Webエンジニア3年目で年収を上げるには?転職・スキル戦略を解説
2023/12/08
SESはフルリモートで働ける?あなたに合った案件の見つけ方とメリット・デメリット

Last Updated on 2025年9月2日 by idh-recruit
「SESはリモートワークできない」「求人が少ない」という声を聞いて、SESでのフルリモート勤務を諦めていませんか?
確かにフルリモート案件は競争率が高めですが、最近は週に数日の出社とリモートを組み合わせた「ハイブリッドワーク(勤務)」を導入する企業も増えています。
本記事では現役エンジニアの経験をもとに、SESでフルリモートを実現するための具体策や、ハイブリッド勤務という選択肢についても解説します。
【この記事を書いた人】
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情報系工学部の大学を卒業後からIT業界で仕事を続けている経歴10年以上のエンジニア。
案件自由選択制SESという様々な経験と幅広いスキルを追及できる働き方と、お客様とHappy-Happyの関係を築きたいという理念に共感してIDHに転職。
これまでWeb系エンジニアとしてフロントエンドからサーバーサイドまでJava、Ruby、Pythonを中心に設計、プログラミング、テストまで幅広く担当し、通信インフラ、広告配信、人材派遣業、金融、ECサービス、IoTなど数多くのプロジェクトを経験。
Contents
そもそもSESエンジニアはリモートワークできるのか?
結論としてSESエンジニアはリモートワークできます。
新型コロナウイルス(COVID-19)が流行する2020年以前は「プロジェクトメンバー間のコミュニケーションが難しくなる」「パソコンの社外への持ち出しや自宅からの遠隔操作はセキュリティ上の問題がある」といった懸念があったため、SESエンジニアのリモートワークは難しいとされていました。
こうしたことから、SESエンジニアのリモートワークは、これまでごく一部の案件に限られていました。
しかし新型コロナウイルスのパンデミックにより、出勤を抑制して感染拡大を防ぐ必要が生まれ、加えて、緊急時の業務継続を図る有効な手段として、政府からリモートワーク導入の協力要請もありました。
その結果、SESにおいても「リモートワーク可」とする案件が増えていったのです。
同時に、ZoomやGoogle Meetなどの登場でコミュニケーションの問題が解決され、パソコンを外部に持ち出す際の取り決めや、VPNを導入してパソコンを遠隔操作する際のセキュリティ対策が強化されたことなども追い風となりました。
現在はフルリモートできる案件のほか、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方を採用している案件も多数あります。「週数日だけ出社+残りはリモート」というハイブリッド型勤務を導入する企業が増えています。
「週数日だけ出社+残りはリモート」というハイブリッド型勤務を導入する企業が増えています。ハイブリッドワークのメリットは、
・出社時:セキュリティが厳しい業務やチームでの意思疎通をカバーできる
・リモート:集中して作業でき、通勤の負担も減らせる特にSESでは、クライアント先の意向もあるため「フルリモートは難しい」ケースも少なくありません。そんなときでも、ハイブリッドワークなら現実的にリモート時間を確保できる可能性があります。
SESエンジニアがリモートワーク案件で得られるメリット
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き始めた後も、引き続きリモートワークを希望する人は多いです。なかにはリモートワーク、特にフルリモートできる会社や職種・業界で働くために転職活動を始める例も見られるようになりました。
そして外出自粛が明けた現在も、リモートワークを希望するエンジニアは少なくありません。
その背景には、次のようなメリットがあるためです。
① ワークライフバランスを実現しやすい
ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスがとれている状態のことをいいます。
リモートワークは自宅で仕事をすることになりますので、通勤時間をカットできます。満員電車や複数回の電車乗り換えはエンジニアに限りませんがストレスのもと。リモートワーク可能ならその制度を利用しない手はありません。
また、通勤時間のカットによって個人の余暇時間を有効利用できるようになります。新しい技術や資格取得の勉強など、自己研鑽の時間を取れるのはエンジニアにとって非常にうれしいポイント。
激務になりがちなエンジニアでも、業務の開始時間まで自宅で体を休められますし、子育てや介護など家庭にもっと時間を割けます。しかも、地方にいながら単価の高い東京の案件にも参画できたりしますから(案件にもよりますが)、やはりリモートワークは多くのエンジニアにとって“理想の働き方”なのです。
② 業務の生産性を上げられる
前述のようにリモートワークでは通勤がなくなるため、交通機関の遅延や満員電車のストレスがなくなります。無駄に体力を消耗することがなくなり、心身の余裕をもって仕事にとりかかれるでしょう。これが結果的に良いパフォーマンスへとつながるのです。
人によっては「誰にも話しかけられないから、リモートの方が集中できる」と感じることもあります。集中力が高まって仕事がはかどる――生産性向上の点でも、リモートワークはもっと注目されるべき働き方だと思います。
③ 技術以外のスキルも身に付く
エンジニアがリモートワークでコミュニケーションを取る手段として、チャットやメール、Web会議ツールなどがあります。
設計書やソースコードの内容を相手に説明する場合には、対面ではなくパソコン画面を共有して相手に伝えることもあります。画面と音声のみで業務内容を分かるように共有するという「伝える力」、共有される側であれば「理解する力」が必要になります。
リモートワークで身につくIT以外のスキル
リモート環境では、IT技術だけでなく以下のようなスキルも自然と鍛えられます。
スキル | 身につく理由 |
---|---|
主体性・積極性・判断力 | 自分でタスクを選び、行動を決める場面が増える |
自己管理能力・集中力 | 周りの目がない環境でも成果を出すために必須 |
コミュニケーション力 | 困ったときに自ら報告・連絡・相談できる力が求められる |
このようにリモートワークを続けることで、プログラミングや設計といったIT技術以外の力も自然と伸ばせます。
SESでリモートワークできる案件の特徴とは?
当社でもリモートワーク案件は非常に人気が高く、それが目的で入社を決める社員も。
そんなリモートワークですが、SESに集まっているリモートワークには次のような特徴があります。
① 一定水準以上のセキュリティ対策を条件にリモートワーク可とする案件
SESのリモートワークではパソコンを扱うことが必須になりますので、セキュリティの事故を防ぐためのリスク対策が重要になります。
したがって、次のような一定水準以上のセキュリティ対策を条件にリモートワークを許可していることがあります。
- 持ち出しパソコン紛失のリスクを考慮して暗号化ソフトを導入している
リモートワーク経由では物理的に顧客情報を閲覧できない
VPNや2段階認証など外部から簡単にアクセスできない
持ち出しスマホ紛失のリスクを考慮して遠隔で端末の情報を初期化できる
② コミュニケーションツールを活用しているクライアントの案件
プロジェクトメンバーといつでもコミュニケーションが取れるよう、SlackやChartwork、Teamsなどのコミュニケーションツールを活用できる案件はリモート可とされることが多いです。
音声通話があれば最低限リモートワークのコミュニケーションとしては成立しますが、これに加えてBacklog、Asanaなどのタスク管理ツールを導入してリモートワークでのタスクを“見える化”している企業もあります。
③ 高レベル・経験豊富なプロジェクトメンバー中心の案件
リモートワークは出社したときのように近くで指示・指導できるわけではないため、手取り足取り教える必要のない、ある程度経験のあるエンジニアでなければ務まりません。
ですから、今までの経験と高いスキルでもって主体的に行動できるエンジニアが中心となっているプロジェクトは、リモートワーク可とする案件が多い傾向にあります。
もし、新入社員やIT未経験者が多い状況でリモートワークを行った場合、参画後のキャッチアップに時間がかかってしまい、ちょっとしたことで質問が飛び交って業務を進められなくなってしまいます。
SESでリモートワークできない案件の特徴とは?
では反対に、SESでリモートワークできない案件にはどのような特徴があるのでしょうか。
① 機密・機微情報を扱う案件
セキュリティ対策をしても対処しきれない機密情報や個人情報等、重要な情報を取り扱う場合はセキュリティの条件が非常に厳しくモートワークできない案件になります。
セキュリティが厳しい案件では、業務用パソコンを社外へ持ち出すことは禁止になりますし、リモートデスクトップ接続も禁止されている企業であればパソコンが必須のエンジニアの仕事が物理的にできないということになります。
出社して業務を行う際に外部とのネットワークが遮断されたスマホの持ち込みを禁止しているような機密情報を扱う金融系の案件や、外部持ち出し厳禁のドキュメントを管理しているような案件でもリモートワークは難しいと考えて良いでしょう。
サーバを管理しているインフラエンジニアはAWSやGCPに代表されるクラウドで外部にサーバを操作できるため、セキュリティ対策をしっかり行えばリモートワークが可能ですが、外部からアクセスできないハードウェアを管理しているオンプレ系のインフラ案件の場合はサーバルームの中で物理的に何らかを操作する必要があるので、リモートワークができない案件になります。
② お客様との距離が近い案件
SESエンジニアの現場ではエンジニアだけでなく、取引先のお客様も常駐しているケースがあるのですが、現場でお客様とエンジニアが対面で密にコミュニケーションを取っているようなプロジェクトの場合はリモートワークの許可が下りないことがあります。
そもそも、リモートワークが普及したのは新型コロナウイルスの感染予防がきっかけですから、感染するリスクが下がればリモートにする必要はないと考えるお客様がいても不思議ではありません。
SESエンジニアがリモートワーク案件に参画する方法とは?
先ほどもご説明したとおり、数あるSESの案件の中でもリモートワーク案件は人気が高く、特にフルリモート希望となると競争率もそれなりになります。
「次こそリモートワークで働きたい!」と考えている方は次の点を心がけて、SESのコーディネーターやお客様にアピールしましょう。
① 自己管理能力を身に付ける
リモートワークでは徹底した自己管理能力が求められます。
理由は言わずもがな、基本的には自宅一人黙々と作業するからです。出社時のように人に見られているわけではありませんから、自宅という誘惑の多い環境で自身の行動をコントロールできる自己管理能力が必要になります。
リモートワークという働き方はエンジニアとお客様との信頼関係で成り立っているところがあり、どこで作業するにしても仕事に真面目に取り組むことが大前提。業務に支障をきたすようなサボり癖がある人は原則NGとなります。
お客様との面談では自己管理能力が高いことをアピールしつつ、普段の生活でも予行練習として自宅でプログラミングや資格取得の勉強などを継続して、自己管理能力を鍛えておきましょう。
自己管理能力がないままリモートワーク案件に参画しても、すぐにだらけてしまい思ったように仕事が進まないものです。
② 遠隔でのコミュニケーションスキルを身に付ける
リモートワーク案件ではプロジェクトメンバーとの間で報告・連絡・相談が必ずありますし、会議に入ることもありますから、遠隔でのコミュニケーションスキルが必須となります。
パソコンの画面を映しながら説明したり、担当箇所の質問をされたりすることも頻繁に発生します。もしリモートワーク未経験であれば、面談の自己紹介や職務経歴の説明を通して遠隔でのコミュニケーションスキルが優れていることをアピールすると良いでしょう。
またリモートワークでは直接相手が見えないため、何か困ったことがあったときにチャットで連絡してもすぐにレスポンスが返ってこないことがあります。つまり待ち時間が多くなりがちです。この点、自主的に行動できるエンジニアであれば、レスポンスが返ってこないときでも代替のタスクを入れて無駄なく業務を行います。
普段の生活・仕事でもいわゆる“指示待ち”のスタンスでいることはやめましょう。
なお一度リモートワークを経験して特有の働き方に慣れてしまえば、他のリモートワーク案件への参画率も上げられます。リモートワーク経験がある方は応募時に必ず伝えましょう。
③ 高レベルの技術を身に付ける
リモートワークでは業務中に発生するトラブルを自力で解決できる“レベルの高い技術”を要求されることになります。
自己管理能力やコミュニケーション能力はどんなに鍛えても目に見える形で本領発揮されるのは参画後になりますが、技術は資格やポートフォリオといった目に見える形で証明できるもの。基本的なGitの使い方から最先端の技術まで日々インプットして、リモートワークでも出社時と変わりなく業務を行える技術を身に付けておきましょう。
「SESという働き方の基本から知りたい」という方は、こちらも参考にしてください。
おわりに|リモートワークを続ける上で大切なこと
余談ですが、リモートワーク案件を続けていると健康を害することがあります。
長時間家にこもったままだと運動不足になりますし、朝の支度や通勤がなくなるせいで、1日のリズムが整わず生活習慣が乱れてしまうこともあります。
しかし、それで健康に悪影響を及ぼしてしまうようであれば、リモートワーク案件を選んだ意味がありません。
リモートワークを続ける場合は健康的な生活を心がけることも忘れないようにしてください。
SESとリモートワークに関するよくある質問【FAQ】
Q1. どんなSES案件ならフルリモートで働きやすいですか?
A1. Web系開発(Java・Ruby・Pythonなど) や フロントエンド開発(React・Vue.jsなど)、さらに AWSやGCPといったクラウドインフラ案件は、オンライン環境で作業が完結しやすいため、フルリモートの可能性が比較的高いです。
Q2. 逆に、リモートワークが難しい案件はありますか?
A2. 金融・公共系のシステム開発や オンプレミスのサーバ運用保守のように、セキュリティや現場対応が必須となる案件は、リモート不可のケースが多いです。こうした領域では基本的に出社が前提となります。
Q3. SESでフルリモートを選ぶと年収は下がりますか?
A3. 一概には言えません。 案件や企業の方針によって大きく異なります。 一般的にフルリモート案件は「自律して成果を出せること」が前提になるため、一定のスキルや経験を持つエンジニアには高単価案件が提示されるケースも多いです。 一方で、未経験者やサポートが必要なフェーズの多い案件ではリモートが難しく、結果的にリモート可能な案件より単価が低めの現場を紹介されることもあります。 つまり、リモートワークだから必ず年収が下がるわけではなく、スキルのレベルや担当領域によって、むしろ条件が良くなることもあるのが現実です。
編集部より
フルリモート勤務を希望する求職者は依然として多く、Indeed Japan株式会社の調査では2023年以降も検索割合が右肩上がりで伸長していることがわかっています。(出典:Indeedリモートワークに関する仕事検索動向)
一方でレバテック株式会社の調査によれば、フルリモート求人はコロナ禍のピーク時と比べて約30%減少し、出社回帰の流れも見られます。(出典:IT人材の正社員転職市場動向 2025年6月)
つまり「フルリモートで働きたい人は多いが、案件数は限られている」 のが現状です。
そのため転職や案件選びを検討する際には、次のポイントを確認することをおすすめします。
- スキル要件:フルリモート案件は経験豊富なエンジニア向けが多いため、自身のスキルレベルがマッチしているかどうか。
- コミュニケーション体制:チャットやタスク管理ツールが整備されているか。
- セキュリティ体制:VPNやPCの持ち出しルールなどが整備され、安心して働ける環境か。
希望者が多いからこそ、「自分に合った案件を見極め、しっかり準備をしておく」ことが大事です。
また、出社とリモートを組み合わせたハイブリッドワークを導入している企業にも注目してみてください。週2~3回など出社頻度は企業によって異なります。ご自身の理想と現実の条件を照らし合わせながら進めていきましょう。
当社のSESでも、案件によってはリモート勤務やハイブリッドワークが可能です。
あなたの希望に合った働き方を実現できる案件を、一緒に探してみませんか?
まずはお気軽にご相談ください。
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