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2024/01/26

【50代も活躍!】SESで働く55歳の最年長エンジニア登場!今までのキャリアと参画中の案件、ミドル以降のエンジニアが直面する現実とは?

人生100年時代――。
このような言葉が方々で聞かれるようになりました。だからこそ改めて考えたいのは「長く、より良く生きること」を支える「キャリアと働き方」。

長引く低成長・低所得状態、社会保障などへの不安を前に、今までのキャリアを活かしてなるべく長く働くことを希望しているビジネスパーソンが多いのではないでしょうか。
特に、”35歳定年説”が出回っているIT業界のエンジニアにとって、年齢相応のキャリアを築きつつ、いかに長く働けるかという問題は切実です。

そこで今回登場していただくのは55歳、当社最年長のエンジニアのO.Kさんです。40代後半にして当社に入社し、キャリアアップを実現したO.Kさんの今までの歩みと参画している案件、ミドル以降のエンジニアが置かれる現実などについて語っていただきました。

【O.Kさんのプロフィール】
オンプレミスとクラウド、どちらも経験があるベテランのインフラエンジニア。
システムのサポートデスクや保守といった業務から一歩ずつキャリアを積み上げ、現在では高需要であるAmazon Web Servicesクラウド(AWS)専門のインフラエンジニアとして活躍中。業務システムの更改や海外との英語でのやり取り経験も豊富で、その実力は案件が途切れないことでも証明済みです。目下の楽しみは”仕事後の一杯”。趣味はラグビー観戦で、少し前まではご自身もプレーしていたのだとか。大学での専攻は意外にもフランス文学。

超就職氷河期に友人の誘いでIT業界へ。先の見えない派遣時代がキャリアの原点

<現時点(2024年)で当社の最年長エンジニアであるO.Kさんは1968年生まれの55歳。IT業界に30年近く身を置いてきたことになりますが、この長きにわたるキャリアは混沌から始まったといいます。>

―私は1968年生まれです。学生時代はバブル経済期の後半に該当しますから、就職活動はさぞかしラクだっただろうと思われるかもしれませんが、私の場合は違います。諸事情により社会に出るのが遅れたため、就職活動を始めた頃はすでにバブルが崩壊していました。就職市場は焼け野原のような状態。たった数年で状況が変わるのですから怖いものです。

しかし、こんなときに人生の転機はやってきます。「さて、これからどうしたらいいだろう」と悩んでいる私に、友人がIT業界の派遣社員として働いてみないかと声をかけてくれたのです。大学での専攻はフランス文学であるものの、IT業界やITエンジニアには興味があったので、私はこの誘いを受けることにしました。雇用が不安定な派遣社員ですが、超就職氷河期では他に選択肢がありませんし……。

このようにして、私のエンジニアとしてのキャリアがスタートしました。最初の仕事はインフラシステムのサポートデスク。本当は開発希望だったのですが、プログラミングの経験が浅いということでチャンスをもらえませんでした。結果、プログラミングの知識がさほど求められないオンプレミスのインフラを担当することになり、これが現在のインフラエンジニアとしてのキャリアの原点になっています。―

不安だらけの派遣社員からSESへ転職。正社員になれば悩みは解決するのか?

<先が見えない派遣社員生活。時代の逆風に負けないキャリアを築かなければとの思いでO.Kさんが転職したのは某SES企業でした。>

―当時、”自由な働き方の一つ”として浸透し始めた派遣社員でしたが、経験者の私からすれば、それは穴だらけでデメリットが多い働き方であり、決して本当の意味での自由なライフスタイルは手に入りません。仕事がなくなれば収入が途絶え、それこそ”自由に活きる手段”がなくなってしまいます。また、初級レベルの仕事ばかり振られるのでキャリアアップできない焦りと不安でいつも悩んでいました。

そこで私は某SES企業へ転職します。晴れて正社員に……と言いたかったところですが、ここでも派遣時代に抱えていたキャリアアップの問題を根本的に解決するには至りませんでした。通常、将来のキャリアは自分が得意または興味がある分野やスキルを考慮して考えるものですが、このSESでは案件をエンジニアが選べないため、なかなかキャリアアップできないのです
エンジニアのスキルや経験、関心を無視したアサインはエンジニアが成長する機会を奪ううえ、モチベーションも失わせてしまいます。

ここで現状を受け入れるのか。それとも、もう一歩進むために戦うのか。

このとき、私はすでに40代後半。世間では大きな成長など期待されない年齢ですが、このままでは終われないと思った私は自分自身にまだ残っている可能性に賭けて、二度目の転職活動を開始しました。―

案件を選べるSESに入社し、オンプレミスからクラウドのインフラエンジニアへキャリアアップ!

 

<年齢、そして案件を選べないことによるキャリアの停滞……。なかなか手強いハンデを負っての転職活動でしたが、当社からのスカウトメールで状況は一変したといいます。>

―なんと、アイ・ディ・エイチでは案件が選べるというではありませんか。今でこそ案件選択制を採用しているSESをちらほら見かけますが、私が2回目の転職活動をしていた7年前は非常に珍しく、新鮮でした。「ここなら将来のキャリアを自分の意思で選び、築いていける」と思い、当社に入社して現在に至ります。入社後は伊藤社長からAWSへの挑戦を打診され、結果、40代後半でオンプレミスからクラウドのインフラエンジニアへとキャリアアップできたのです

もちろん、新しい挑戦に伴い学ばなければならないことがたくさんあり、私自身努力しましたが、何よりもクラウドの経験がほとんどない私でも参画できる案件を用意してくれた営業担当者(当時は当社代表の伊藤が営業を兼務)の尽力があってこそのキャリアップ。エンジニアの将来を考えてくれる当社に入社したことが、私のキャリアの大きな転機となりました。―

最年長エンジニアが参画する現在の案件を紹介!SESの案件に「年齢の壁」はある?

<「もう成長は期待できない」と判断されてしまいがちなミドル以降の世代ですが、O.Kさんは今流行りのAWSを扱うインフラエンジニアへのスキルアップを実現しています。現在、当社最年長のエンジニアとなったO.Kさんが参画している案件とミドル世代が直面する”年齢の壁”の実情とは?>

今はオンプレミスからAWSへとサーバー移行しつつ、SAPで新しいパッケージを構築するプロジェクトに参画しています。AWSのスキルと今まで経験してきた業務システムの構築・更改経験が活かせるので非常にやりがいがあります。

SESでは年齢を重ねると参画できる案件が少なくなるとの話をよく聞きますが……私の実体験では確かにあります。当社では幸い、やりたい案件・やりがいのある案件に参画できていますが、以前在籍したSESでは案件の募集要項にはっきりと「35歳まで」と記載されているのを結構な頻度で見ています。このような年齢制限が設けられているのにはさまざまな理由がありますが、個人的にはベテランエンジニアをマネージメントできる人材がいないことが大きく影響しているのではないかと思っています。ですから、こうした状況が続く以上、ミドル以降のエンジニアは何と”壁”を感じることが多くなるでしょう。これが現実です。

ですが、年齢相応のスキルと経験があれば「案件がまったくない」なんていうことはありません。結局のところ、エンジニアは技術がすべてなのです。―

40代、50代ミドル以降世代のエンジニアへ「肝心なのは成長できる環境だ!」

 

<エンジニアの需要は今後も続く一方、人手不足の問題が一向に解消されないIT業界。この状況を受け、40代、50代のミドル世代エンジニアが活躍する場面が以前より増えています。株式会社リクルートが実施した45代以上のミドル・シニア世代エンジニアの転職動向分析によれば、この世代の転職決定者数はこの 5 年で約 10 倍に拡大。スキルがあるベテランエンジニアの需要は確実に高まっているのです。しかし、O.Kさんは「エンジニアにスキルや経験はあって当然。それ以外にもっと重要なことがある」と語ります。>

―先ほども触れましたが、年齢相応のスキルと経験があれば仕事のチャンスはまだまだあります。そもそも、エンジニアは技術を売る仕事。一定のスキルはあって当然です。問題なのは、年齢相応のスキルを持てるようになるまで成長できる環境に身を置けるかどうか

この点、現在のIT業界、特にSESはエンジニアのキャリアアップを阻む複数の問題を抱えているところが多く、会社都合の半ば強制的なアサインはその代表的な例です。ですから、今、自身のキャリアに限界を感じ、ミドル以降の将来に不安を抱いているエンジニアは、今からでも遅くないので成長できる環境に移ることが大切です。そのうえで、「これでやっていくんだ!」と心から思える得意分野を伸ばしてみてはいかがでしょうか。ただし、エンジニアは職種間のボーダーレス化が進んでいますから、ある程度の幅広く対応できる臨機応変さが必要なことも忘れないでください。

そして、もう一つ大切なことがあります。それはコミュニケーションスキルです。通常、エンジニアはチームで活動しますから、円滑にコミュニケーションできないと現場に居づらくなってしまいます。私の経験上、組織生活になじめないエンジニアは長続きせず、いつの間にか現場からいなくなることがあります。組織にいる以上、誰とも話さず、一人で黙々と作業することは難しいですから、独りよがりにならないよう注意したいものです。―

60歳、シニアの入口までもうすぐ。べテランエンジニアの今後のキャリアプランは?

 

 

<繰り返しますが、O.Kさんは現在55歳です。定年となる60歳まであと5年。「人生100年」と考えると60歳で引退は少し早い気がしますが、40代後半でようやく理想のキャリアを手に入れたO.Kさんにとっても、あと5年でキャリアを終わらせるのは本意ではありません。>

―超就職氷河期に派遣社員として社会人となり、不安定な雇用と先の見えないキャリアに長い間悩んできた私にとって、今が一番充実した時期。需要の高いAWSのスキルを身に付けてキャリアアップできたうえ、案件は選択制、単価の70%(福利厚生を含めると80%以上)を支給というガラス張りの給与体系、そしてフラットな組織体制……これほど恵まれた環境はありませんから、定年以降も継続雇用制度で65歳まで働き続けていきたいと考えています。そのためには現場に呼ばれるエンジニアであり続ける努力が必要ですが、今の環境ならまだまだがんばれるでしょう。

技術トレンドの流れはとても速く、私の感覚では5年を目途にガラッと変わる印象ですが、ついていく気力は十分あります!―