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2025/12/23

エンジニアの仕事はつらいのか。AI時代でも変わらない真価

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Last Updated on 2025年12月23日 by idh-recruit

エンジニアとして働いていると、「思っていたより大変だ」「正直、しんどい」と感じる瞬間は少なくありません。

エラーが解消せずに時間だけが過ぎていったり、自分の判断ひとつで結果が変わる場面に立たされたり。技術以前に、頭を使い続けること自体に疲れてしまうこともあるでしょう。

本記事では、エンジニアが仕事を「つらい」と感じやすい場面やその理由を整理しながら、なぜこの仕事が簡単にはならないのかを、現実的な視点で掘り下げていきます。

エンジニアが「つらい」と感じる瞬間とは

フロントエンド、バックエンド、インフラ、ネットワーク。
会社員かフリーランスかを問わず、エンジニアという仕事には立場や経験年数に応じた「つらさ」があります。

売り手市場で需要が高く、高収入も狙える職種として語られることが多い一方で、実際に働き始めてから直面する負荷や責任まで、十分に想像できている人は多くありません。

ここでは、エンジニアが「つらい」と感じやすい瞬間を整理してみます。

エラーや不具合に時間を奪われ続けるとき

経験が浅い時期ほど、原因が分からないエラーや不具合に長時間向き合うことになります。
調べてもすぐに答えが見つからず、時間だけがどんどん過ぎていく。
その間にもタスクは進まず、焦りだけが募っていく──こうした状況は「あるある」としてよく語られます。

技術や知識の不足を実感する場面では、
「自分のせいで品質が下がっているのではないか」
「プロジェクトに迷惑をかけているのではないか」と自分を責めてしまい、精神的につらくなることも。

自分の判断に責任を求められるとき

たとえ駆け出しのエンジニアであっても、現場では一定の成果や判断を求められます。
「分からないから仕方がない」では済まされない場面も多く、そのプレッシャーが常に付きまといます。

タスクの遅延やミスが続くと、「自分だけがスキル不足だ」という意識が強くなり、萎縮してしまうこともあるでしょう。常に緊張した状態で仕事を続けることは大きなストレスになります。

努力がすぐに成果として見えないとき

エンジニアの成長は、短期間ではなかなか実感しにくいものです。
新しいツールやフレームワークに慣れるまでに時間がかかり、思うように作業効率が上がらないこともあるでしょう。

日々の業務で手一杯になり、学習の時間が取れなくなると、「このまま置いていかれているのではないか」という不安が生まれやすくなります。

また自己学習の時間確保も悩ましいところ。プライベートの時間を削ることにもつながり、心身ともに余裕を失ってしまう原因になりがちです。

経験を重ねても、別のつらさが登場する

つらさを感じるのは、なにも若手や未経験エンジニアだけではありません。
経験を重ねた中堅層になると、また別の悩みが現れてきます。

  • 技術を極めるのか、マネジメントに進むのかというキャリアの迷い
  • より難易度の高い案件や、新しい技術への対応
  • PM・PLとして人やプロジェクトを背負う責任
  • 長時間労働によるワークライフバランスの崩れ
  • 収入アップを狙った副業による疲弊

立場が上がるほど、求められる役割は増え「考えること」「判断すること」も確実に多くなっていきます。こうして見ていくと、エンジニアの「つらさ」は、単なる忙しさや技術不足だけではなく、常に考え、判断し続ける仕事であることに起因している場面が多いことが分かります。

なぜエンジニアの仕事は『考え続けること』なのか

エンジニアの仕事が「つらい」と感じられる背景には、単なる忙しさや技術の難しさだけでは説明できない構造があります。この仕事が簡単にならないのは、仕事の進め方そのものが常に考えることを前提に組み立てられているからです。

正解が用意されていない場面が多い

エンジニアの仕事では、「これをやれば必ず正解」という手順が最初から示されていることは多くありません。

要件が曖昧なまま進むこともあれば、途中で前提条件が変わることだってあるでしょう。
そのたびに、「何を優先すべきか」「どこまで対応すべきか」を自分で判断する必要があります。

教科書通りに進めればすっきり解決……!という仕事ではないため、経験が浅いときほど、この不確実さ自体が負担になりやすいのです。

技術だけでは解決できない問題がある

エンジニアの課題は、必ずしも技術的なものだけとは限りません。

  • 期限やコストとの兼ね合い
  • チーム内での役割分担や調整
  • 利用者やクライアントの意図をくみ取る必要性

こうした要素が絡むと、「技術的には正しいが、それが最適とは限らない」という複雑な状況も生まれます。

コードが書けるだけでは足りず背景や文脈を踏まえた判断が求められる点も、この仕事を難しくしている要素でしょう。

考え続けること自体が仕事になる

エンジニアの仕事は、手を動かしている時間だけが仕事ではありません。

実装に入る前の設計や、トラブルが起きたときの原因の切り分け、修正方針をどうするかといった判断の積み重ねも重要な業務の一部です。

「考えているだけで全然進んでいない」と足踏み状態を感じてしまうこともあります。
しかし実際には、その思考の過程こそが仕事の中核を占めています。

エンジニアの仕事が簡単ではないのは、能力不足や努力不足が原因ではなく、そもそも「考えること」を前提に設計された仕事だからなんですね。

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つらいけど手応えはある!エンジニアの仕事

ここまで見てきたように、エンジニアの仕事は楽できるものではありません。
ではなぜこの仕事を続けているのでしょうか?

理由は単純な「楽しいから」ではなく、この仕事ならではの納得感や手応えがあるからだと言えるでしょう。

自分の思考が結果に反映される実感がある

エンジニアの仕事では、自分がどう考え、どう組み立てたかが、そのまま成果物に反映されます。

エラーを一つずつ切り分け試行錯誤の末にコードが正しく動いたとき。
複雑な処理を整理し、意図した通りの結果が得られたとき。
そこには、単なる作業完了とは違う手応えがあります。

「自分の考え方が間違っていなかった」と実感できる瞬間は、確かな充実感があるといえます。

経験が蓄積され、判断の精度が上がっていく

エンジニアの成長は、派手なスキルアップよりも地味な経験の積み重ねによって実感されることが多いものです。

最初は時間がかかっていた作業が、少しずつ迷わず進められるようになる。
トラブルが起きても、「どこから疑うべきか」が自然と分かるようになる。

こうした変化は目立ちにくいですが、振り返ったときに「確実に判断の精度が上がっている」と気づける瞬間があります。この感覚が次の仕事への自信につながっていくのです。

簡単には代替されない専門性が身につく

完成したシステムや機能が実際に使われ、ユーザーやチーム、クライアントから感謝される。
そうした経験を重ねることで、自分の仕事に対する誇りが生まれていきます。

技術だけでなく、状況を理解し、判断し、責任を持って形にする力は、簡単に置き換えられるものではありません。この「代替されにくさ」こそが、エンジニアという仕事を続ける理由になっている人も多いのです。

エンジニアが仕事を続ける理由は、楽だからでも、つらさに慣れたからでもありません。

考えた分だけ手応えが返ってくること。
経験が積み重なり、価値として残っていくこと。

こうした特徴があるからこそ、この仕事は簡単ではなくそれでも選ばれ続けています。

次のセクションでは、この「考える力」が、AI時代にどう位置づけられるのかを見ていきます。

AI時代でも「考える力」が求められる理由

AIはエンジニアの仕事を大きく変えましたが、自分の頭で考えなくてよくなったわけではありません。

コード生成や調べものの効率は飛躍的に上がった一方で、「何をどう判断するか」という部分は、今も人間に委ねられています。むしろ、AIを使えるようになったからこそ、考える力の差が以前よりはっきり表れるようになっています。

AIは答えを出せても、判断まではしてくれない

AIは条件を与えれば素早く答えを返してくれます。ですがその答えが「本当に適切かどうか」を判断することまではしてくれません。

たとえば技術的には正しい実装であっても、

  • 今回の要件に合っているか
  • 将来的な変更に耐えられるか
  • チームや運用の前提に合っているか

といった点は人が考える必要があります。

AIは選択肢を提示してくれますが、どれを採用するか、どこを捨てるかを決めるのはやっぱり人間。エンジニアは今後ますますこの点を求められるでしょう。

前提や背景を整理するのは人間の役割

AIが出す答えのクオリティはどうでしょうか?

それは、どんな前提や条件を与えたかによって大きく変わります。

要件が曖昧なままでは、どれだけ高性能なAIを使っても精度の高い結果は得られません。

  • 何を解決したいのか
  • 制約条件は何か
  • どこまでを今回のスコープとするのか

こうした背景を整理して言葉として明確にする役割は、今も人間が担っています。

この工程を省いてしまうと、AIは便利なようでいてかえって遠回りになることもあります。

言語化・設計ができないとAIを活かせない

実務の現場では、コードを書く前に設計をいったん整理してから着手するエンジニアも多くいます。

この処理で何を実現したいのか
どこで分岐が発生するのか
想定外のケースは何か

といった点を、日本語で簡単に書き出してから作業に入る。
これは特別なトレーニングというより、自分の考えを一度言語化して確認するための習慣に近いもの。

自分の中で整理ができていればAIに依頼する内容も明確になり、返ってくる答えを評価・修正する判断もしやすくなります。

逆に設計や意図を言葉にできないままでは、AIを使っても「それらしい答え」に振り回されてしまう可能性があります。

考える力が不要になったのではなく、考える力の質が、より問われるようになった
それがAI時代のエンジニアのリアルです。

まとめ|簡単ではないからこそ、代替不可能な価値がある

エンジニアの仕事は、決して楽なものではありません。
正解が用意されていない場面も多く、考え続けることが求められます。

それでもこの仕事を続ける人が多いのは、自分の思考が形になり、経験として積み重なっていく実感があるからでしょう。

AIの進化によって作業の効率は変わりましたが、何を判断し、どう使うかを考える役割は今も人に残されています。考える力が不要になったのではなく、その価値がより見えやすくなったと言えます。

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