来、管理職は仕事のスキルとやる気、適性を備えている人が担うべきです。
理想の転職をして年収800万超が叶った
……転職活動を続ける中、こうした私の考えや希望を受け入れてくれたのがアイ・ディ・エイチでした。無理して管理職にならずとも、スキルがあれば高単価案件に参画して年収を上げつつ、残業をできる限り抑えて働ける。これは私にとって……というより、多くのエンジニアにとって理想的な労働環境だと言えるのではないでしょうか。
こうした良い環境で働けた結果、アイ・ディ・エイチ入社後に年収800万円超になりました。
自分に合った働き方を実現できれば良いパフォーマンスを発揮でき、それが年収アップという結果に表れること。実にシンプルな法則なのですが、これに沿って働ける企業は少数であり、アイ・ディ・エイチはそのごく少ない企業の一つだと思います。
年収800万円を得てSESエンジニアとして変わったこと・見えてきたこと
――SESエンジニアの平均年収は400万円~500万円程度といわれていますが、それを大きく上回る年収800万円超に到達したS.Yさん。しかも残業はほとんどなし。さぞかし豊かさと自由を謳歌していると思われがちですが……
S.Yさん:年収が大幅にアップしても生活に変わりはありません。ただ、心に余裕ができました。
向いていないことを無理してやらずに済んでいますし、残業もほとんどない。さらにお金の心配もない。これだけ揃っていれば、混沌とした世の中に生きていても心に余裕ができます。
私には元々、「高級飲食店で食事したい」「ブランド品を身に付けたい」「高級車に乗りたい」といったような願望がありません。また、子どもの頃にはすでにバブルが崩壊していて、世間が”不況””不安定””氷河期””非正規雇用”といった言葉で埋め尽くされていた学生時代を送りましたから、豊かさや幸せのハードルが低いのかもしれません。
しかし、だからこそ心に余裕を持てることが本当に幸せだと感じますし、これからもこの点は変わらないと思います。
スキルがあるエンジニアならフリーランスになって年収1000万円超えを目指す人も出てくるでしょうが、私は今の状態で満足です。
SESエンジニアが年収を上げるためにできることとは?
――S.Yさんは「私よりスキルや年収が上の人はいくらでもいるので」と謙遜しますが、SESエンジニアの年収の限界は600万円程度といわれる中、800万円超えという結果に。優秀なエンジニアであることには間違いありません。そんなS.Yさんは年収アップを目指すSESエンジニアにこうアドバイスしています。
S.Yさん:マネジメントと残業が苦でなければPMを目指して年収を上げるのもいいと思います。
そうでなければ
- お客様が求めることに対応できるエンジニアになる
- IT業界の需要と供給を見極めて希少性のある言語、分野で実績を積む
この2点を心がけてみてください。
お客様の要望をきちんと反映できるエンジニアはお客様から信頼され、その現場で長く働くようになります。私の経験上、そうすると単価が上がりやすくなる傾向がありますから、お客様が何を求めているのかを常に考えながら仕事をしましょう。自己満足ではいけません。
そして、希少性のある言語と分野に挑戦して実績を積んでください。
希少性ゆえに人手不足の状態ですから高単価ですし、ライバルも少ないためです。希少性といっても流れの速いIT業界ですから、新しい技術・知識のアップデートは早めが肝心。私が得意とするAWSのクラウドサーバーの設計や構築も少し前までは希少性が高いといわれていましたが、今ではもはや主流になりつつあります。
上記2点、どちらもすぐに結果が出るものではありませんが、管理職になること以外の方法で年収を上げたいのであれば、最低限この2点はやっておきたいところです。
なお、この2点をクリアしていても、年功序列型給与体系のSESや案件をまったく選べないSES会社では大幅な年収アップは見込めないので、そこは注意してください。
どんなSESを選べばいいか。2つのチェックポイント
――いま日本のエンジニアの多くはSESとして働いています。だからこそ、待遇や働きやすさは「SES選び」で大きく変わると言えるでしょう。S.Yさんも、どんなSESを選ぶかが充実したキャリアにつながると話してくれました。
S.Yさん:
先ほどお話しした通り、大前提は下記2つです。
- 年功序列型給与体系ではなくスキル見合いの単価で給与が決まること
- 案件選択制であること
そこからさらに、商流が浅い案件が中心のSESであることも必ずチェックしてください。商流が浅い案件は高単価でやりがいがあるものが多いからです。これはSESエンジニアであれば基礎中の基礎のチェックポイントですが、初級エンジニアやSESが初めてのエンジニアは、どうやって調べればいいのかわからないようですね。
この点を確認したい場合はSESのWebサイトで主要取引先を調べてみてください。ある程度名の通った企業が並んでいれば商流が浅く、4次請け、5次請けばかりである可能性は低いと思われます。
面接で実際の案件の詳細を聞ければ大体わかるものですが、しっかり見分けられるようになるには多少の経験が必要です。ですから、最初の段階から取引先企業の情報を提供してくれるSESを中心に面接・入社を検討しましょう。
まとめ|SESエンジニアが年収アップを実現するために
SESエンジニアの平均年収は400〜500万円といわれますが、S.Yさんのようにスキルや案件選び次第で800万円超も実現可能です。
ポイントは「スキルに見合った単価で評価されるSES会社を選ぶこと」と「案件を選択できる環境に身を置くこと」。
管理職に進まずとも、自分に合った働き方を選ぶことで、理想のキャリアと年収アップを両立できるのです。
あなたらしいキャリアを、私たちと一緒に描きませんか?
当社では、管理職をやりたくない、ずっと現場にいたいエンジニアも歓迎しています。
また、年収アップのためにどうしたらいいのか悩んでいる方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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