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2025/08/22

SES案件がつらい・抜けたい!辞めるべきタイミングと判断基準

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Last Updated on 2025年8月22日 by idh-recruit

SES(システムエンジニアリングサービス)で働くエンジニアは、クライアント先に常駐して多様な案件を担当します。一見するとスキルの幅が広がるように思えますが、「現場が合わなくてつらい」「スキルが活かせない」「やりがいを感じられない」といった悩みを抱える人も少なくありません。中には、「今の案件から抜けたいけど、どうすればいいか分からず、身動きが取れない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

本記事では、SESの現場を抜けたいと感じたときに、後悔しない判断をするための基準や、円満に抜け出す手順、注意点を分かりやすく解説します。

SES案件をつらい・抜けたいと感じる原因とは

日本のエンジニアのうち、7〜9割がSESとして働いているともいわれています。

新卒や若手エンジニアにとっては、SESがキャリアのスタート地点になることも多く、近年は中高年層の参入も増えてきました。背景には、慢性的なIT人材不足や、SES企業による高還元・リモート案件の拡充、福利厚生の改善など、“ホワイト化”の進展があります。

とはいえ、どれだけ待遇が改善されても、「希望の案件に入れない」「合わない現場でのストレスが大きい」といった悩みが解消されなければ、満足度は上がりません。いわゆる“案件ガチャ”への不満は今も根強く、SESを抜けたいと考える理由のひとつになっています。

こんなサインありませんか?辞めるべき理由

SESエンジニアが「今の案件から抜けたい」「別の現場に変わりたい」と思う理由は、いくつかに分類できます。代表的なサインを見ていきましょう。このような兆候がすでにあり、さらに複数重なっているのなら辞めるべきタイミングかもしれません。

スキルのミスマッチ

たとえば、Javaのバックエンドが得意なエンジニアが、JavaScriptやReact中心のフロントエンド案件にアサインされた場合、スキルを十分に発揮できず、強いストレスを感じることがあります。SES企業によっては、エンジニアの得意領域にマッチした案件が十分に用意されていないこともあり、スキルとのミスマッチが起こりがちです。

また、企業側も「エンジニアをアサインしなければ利益が出ない」という事情を抱えているため、多少のミスマッチには目をつぶらざるを得ない現実もあります。こうした状況が続くと、キャリアへの不安や不信感が蓄積し、「この案件から抜けたい」という気持ちが強くなってしまうのです。

労働環境の問題

SESエンジニアの常駐先にはさまざまな企業があり、中には長時間労働や非効率な業務体制が蔓延する“ブラックな現場”も存在します。現場でのコミュニケーションが煩雑だったり、人間関係に問題があったりすると、業務へのモチベーションも下がりがちに……。ただ、一時期はパワハラなどのハラスメントが大きく問題視されていましたが、現在はエンジニアを守る体制づくりに力を入れるSES企業も増えてきました。

キャリアの停滞感

同じ案件に長く関わり続けると、「自分は成長できていないのでは?」と感じることもあります。

SESの契約期間は数ヶ月〜1年ほどが一般的ですが、3年以上の長期案件に参画するケースも存在します。また、長期案件は待機リスクが低く収入も安定する一方で、最新技術に触れる機会が減ることも。このように市場価値の停滞を招くリスクもあります。IT業界は変化が激しく、学び続けられる環境でなければ将来的なキャリアに不安を感じることになるでしょう。

報酬に対する不満

案件単価から差し引かれるマージン(紹介手数料)が高すぎると、給与額とのギャップに不満を感じるエンジニアも少なくありません。とくにスキルが評価されて高単価の案件に入っているにもかかわらず、報酬に納得できない場合は、「なんだか搾取されている」と感じてしまうのも無理はありません

なかにはエンジニアに単価情報を一切開示しないSES企業も存在し、このようなブラックボックスな環境がSES業界への不信感や離脱の引き金になることもあります。

一方で実際に、「残業なし・案件選択制・年収800万円超」という好条件を実現しているSESエンジニアもいます。

以下のインタビューでは、自由度の高い働き方を叶えた体験談を紹介しています。

残業なし・案件選択制で年収800万円超!SESで高収入かつ自由な働き方を手に入れたインフラエンジニアの物語とは?→詳細を見る

SES案件をトラブルなく抜けたい時の正しい手順

SESの案件を抜けるための書類手続きを進めるエンジニアの手元

上記のような理由から、案件を抜けたいと考えるSESエンジニアは少なくありません。

案件からの離脱は「禁止されているもの」ではなく、適切な手順を踏めばトラブルなく進められます。ここではまず、契約更新タイミングで抜ける場合の流れを解説します。


SES企業側の営業担当者にまず相談する

案件から抜けたいと感じたら、まずは所属するSES企業の営業担当者に早めに相談しましょう。
とくに、スキルのミスマッチや労働環境が理由であれば、正当な理由と認められやすく、クライアント先への是正提案をしてくれることもあります。
自分ひとりで抱え込まず社内で状況を共有して、サポートを得ることが大切です。

・1ヶ月前に伝える
案件の契約更新がある場合、更新予定日の1ヶ月前には「更新しない旨」を伝えるのが基本です。契約期間は契約書に明記されているため、抜けたいと思ったらまず次回の更新時期を確認しておきましょう。
直前での申し出はトラブルの元になりかねません。

・引き継ぎをする
案件を抜ける際は、後任者への業務内容のドキュメント化や口頭引き継ぎを行いましょう。クライアント企業やSES企業との信頼関係を保つためにも、「立つ鳥跡を濁さず」姿勢が大切です。きちんと引き継げば、次の案件の紹介にも好影響が期待できますよ。

損害賠償は原則として発生しない
正当な手順を踏めば、損害賠償を請求されることは基本的にありません
クライアントとは雇用関係がなく、エンジニアには退職や契約終了を申し出る権利があります。過度に不安になる必要はありません。

SES案件を途中で抜けるとキャリアにどう影響する?メリット・デメリット

案件を途中で抜けることには、エンジニアとしてのキャリアに対して良い影響も悪い影響もあります。これらを理解したうえで、行動する際は慎重に検討しましょう。

【メリット】

・スキルアップのチャンス
新しい技術領域や業界の案件に挑戦することで、自身のスキルセットを広げることができます。たとえば、オンプレミス環境からクラウドベースの案件に移ることで、AWSやAzureといったクラウドコンピューティングサービスの実務経験を得られ、市場価値の高いエンジニアへと成長できる可能性が高まります。

・ 心身のコンディション改善
劣悪な現場を離れることで、メンタル・体調の回復につながるケースも多いです。働く環境が整えば、モチベーションや生産性が向上し、キャリアも前向きに進めやすくなりますよ。

【デメリット】

・次の案件に入りづらくなる可能性
過去に途中離脱の履歴があると、クライアントが慎重になるケースもあります。その結果、SES企業の営業担当者も次の案件を提案しづらくなり、待機期間が長引くリスクがあります。

・信頼関係の悪化
クライアント側は、SESエンジニアにもプロジェクト完遂の責任感を期待しています。離脱が頻発すればSES企業全体への信頼が低下する恐れもあるため、慎重な判断と丁寧な対応が不可欠です。

SESの案件を抜ける場合の注意点

SESの案件を抜ける際には、事前に知っておきたい注意点があります。これらを無視して行動すると、関係者とのトラブルや今後の案件紹介に悪影響を及ぼすリスクもあるため、慎重に対処していきましょう。

現場で直接「抜けたい」と伝えない

SES契約は、エンジニアとクライアント企業の間ではなく、SES企業とクライアント企業の法人間契約によって成立しています。そのため現場の上司や担当者に直接「辞めたい」と申し出るのは避けましょう。多くの場合、現場担当者には契約や人事的な裁量がなく、話を持ち出すことで関係者の間に混乱や不信感を招く恐れがあります。

単価や働き方に関する交渉・相談は、必ず所属するSES企業の営業担当を通すことがルールです。

現場に迷惑をかけないように配慮する

SES案件を抜ける際、現場に迷惑をかけないように最大限の配慮が必要です
たとえば、急に出勤しなくなったり、何の報告もせずに離脱したりすることは、絶対に避けましょう。ITプロジェクトには多くの関係者が関与しており、一人のエンジニアが抜けることでプロジェクト全体に大きな影響が出る可能性があるからです。最低限、業務の引き継ぎやドキュメント整備は丁寧に行いましょう。

残されたチームメンバーへの配慮は、自分の今後のキャリアにもプラスになります。

営業担当者との日頃の関係性を大切に

SESエンジニアの立場では、営業担当者との連携が非常に重要です。普段から近況を報告したり、状況をこまめに共有したりしておくことで、困ったときにもスムーズに相談しやすくなります。

「いざというときに頼れる関係性」は、キャリアの安定性や案件選びの自由度を大きく左右する要素。報告・連絡・相談を意識し、信頼関係を築いておくことが何よりのリスク対策になりますよ。

次は苦しまないために|希望のSES案件で働く3つのステップ

希望する案件について相談するエンジニアの後ろ姿

案件が自分に合わないと感じる背景には、スキルのミスマッチやキャリア志向とのずれがあります。
SESで働く以上、希望に沿った案件に参画できるようエンジニア自身の準備や対策が重要です。ここでは、合わない案件を避けるための具体策、そして希望する案件に近づくためにできることを紹介します。

(1)スキルセット・キャリアの方向性を明確にする

自分のスキルやキャリアの方向性が曖昧だと、SES企業側もマッチする案件を判断しづらくなり、結果的にミスマッチが発生しやすくなります。

以下のポイントを意識して自己分析を行いましょう。

・得意な技術やプログラミング言語の特定
例:ReactやVue.js(フロントエンド)、JavaやPython(バックエンド)など、自分が力を発揮できる領域を整理。

・希望する業界や業務内容の明確化
例:金融・医療・エンタメなどの業界、新規開発・保守等といった業務タイプを具体的に言語化。

・今後学びたい技術や分野を考える
例:クラウド(AWS等)やAI、IoTなど、将来性ある領域を意識して学習計画に組み込む。

(2)SES企業とのコミュニケーションを強化する

営業担当者は、クライアントの要望とエンジニアの希望をすり合わせるキーパーソンです。以下のような働きかけで、あなたの希望に沿った案件を得やすくなるでしょう。

・希望条件を具体的に伝える
例:技術領域、業界、リモート希望など「何を望むか」で伝えましょう。「何を避けたいか」だけでは情報が不足してしまいます。

・定期的に自分のスキルや状況をアップデートし、それを営業担当者に伝える
例:「AWSの資格を取得した」「Goでの開発経験がある」など、タイムリーに伝えると提案の質が上がります。

・営業担当者と信頼関係を築く
普段から近況を共有し、営業担当者が自分の強みを把握できるようにしましょう。

・市場価値を高めるために自己研鑽を続ける
どれだけ希望を伝えても、スキルが不足していれば良い案件は回ってきません。自分の市場価値を高める努力が最も有効な交渉材料になります。

(3)案件選択制のSES企業を選ぶ

希望通りの案件に参画したいなら、最初から「案件選択制」のSES企業を選ぶのが確実です。この制度では、提案された複数の案件の中からエンジニア自身が選択でき、受け身ではなく能動的なキャリア選択が可能になります。ミスマッチのリスクも格段に下がるといえます。SES企業を選ぶ際は、案件選択制かどうか必ず確認しましょう。

▼「リモート案件あり/会社都合のアサイン一切なし」という働き方を実現しているSES企業もあります。フリーランスのような自由さと安定収入を両立している事例も紹介しています。

→ <自分らしく働けるSESの選び方|詳細はこちら>

まとめ|SES案件を抜けたいと思ったときに大切なこと

自分に合った案件に参画できるかどうかは、仕事のやりがいだけでなく、今後の成長やキャリアにも大きな影響を与えます。案件から抜けたいと感じたとき、「これは自分のわがままなのでは?」と後ろめたさを覚える方もいるかもしれません。しかし、あなたのキャリアを守るのはあなた自身です。ときには難しい判断を下す勇気も必要となってきます。正しい手順を踏めば、案件を途中で抜けることは違法ではありませんし、トラブルなく進めることも可能です。

遠慮や我慢を重ねる前に、「より自分らしく働く道はないか?」と見つめ直してみてください。次の一歩がより良いキャリアのスタートになるかもしれません。

▼案件に振り回されず、自分の希望に沿った環境で働きたい方へ。
案件選択制・リモート対応のSES企業について知りたい方は、こちらもどうぞ。
👉 希望案件で働けるSES企業とは?|詳細を見る