エンジニアが転職して後悔するパターンと転職で失敗しないための対策とは?
2023/11/17
現役エンジニアが副業案件を探してみた!~エンジニアが副業したら稼げるのか?~
改めて、副業とは何だ?
職業や働き方の多様化が進んでる昨今、政府が副業を推進している影響もあり、「副業」という言葉を目にする機会が増えました。一昔前は従業員の副業を禁止している企業が多かった印象がありますが、副業推進の流れを受けて最近は副業を可とするの会社も増えています。副業にチャレンジしたいと考えていた方には好機でしょう。
このように今何かと話題の副業ですが、そもそも副業に法律上の定義はないらしく、本業以外の別の仕事全般を指すようです。
副業の定義がないのに本業とはこれいかにと思いますが、要は他に仕事がある状態で土日や仕事が終わった後に働くことを副業と考えてよいでしょう。
ほかの職種と比べて年収が高いといわれる我々エンジニアにとっても、副業は少し気になる働き方ではないでしょうか。本業で培ったスキルが活かせれば大幅な増収も期待できそうな気がしますが……。
エンジニアが副業している割合はどのくらい?
厚生労働省の労働政策審議会安全衛生分科会が令和2年に公表した資料によれば、副業している人の割合は全体で9.7%。昨今の副業ブームからすると副業人口は意外にも少ないように感じるかもしれませんが、株式会社パーソル総合研究所が令和3年に発表した「副業に関する調査結果(企業編)」では、副業者を受け入れている/受け入れる意向がある企業は47.8%に及び、受け入れ副業者の職種はITエンジニアが15.6%と、トップの営業(19.6%)に次ぐ割合を占めていますから、エンジニアの副業率はそれなりに高いことがわかります。
副業で収入が増えてうれしい限り……となればいいですが、いざやろうとすると「どうやって始めればいいのか」「結局面倒くさくならないか」など、さまざまな不安がよぎるものです。
一般的な副業の平均月収は約5~7万円、業務時間は1ヵ月60時間程度
本業もこなしたうえで、さらに副業に時間と労力を費やす――。業種や職種、企業文化にもよりますが、一般的に長時間労働の傾向が高い日本で副業することは、なかなかハードです。それををあえて行うのですから、それなりの収入にならなければあまり意味がないと考えてしまうのも当然です。
では実際のところ、副業したらどのくらい稼げるものなのでしょうか。
大手転職サイト「マイナビ転職」が令和2年に実施した副業に関するウェブ調査の結果、副業で得た月収の平均は5万9782円でした。一週間あたりの副業時間については株式会社パーソル総合研究所が令和元年に実施した「副業の実態・意識調査」で、平均10.32時間という数字が出ています。
(参照:マイナビ転職「キャリアトレンド研究所」、株式会社パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査」)
このほかにもいくつかのデータを併せて分析すると、副業の平均月収は約5~7万円、1ヵ月60時間前後の労働になるようです。仮に6万で60時間と考えると時給1000円となり、コンビニのアルバイトと同程度になります。……なのであれば、忙しい中わざわざ副業しなくてもいいのではないかと考えてしまうかもしれません。
エンジニアの場合はもう少し稼げるのでしょうが、このデータを見ると躊躇してしまうでしょう。
副業案件はどこで探すのか?代表的な手段は2つ
大した収入にはならない――。こう簡単に結論付けてしまうのもおもしろくありませんから、実際に副業案件を募集しているサイトをチェックしてみました。
2023年現在、代表的な副業プラットフォームは下記の2つに大別され、それぞれ複数のサービスが存在します。
・クラウドソーシングサイト
・エンジニア向けエージェント
レバテックフリーランス(エージェント):フリーランスエンジニア向け案件で有名
Green(転職サイト):転職サイトだがアルバイトやフリーランスの案件も多い。企業からスカウトが来る
Midworks(エージェント)
HiPro Tech(エージェント)
Crowd Works(クラウド):トップクラスの知名度
Lancers(クラウド):トップクラスの知名度
Offers(副業・転職プラットフォーム)
クラウドソーシングサイト
こちらはワーカー(仕事をしたい人)とクライアントのマッチングが目的のサービスサイトであり、ビジネスマッチングサイトと呼ばれることも。
クライアントがサイト上に記載した仕事依頼を見たワーカーが応募・受注したり、自分のプロフィールや実績を見たクライアントからワーカーへ仕事を依頼したり、あるときにはコンペで多数の応募から選ばれたワーカーが受注したりなど、複数の受注方法があります。
クライアントからの仕事依頼がない限りは自ら応募し、実績やスキルをもとに営業しなければならない点は少々面倒かもしれません。
また、クライアントとの支払いや単価をめぐるトラブル、炎上・搾取案件(単価が非常に安い)が多いなどのデメリットも報告されていますから、副業でクラウドソーシングサイトを利用する際は慣れと自衛が必要です。
エンジニア向けエージェント
エンジニア向けエージェントに登録してエージェントから副業案件を紹介してもらい、受注します。
クラウドソーシングサイトと違い、営業する必要性はありませんが、実際に受注できるかどうかはエージェントの保有案件数やスタッフの営業力次第という意見が散見されます。
また、2023年10月現在では下記のような傾向があるようです。
・一部有名エージェントに案件が集中している。
・実務経験が数年ないと紹介してもらえない・リモート案件は少なめ
・フリーランス向けの案件が多く、週5の案件がほとんど
こういったことを踏まえるとエンジニアとして副業をするためには、1~3年はエンジニアとして働いている実績が必要になるでしょう。
エンジニアが実際に副業案件を探してみた~クラウドソーシングサイトをチェック~
では、今度は現役エンジニアである私が自分自身で副業することを念頭に、副業サイトをチェックしてみることにしました。
副業する際の条件は以下です。
・土日や業務外に行い、週10時間ぐらいの業務内容
・ある程度業務内容が選べる(テスト業務より製造業務がいいなど)
・報酬よりも経験を積むことを重視
上の条件を前提とすると、エージェントよりクラウドソーシングサイトが最適だと判断。知名度の某サイトに登録しました。
現役エンジニアが副業サイトを覗いた感想は?
クラウドソーシングサイトに登録すると案件(仕事)が山のようにあり、種類も多種多様だったので想像以上に流行っていると感じました。
システム開発というジャンルだけでもかなりの数があり、これなら自分でもすぐに案件を受注できそうだと思ったのですが……確認していく内にそんなに甘くはないことがわかってきました。その理由は次のようなものです。
・案件が多すぎて探すのが面倒
まず、案件が多すぎて探すのが面倒になってきます。
システム開発でもかなりの数が常時募集されているため、自分の得意分野や言語を絞るなど、工夫して案件を探さないと案件探しの段階からつまずきそうです。
・単価と納期が微妙な案件が多い
案件自体はたくさんありますが、納期や単価についてはだいぶ怪しさを感じます。
たとえば、1ヶ月のシステム開発テストまでで数百万円、VBAマクロ1つ5000円の仕事など、やれそうではあるものの一から作るとなると意外な所でつまずくことも多く、労力や時間が結構かかるものですが、こちらのサイトで募集されている案件は、問題が発生しないことを前提とした単価が多いのです。
こうしたことを考慮すれば、この単価で稼ぐためには作られたものを使いまわすなど、すでに自分にあるものを切り売りしないと難しいと感じました。
・ライバルが多く競争率が高い
仮に良い案件が見つかったとしても、その案件を獲得するにはほかのライバルに勝たなければなりません。
受注件数が多い人気のワーカーの場合、プロフィールはもちろん、顔写真や本名、取引履歴までしっかり記載されていることが多く、逆にこうした情報が少ないワーカーは積極的に応募・営業してもクライアントからの信用を得られにくく、受注には苦労している様子がうかがえました。
まとめ
今回はエンジニアが副業する場合を想定して某クラウドソーシングサイトに登録し、案件を探してみましたが、ここで案件を獲得するにはまずクライアントから信用を得る必要があると感じました。
クラウドソーシングサイトで副業を探したいなら、まずは信用してもらえるようプロフィールを充実させ、受注しやすいテスト業務などをこなして実績を作ることが大切です。
報酬については、案件を効率よく回せるようになってもクラウドソーシングはクライアント次第、もっと言えばクライアントの立場が圧倒的に強いので、報酬額を安定させるのは難しいと感じました。
ただ、お金を稼ぎつつ、自分の能力を高めたり、挑戦したりする場として利用するのはアリでしょう。得意なこと・好きなことを副業にして稼ぐことはまだまだ難しいのが現状のようです。
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