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2024/01/26
SESで50代は案件がないって本当?現役エンジニアが語るリアル体験談

Last Updated on 2025年8月20日 by idh-recruit
ネット上では「50代になるとSESでは案件がなくなる」「退職を迫られる」といった不安の声をよく見かけます。
しかし実際のところ、本当にそうなのでしょうか。
今回は、55歳でSES正社員として活躍している当社最年長エンジニアのO.Kさんにインタビュー。40代後半での転職から、AWS案件を中心に取り組む現在までのキャリアを語っていただきました。
「50代エンジニアはSESで案件があるのか?」という疑問に、リアルな実体験で答えます。
【O.Kさんのプロフィール】
オンプレミスとクラウド、どちらも経験があるベテランのインフラエンジニア。
システムのサポートデスクや保守といった業務から一歩ずつキャリアを積み上げ、現在では高需要であるAmazon Web Servicesクラウド(AWS)専門のインフラエンジニアとして活躍中。業務システムの更改や海外との英語でのやり取り経験も豊富で、その実力は案件が途切れないことでも証明済みです。目下の楽しみは”仕事後の一杯”。趣味はラグビー観戦で、少し前まではご自身もプレーしていたのだとか。大学での専攻は意外にもフランス文学。
Contents
超就職氷河期に友人の誘いでIT業界へ。先の見えない派遣時代
――2024年時点で当社の最年長エンジニアであるO.Kさんは1968年生まれの55歳。IT業界に30年近く身を置いてきたことになりますが、この長きにわたるキャリアは混沌から始まったといいます。
O.Kさん:私は1968年生まれです。学生時代はバブル経済期の後半に該当しますから、就職活動はさぞかしラクだっただろうと思われるかもしれませんが、私の場合は違います。諸事情により社会に出るのが遅れたため、就職活動を始めた頃はすでにバブルが崩壊していました。就職市場は焼け野原のような状態。たった数年で状況が変わるのですから怖いものです。
しかし、こんなときに人生の転機はやってきます。「さて、これからどうしたらいいだろう」と悩んでいる私に、友人がIT業界の派遣社員として働いてみないかと声をかけてくれたのです。大学での専攻はフランス文学であるものの、IT業界やITエンジニアには興味があったので、私はこの誘いを受けることにしました。雇用が不安定な派遣社員ですが、超就職氷河期では他に選択肢がありませんし……。
このようにして、私のエンジニアとしてのキャリアがスタートしました。最初の仕事はインフラシステムのサポートデスク。本当は開発希望だったのですが、プログラミングの経験が浅いということでチャンスをもらえませんでした。結果、プログラミングの知識がさほど求められないオンプレミスのインフラを担当することになり、これが現在のインフラエンジニアとしてのキャリアの原点になっています。
不安だらけの派遣からSESへ転職。正社員になったけれど……
――将来が見えない派遣社員生活を抜け出すため、時代の逆風に抗ってキャリアを築こうとO.Kさんは某SES企業へ転職しました。
O.Kさん:当時、”自由な働き方の一つ”として浸透し始めた派遣社員でしたが、経験者の私からすれば、それは穴だらけでデメリットが多い働き方であり、決して本当の意味での自由なライフスタイルは手に入りません。仕事がなくなれば収入が途絶え、それこそ”自由に生きる手段”がなくなってしまいます。また、初級レベルの仕事ばかり振られるのでキャリアアップできない焦りと不安でいつも悩んでいました。
そこで私は某SES企業へ転職します。
晴れて正社員に……と言いたかったところですが、ここでも派遣時代に抱えていたキャリアアップの問題を根本的に解決するには至りませんでした。通常、将来のキャリアは自分が得意または興味がある分野やスキルをふまえて考えるものです。ですがこのSESでは案件をエンジニアが選べなかったため、なかなかキャリアアップできないのです。
エンジニアのスキルや経験、関心を無視したアサインはエンジニアが成長する機会を奪ううえ、モチベーションも失わせてしまいます。
ここで現状を受け入れるのか。それとも、もう一歩進むために戦うのか。
このとき、私はすでに40代後半。世間では大きな成長など期待されない年齢ですが、このままでは終われないと思った私は自分自身にまだ残っている可能性に賭けて、2度目の転職活動を開始しました。
案件選択制SESに転職。オンプレミスからクラウドのインフラエンジニアへ!
――年齢、そして案件を選べないことによるキャリアの停滞……。なかなか手強いハンデを抱えての転職活動でしたが、当社からのスカウトメールで状況は一変したといいます。
O.Kさん:スカウトメールによると、なんとアイ・ディ・エイチでは案件が選べるというではありませんか。今でこそ案件選択制を採用しているSESをちらほら見かけますが、私が2回目の転職活動をしていた7年ほど前は非常に珍しく、新鮮でした。「ここなら将来のキャリアを自分の意思で選び、築いていける」と思い、入社して現在に至ります。入社後は伊藤社長からAWSへの挑戦を打診され、結果、40代後半でオンプレミスからクラウドのインフラエンジニアへとキャリアアップできたのです。
もちろん、新しい挑戦に伴い学ばなければならないことがたくさんあり、私自身努力しました。
ですが何よりもクラウドの経験がほとんどない私でも参画できる案件を用意してくれた営業担当者(当時は当社代表の伊藤が営業を兼務)の尽力があってこそのキャリアップ。エンジニアの将来を考えてくれる会社に入社したことが、私のキャリアの大きな転機となりました。
50代エンジニアが参画中の案件とは?SESの案件に“年齢の壁”はある?
――「もう成長は期待できない」と判断されてしまいがちなミドル以降の世代ですが、O.KさんはトレンドのAWSを扱うインフラエンジニアへのスキルアップを実現しています。現在、当社最年長のエンジニアとなったO.Kさんが参画している案件とミドル世代が直面する”年齢の壁”の実情を語ってもらいました。
O.Kさん:今はオンプレミスからAWSへとサーバー移行しつつ、SAPで新しいパッケージを構築するプロジェクトに参画しています。AWSのスキルと今まで経験してきた業務システムの構築・更改経験が活かせるので非常にやりがいがあります。
SESでは年齢を重ねると参画できる案件が少なくなるとの話をよく聞きますが……
私の実体験では確かにあります。
当社では幸い、やりたい案件・やりがいのある案件に参画できていますが、以前在籍したSESでは、案件の募集要項にはっきりと「35歳まで」と記載されているのを結構な頻度で見ています。
このような年齢制限が設けられているのにはさまざまな理由がありますが、個人的にはベテランエンジニアをマネジメントできる人材がいないことが大きく影響しているのではないかと思っています。こうした状況が続く以上、ミドル以降のエンジニアは何かと”壁”を感じることが多くなるでしょう。
これが現実です。
ですが、年齢相応のスキルと経験があれば「案件がまったくない」なんていうことはありません。
結局のところ、エンジニアは技術がすべてなのです。
40代・50代ミドル以降世代のエンジニアへ「肝心なのは〇〇」
――エンジニアの需要は今後も続く一方、人手不足の問題が一向に解消されないIT業界。この状況を受け、ミドル世代エンジニアが活躍する場面は以前より増えています。
リクルートの2024年調査(※50歳以上のITエンジニアの転職動向)によれば、50歳以上のITエンジニアの転職者数は2019年比で約4.3倍に増加。さらに、転職時に賃金が1割以上アップした人の割合も2019年の12.9%から2024年には20.8%へと伸びており、ミドル・シニア世代がスキルや経験を評価されて待遇改善を実現するケースが広がっています。
スキルを備えたベテランエンジニアの需要は確実に高まっていますが、O.Kさんは「エンジニアにスキルや経験はあって当然。それ以外にもっと重要なことがある」と語ります。
O.Kさん:先ほども触れましたが、年齢相応のスキルと経験があれば仕事のチャンスはまだまだあります。そもそもエンジニアは技術を売る仕事。一定のスキルはあって当然です。
問題なのは、年齢相応のスキルを持てるようになるまで成長できる環境に身を置けるかどうか。
この点、現在のIT業界、特にSESはエンジニアのキャリアアップを阻む複数の問題を抱えているところが多く、会社都合の半強制的なアサインはその代表的な例です。ですから、今、自身のキャリアに限界を感じ、ミドル以降の将来に不安を抱いているエンジニアは、今からでも遅くないので成長できる環境に移ることが大切です。そのうえで、「これでやっていくんだ!」と心から思える得意分野を伸ばしてみてはいかがでしょうか。ただし、エンジニアは職種間のボーダーレス化が進んでいますから、ある程度幅広く対応できる臨機応変さが必要なことも忘れないでください。
そして、もう一つ大切なことがあります。
それはコミュニケーションスキルです。
通常エンジニアはチームで活動しますから、円滑にコミュニケーションできないと現場に居づらくなってしまいます。私の経験上、組織生活になじめないエンジニアは長続きせず、いつの間にか現場からいなくなることがあります。組織にいる以上、誰とも話さず、一人で黙々と作業することは難しいですから、独りよがりにならないよう注意したいものです。
60歳、シニアの入口までもうすぐ。べテランエンジニアの今後のキャリアプラン
――O.Kさんは定年となる60歳まであと5年ほどとなりました。「人生100年」と考えると60歳で引退は少し早い気がします。40代後半でようやく理想のキャリアを手に入れたO.Kさんにとっても、あと5年でキャリアを終わらせるのは本意ではないのではないでしょうか。
O.Kさん:超就職氷河期に派遣社員として社会人となり、不安定な雇用と先の見えないキャリアに長い間悩んできた私にとって、今が一番充実した時期。需要の高いAWSのスキルを身に付けてキャリアアップできたうえ、案件は選択制、単価の70%(福利厚生を含めると80%以上)を支給というガラス張りの給与体系、そしてフラットな組織体制……これほど恵まれた環境はありませんから、定年以降も継続雇用制度で65歳まで働き続けていきたいと考えています。そのためには現場に呼ばれるエンジニアであり続ける努力が必要ですが、今の環境ならまだまだがんばれるでしょう。
技術トレンドの流れはとても速く、私の感覚では5年を目途にガラッと変わる印象ですが、ついていく気力は十分あります!
まとめ|50代でもキャリアを諦める必要はない
50代エンジニアにはSESの案件なんてないのでは?と、年齢を理由に諦めかけていた方もいるかもしれません。
しかし、本記事に登場したO.Kさんは、40代後半で理想のキャリアをつかみ、今なお55歳でSES案件に参画し続けています。
この事実は「50代だからSESで働けない」という思い込みを覆すものです。
ミドル世代のエンジニアにとって大切なのは、スキルを磨き続けること、そして自分に合った環境を見つけること。その両輪がそろえば、50代以降でも安定してキャリアを築いていける可能性が十分にあります。
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