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2025/08/22
AIエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・向いている人の特徴を解説【2025年版】

Last Updated on 2025年8月22日 by idh-recruit
近年、AI(人工知能)技術の進化が目覚ましく、なかでもChatGPTなどの生成AI(Generative AI)の登場により、私たちの生活や仕事のあり方が大きく変わりつつあります。こうした動きを背景に、AIエンジニアの需要は各業界で急増しており、注目度もますます高まっています。
本記事では、AIエンジニアの仕事内容や必要なスキル、年収、向いている人の特徴、将来性について、2025年時点の最新情報を踏まえてわかりやすく解説します。
これからAIエンジニアを目指す方はもちろん、生成AIの進化を受けて「自分も何かスキルを身につけたい」と考えている未経験者やキャリアチェンジ希望者にも、ヒントになるはずです。
Contents
AIエンジニアとは?仕事内容や活躍の場を確認しよう
まずはAIエンジニアの仕事内容について確認していきましょう。
AIエンジニアとは?
AIエンジニアとは、人工知能(AI)技術を活用して、システムやアプリケーションの開発・運用・実装を行うエンジニアです。主に機械学習や深層学習(ディープラーニング)のアルゴリズムを用い、大量のデータから有用な情報を抽出し、業務の効率化や新しい価値の創出に貢献します。
近年では、ChatGPTなどの生成AIの登場により、AIエンジニアの役割も広がっています。従来のモデル開発に加え、大規模言語モデル(LLM)を活用したサービスの設計やプロンプトエンジニアリングなども新たな業務領域として注目されています。
主な仕事内容
- データの収集・前処理
データのクレンジングや特徴量の設計を通じて、モデルの学習精度を高めます。 - モデルの設計・開発
ビジネス課題に応じたアルゴリズムを選定し、最適な機械学習モデルを構築します。 - モデルの評価・チューニング
精度や汎化性能を評価し、必要に応じてパラメータの調整や再学習を実施します。 - システムへの実装・運用
開発したモデルを本番環境に組み込み、継続的な運用・改善を行います。
AIエンジニアが活躍する場
AIエンジニアの活躍領域は年々広がっており、以下のような業界で重要な役割を担っています。
- 製造業:異常検知や品質検査の自動化
例:画像認識を使って不良品を検出し、生産効率を向上。 - 医療分野:画像診断の支援や創薬プロセスの高速化
例:CT・MRI画像をAIで解析し、疾患の早期発見をサポート。 - 金融業:不正検知や市場動向の予測
例:取引ログをリアルタイムに分析し、リスクの早期発見に活用。 - 小売業:需要予測やレコメンドの最適化
例:購買履歴に基づくパーソナライズド提案の自動化。 - 自動車業界:自動運転や安全支援システムの開発
例:センサーデータを統合し、走行制御アルゴリズムを実現。 - 公共セクター:スマートシティや防災支援システム
例:交通・気象データを解析し、都市設計や避難誘導に活用。 - エネルギー分野:発電制御や需給予測の高度化
例:再生可能エネルギーの最適配分や送電ロス削減をAIが支援。
データサイエンティストや機械学習エンジニアとの違い
AIエンジニアとよく比較される職種に、データサイエンティストや機械学習エンジニアがあります。いずれもAI分野の専門職ですが、それぞれに役割の違いがあります。
共通点としては、「データ処理スキル」「PythonやRなどのプログラミング言語」「機械学習・統計的手法の理解」など、テクニカルなスキルセットが求められる点です。
データサイエンティスト
ビジネス課題に対して、統計解析や機械学習を用いてデータから洞察を導き出すことが主な役割です。単なる分析にとどまらず、課題設定やプレゼン能力、経営理解も重視されるため、よりビジネス寄りの職種ともいえます。
機械学習エンジニア
主にアルゴリズム開発・最適化を担い、精度の高いモデル設計やチューニングが業務の中心です。アルゴリズムの深い理解と高度なプログラミング能力が必要とされる、技術志向の強いポジションです。
AIエンジニア
機械学習エンジニアのスキルに加えて、システム全体への統合や運用・保守までを見据えた設計を行います。データ分析から実装・デプロイまでを横断的に担当し、全体最適の視点が求められる職種です。
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AIエンジニアになるために必要なスキル
AIエンジニアには、論理的・数学的な思考力とアルゴリズムの理解が求められます。
……と言われるとちょっと難しそうに聞こえますが、実際には「何をどうやって動かすか」を考える力と、必要な知識を調べて使いこなす柔軟さが大切です。
特に線形代数、微分積分、確率統計といった数学の基礎知識は重要視されますが、近年では便利なライブラリやツールが豊富にあるため、「数式を1から全部理解しないと無理!」というわけではありません。PythonやTensorFlowなどを通じて、手を動かしながら学べる環境が整ってきています。
また最近ではChatGPTのような生成AIの登場により、AIエンジニアに求められるスキルも少し変わってきています。
プログラミングスキル
・Python
機械学習やデータ分析で最も使われている言語です。初心者向けの学習教材も多く、「とにかく始めてみる」がしやすいのが魅力。以下のようなライブラリとセットで使われます。
<よく使われるPythonライブラリ>
NumPy:数値計算(計算機のような役割)
Pandas:データの整理・加工(Excelの表を扱うようなイメージ)
scikit-learn:機械学習の基本ツール
TensorFlow/PyTorch:AI開発でよく使われる“本格派”フレームワーク
OpenAI API / LangChain:ChatGPTのような生成AIをアプリに組み込むときに使うツール
・R言語
統計解析やグラフ表示に強い言語で、医療・研究機関・マーケティング業界などでよく使われています。Pythonに比べると専門性が高めとなります。
2025年注目の生成AI関連スキル
ChatGPTなどの生成AIを活用する場面が増えたことで、AIエンジニアにも新しいタイプのスキルが求められつつあります。
プロンプト設計:AIにうまく指示を出すためのテクニック。
LLMの理解:ChatGPTのような「大規模言語モデル」の特性や限界を知っておくこと。
API連携:AIをWebアプリやサービスに組み込むための知識。
LLMOps(エルエルエム・オプス):生成AIを導入した後に、精度の維持や運用改善を行うノウハウ。
「全部理解しないとダメなの?」と思うかもしれませんが、今は“使いながら学ぶ”が主流です。まずはPythonから始めて、興味のある領域へ少しずつ広げていく形でもよいでしょう。
焦らず、でも“今のうちに一歩踏み出す”ことによって後々大きな差が出ますよ。
データベース・ビッグデータ処理
・SQL
データの抽出や操作に必須のスキルです。
・NoSQLデータベース
MongoDB、Cassandraなどを利用すれば、柔軟なデータモデルで、大量の非構造化データを扱えます。
クラウドサービスの知識
・AWS(Amazon Web Services)
アマゾンが提供するクラウドサービスです。EC2、S3、SageMakerなどを利用して機械学習モデルの構築からデプロイまで一貫して行えます。
・Google Cloud Platform(GCP)
グーグルが提供するクラウドサービスです。数あるサービスのなかでも、AI Platform、BigQueryなどは大規模データの分析やモデルのトレーニングに適しています。
・Microsoft Azure
マイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。Azure Machine Learning、Data Lake Storageといった分散型データストレージサービスを組み合わせることで、大規模データを活用した機械学習モデルの構築・運用が効率的に行えます。
ソフトウェア開発の基礎
・バージョン管理
Gitはコードの履歴管理やチームでの開発に必須です。
・テスト自動化
JUnit、PyTestなどのツールは品質の高いコードを維持するために重要です。
開発手法
・アジャイル開発
柔軟なプロジェクト管理手法で、変化に対応しやすいというメリットがあります。手法を覚えておいて損はありません。
未経験からでもAIエンジニアになるには?
未経験からでもAIエンジニアになることは可能です。ただし専門性の高い分野であるため、計画的な学習と実践が必要です。
学習のステップ
1. プログラミングの基礎習得
・方法:オンライン学習サイト(Progate、ドットインストール)や書籍で学ぶ。
・ポイント:Pythonを中心に、基礎文法とライブラリの使い方を習得する。
2. 数学・統計学の基礎理解
・方法:大学の教科書やオンライン講座(Khan Academy、Coursera)を活用。
・ポイント:機械学習アルゴリズムの理解に必要な部分から始める。
3. 機械学習・深層学習の学習
・方法:Udemyなどのオンラインコースや『ゼロから作るDeep Learning』などの書籍を利用。
・ポイント:理論と実装をバランスよく学ぶ。
4. ポートフォリオの作成
・目的:自身のスキルや実績をアピールする。
・方法:GitHubにコードを公開する。(自身のブログ等。SNSでの公開は種類を慎重に選ぶこと)
AIエンジニアに向いている人の特徴
単にプログラミングや数学が得意なだけでは、AIエンジニアとして活躍するのは難しいかもしれません。以下のような特徴を持つ人は、AIエンジニアに向いていると言えるでしょう。
好奇心旺盛で学習意欲が高い
AI分野は技術革新のスピードが非常に速く、新しいアルゴリズムやツールが次々と登場します。そのため、「わからないことをそのままにしない」「新しい技術を試してみたい」といった好奇心や継続的な学習意欲が欠かせません。
こうした人は、AI技術の最前線でも活躍しやすくなります。
また学習意欲が高い人は、失敗から学ぶ姿勢を自然と身につけていることが多く、成長を続けるエンジニアとして周囲から信頼される存在になれるでしょう。
論理的思考力と問題解決能力が高い
AIエンジニアの業務では、複雑な課題に直面する場面が多々あります。それらを効率よく解決するためには、問題を分解して原因を特定し、段階的に適切な解決策を導き出す力が求められます。
たとえばモデルの精度が上がらないとき、データの偏りを見抜いたり、最適なハイパーパラメータを調整したりする場面では、論理的な分析力と実行力が問われます。
このようなスキルを備えた人は、プロジェクトの推進においても自然とリーダーシップを発揮できるでしょう。
数学や統計学に興味がある
AIや機械学習の根幹には、数学や統計学の知識が深く関わっています。
たとえばモデル構築やアルゴリズム設計には、線形代数・微分積分・確率統計の理解が不可欠です。したがって数式や理論を学ぶことを楽しめる人には、AIエンジニアとしての適性があると言えるでしょう。
数学的な裏付けがあれば、実践面だけでなく理論的なアプローチでも他のエンジニアと差別化できるため、学習する意義は非常に大きいといえます。
AIエンジニアの年収~他のエンジニア職種と比べて年収が高い理由とは?~
今非常に注目されている分野かつ、専門性の高い職種であるAIエンジニア。需要が非常に大きいため、年収は他のエンジニア職種と比較して高水準にある傾向です。
AIエンジニアの平均年収は?
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、AIエンジニア(機械学習・AI開発エンジニア)の月収は全国平均で52.4万円と報告されています。これを年間に換算すると約628.9万円となります(※賞与・残業代は含まれていません)。
一方、レバテックキャリアによる求人分析では、AIエンジニアの平均年収は約677万円(2024年8月の執筆時点)という結果が出ています。つまり、賞与や残業代を含めた総年収を考慮すると、600万円台後半が相場だと掴めます。経験や企業のフェーズ、プロジェクト規模によってはさらに上も見えてくるでしょう。
出典:レバテックキャリア「AIエンジニアの年収は?傾向や年収アップの方法を解説」
年収が高い理由
■ 需要の高さ
近年、AI技術の導入は企業の競争力に直結する要素となっており、幅広い業界でAIエンジニアのニーズが急増しています。製造業における品質管理の自動化、小売業での需要予測、医療分野での診断支援など、活用シーンは急速に広がっています。
しかしながらこの急速な拡大に対して人材の供給が追いついておらず、深刻な人手不足が続いているのが実情です。この需給ギャップこそが、AIエンジニアの年収が高くなる最大の要因の一つといえます。
■ 専門性の高さ
AIエンジニアには、機械学習や深層学習といった高度な技術の理解に加え、数学やプログラミングの深い知識が求められます。さらに、データ処理・モデル構築・クラウドインフラといった周辺技術にも精通する必要があり、こうした専門性の高さが他のエンジニア職種と比べて高い報酬につながっています。
年収に影響する要因
■ スキルセット
AIエンジニアが扱う技術分野は多岐にわたり、深層学習、強化学習、自然言語処理、コンピュータビジョンなどがあります。これらの先端技術を習得していると市場価値が高まり、PythonやTensorFlow、PyTorchといった実用ツールの経験があればさらに有利でしょう。
またAWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスを使ったスケーラブルなシステム構築スキルも、年収を押し上げる要素になります。
■ 業界や企業規模
年収は働く業界や企業規模によっても大きく左右されます。たとえば金融業界ではアルゴリズム取引やリスク管理の分野でAI技術が活用され、収益性の高い業務への貢献度から報酬も高く設定されています。
医療分野でも画像診断や創薬支援にAIを応用する事例が増えており、専門性を活かせる人材は高収入を得やすい傾向に。さらに大手企業や外資系企業では、優秀なAI人材を確保するために高い報酬水準を設定する動きが見られます。
■ 実績や成果
AIエンジニアの評価は、実際にプロジェクトでどれだけ成果を出したかによっても大きく変わります。たとえばプロジェクトを主導して企業に利益をもたらしたり、商業的に成功したAIモデルを開発したりした実績があれば、年収交渉の場でも非常に有利になるでしょう。
AIエンジニアの将来性~「オワコン」「仕事がなくなる」は本当?~
「AIエンジニアの仕事は将来なくなるのでは?」という声も聞かれますが、現時点の状況を見る限り、その懸念は杞憂と言えるでしょう。むしろAIの進化と普及が進むにつれ、AIエンジニアの需要は今後さらに高まっていくと予測されます。
総務省が発表した「令和6年版 情報通信白書」によれば、日本におけるAIシステムの市場規模は2028年に2兆5,433億6,200万円まで拡大する見通しです。
確かにAI技術の一部はツール化・自動化が進み、基礎的な作業の効率化が進む可能性があります。しかしこれは裏を返せば、より高度で複雑な課題への対応が求められる時代が訪れるということ。そうしたニーズに応えられるスキルや知識を持ったエンジニアの価値は、一層高まっていくでしょう。
特にAI技術を業界ごとに最適化して導入する能力や、倫理的な観点を踏まえたシステム設計のスキルは、AIツールでは代替が難しい分野です。
さらに自動運転技術、医療分野での診断支援、環境問題の解決など、AI活用の幅は年々広がっており、AIエンジニアの活躍フィールドも確実に拡大しています。
したがって「オワコン」どころか、AIエンジニアは未来の社会を支える中核的な職種であり、その将来性は明るいと言えるでしょう。
8.まとめ:未来をつくる側に立ちたいなら、AIエンジニアという選択肢を
AIエンジニアは、これからの社会でますます重要となる職種です。
確かに他のエンジニア職種と比べて技術習得のハードルは高めですが、未経験からでも計画的な学習と実践を積み重ねれば、十分に目指すことができます。文系出身でAIエンジニアになった方も、実際に数多く存在するんですよ。
とくに数学の理解は基礎力として重要となるため、高校数学レベルから丁寧に積み上げていくことが成功への近道となるでしょう。
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