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2025/08/22
ITパスポートとは?取得するメリット・難易度・向いている人を解説

Last Updated on 2025年8月22日 by idh-recruit
「ITパスポートってよく聞くけど、本当に役に立つ資格なの? 難易度や勉強時間はどのくらい?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
ITパスポートとは、社会人や学生、IT未経験者でもITの基礎力を証明できる国家試験で通称iパスとも呼ばれています。本記事では、難易度と合格率、勉強時間の目安、効率的な学習法、申込手順や合格基準、そして取得メリットまで、迷いなく準備できるよう、合格までの道のりを整理しました。
Contents
ITパスポートとは?初心者でも挑戦できる国家試験
ITパスポートとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITの基礎知識があることを証明できます。対象は主にIT初学者や実務未経験者ですが、社会人・学生問わず幅広い層が受験しています。
ITパスポートは、コンピューターシステム、ネットワーク、情報セキュリティ、経営戦略、法律知識など、ビジネスに欠かせないIT関連の分野を網羅的に学べるのが特徴。独学でも合格を目指しやすい難易度とされ、IT分野の入門資格として人気が高まっています。
今や情報技術はあらゆる業界・職種に浸透しており、基本的なITリテラシーは必須スキル。ITパスポートを取得すれば、「ITの基礎がわかっている人材」であることを証明でき、就職・転職活動での評価向上や、社内での業務の幅を広げるきっかけにもなります。これからIT分野へ一歩踏み出したい方にとって、最適な入門資格と言えるでしょう。
ITパスポート試験の概要
ITパスポート試験は、全国のテストセンターで年間を通じて実施されています。ここでは、受験前に押さえておきたい試験形式・出題内容・合格基準などを整理しました。
試験形式・時間・出題数
ITパスポートはコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)形式で行われます。
- 試験時間:120分
- 出題数:100問(すべて四肢択一式)
- 実施方法:全国の指定会場で随時受験可能(事前予約制)
試験終了後すぐに画面に得点や分野別評価が表示されますが、これはあくまで「仮の結果」です。正式な合否は、試験を受けた翌月中旬頃にIPAの公式サイトで発表される合格者受験番号一覧によって確認できます。正式な合格証書は、その後に郵送されます。なお合格証書は再発行できないため、ご注意ください。
出題分野(ストラテジ系/マネジメント系/テクノロジ系)
ITパスポートでは、ITだけでなくビジネスやマネジメントに関する知識も問われます。出題分野は以下の3系統に分かれています。
1. ストラテジ系(約35問)
経営戦略、マーケティング、業務プロセス、法務など、ビジネス全般の知識。
2. マネジメント系(約20問)
プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなど、ITサービスの運用や管理に関する知識。
3. テクノロジ系(約45問)
コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、データベースなどのIT基礎知識。
合格基準と採点方法
ITパスポートの合格基準は、以下2つの条件をどちらも満たす必要があります。
① 試験全体を1,000点満点に換算したとき、600点以上の得点(総合評価点)
② 各分野(ストラテジ/マネジメント/テクノロジ)を1,000点満点に換算したとき、それぞれ300点以上の得点
①②の両方を満たして初めて合格となり、どちらか一方だけを満たしても不合格となります。
つまり、特定分野に偏らず、バランスよく得点を取ることが求められます。
最新の合格率・受験者数
ITパスポートの合格率を知っておけば、資格取得難易度の目安になります。
直近3年の合格率推移
直近の合格率は概ね50%前後で推移しています(IPA統計情報)。年次の上下はあるものの、計画的に学習すれば十分に合格可能なレベルと言えます。
また、勤務先別の応募者数推移を見ると、特に「電気・ガス・熱供給・水道業」など非IT系企業からの受験が急増。このことはIT活用の意識が企業全体に広がっていることを示唆しています。
試験日程と申し込み方法(2025年最新情報)
ITパスポートはどのようなスケジュールで試験が行われているかをチェックし、学習計画を立てていきましょう。
試験実施スケジュール
ITパスポート試験は年間を通じて随時CBT方式(コンピュータ受験)で実施されており、好きな日時を選んで受験が可能です。
ただし、2026年4月27日以降の試験実施はシステムリプレース等に伴い一時休止となりますので、早めにスケジュールを立てておきましょう。
出典:CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2025年4月26日以降の受験申込みに関する重要なお知らせ
※申し込み期限や受験料の返還不可条件などにも関わってきますので、公式サイトにて詳細をご確認ください。
受験料と申し込み手順(最新金額と支払い方法)
受験料は、2025年現在で 税込7,500円です。以前の5,700円から2022年4月に値上げされました。
📌 コラム:受験料は上がる一方?今がチャンスかも
2022年度からITパスポート試験の受験料は 5,700円(税込)→7,500円(税込) へ大幅アップしました。背景には、試験運営コストやシステム維持費の増加があります。近年、他の国家試験でも受験料の改定が相次いでおり、今後さらに値上げが行われる可能性も否定できません。
「安いうちに取っておけばよかった……」と後悔する前に、今こそ受験計画を立ててみては?
ITパスポートの勉強方法と必要時間
独学での学習ステップ
ITパスポートは出題範囲が広い一方で、深い専門知識までは問われません。まずは市販のテキストやWeb教材を1冊決めて、「全体像をざっくりつかむ」→「分野ごとに理解を深める」→「問題演習で定着させる*の流れで学習するのがおすすめです。
合格に必要な勉強時間は、一般的に100〜150時間程度とされます。
ただし、IT知識や業務経験の有無によって必要時間は変わります。
- IT企業に勤務していて基礎知識がある人:50〜80時間程度
- 学生や他業種だがPCやネットに慣れている人:100〜150時間程度
- ITに初めて触れる人:150〜200時間程度
例えば、1日30分〜1時間の学習なら4〜6か月、1日2時間なら2〜3か月で到達可能です。自分の生活リズムに合わせて計画を立てて、無理なく合格ラインを目指していきましょう。
過去問・スマホアプリの活用法
ITパスポートの学習効率を上げる最大の近道は、過去問の徹底活用です。
IPA公式サイトには過去問題と解答が公開されており、無料で利用可能。初めて解くときは正答率を気にせず、「どんな形式・出題傾向なのか」をつかむことを目的にしましょう。
さらに、通勤・スキマ時間はスマホアプリを活用するのが効果的です。
たとえば「ITパスポート過去問道場」や「パス単ITパスポート」などは、解説付きで反復学習がしやすく、短時間でも知識を定着させられます。
紙のテキスト+アプリのハイブリッド学習なら、机に向かう時間が取れない人でも合格ラインを突破しやすくなります。
効率的なスケジュールの組み方
勉強時間を確保するだけでなく、どの順番で何を学ぶかを決めることが重要です。
おすすめは以下の3ステップスケジュールです。
- 1〜2週間目:テキスト通読
全範囲を一度読み通し、専門用語の意味をざっくり把握。 - 3〜4週間目:過去問演習+弱点補強
分野別に問題を解き、間違えた箇所をテキストに戻って確認。 - 直前1週間:総仕上げ
模擬試験形式で時間を測りながら解く練習。80点以上取れるまで繰り返す。
スケジュールを立てるときは、最初から完璧を目指さず、まずは1周終わらせることを最優先にすると挫折しにくくなります。
ITパスポート試験に合格するメリット
「ITパスポート」は、国家資格の中でも知名度が高く、履歴書に書ける資格です。
特に未経験からIT業界に挑戦する場合や、事務職からIT関連職にキャリアチェンジする場合に、「基礎知識があることの証明」がしやすくなります。
また、IT業界以外でも、近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れから、営業・事務・企画職など幅広い職種で「ITリテラシーが高い人材」としてアピール材料になります。
社内昇進・資格手当への影響
企業によっては、ITパスポートを取得すると資格手当や報奨金が支給される場合があります。
また、昇進・昇格の条件として「ITパスポート以上の資格保有」を掲げている企業もあり、キャリアアップの一歩として活用できるでしょう。
特にIT以外の部署でも、システムやデータ分析に関わる機会が多い職種では評価されやすく、異動や昇進のチャンスを広げるきっかけに。
ITリテラシー向上による業務効率化
ITパスポートの学習範囲には、セキュリティ、ネットワーク、システム開発の流れ、経営戦略まで幅広く含まれます。
これらを体系的に理解すると、日々の業務でのITツール活用や情報セキュリティ対応の精度が向上し、無駄な作業時間を削減できます。
たとえば、Excelマクロやクラウドサービスの適切な利用、社内システムの仕様理解によるトラブル回避など、すぐに業務改善につながる知識が得られます。ITパスポートで基礎を押さえておくことで、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などの上位資格にスムーズにステップアップできます。
当社スタッフの体験談
2012年に取得しました。
当時はサーバー管理会社でアシスタント業務を担当しており、既にMCPなどは取得済みでした。上司から「ITパスポートも取ってみたら?」と勧められ、IT業界で働く基礎を広く押さえる目的で受験。
取り組んだ際いちばん驚いたのは、ITだけでなく経営や法務などの内容も含まれていた点です。1回目の受験は失敗してしまいましたが、このままではもったいないと思い2回目の受験にチャレンジ。無事に合格できました。
取得後にはアシスタントからIT系の法人向けインバウンドセールスへ転職。
ネットワークやレンタルサーバーの基礎知識が必要な職場だったため、ITパスポートで学んだ幅広い基礎が土台になってくれました。 (CS担当・H.N)
ITパスポートは「役に立たない」と言われる理由と、その活用法
ITパスポートには多くのメリットがある一方で、「本当に役に立つの?」「あまり意味がないのでは?」という声を耳にすることもあります。ここでは、その主な理由と、資格を有効に活用するための視点を紹介します。
1. 希少性は高くない
ITパスポートは合格率50%前後と比較的取得者が多く、IT業界では希少性が低めです。
こう考えよう!:希少性を武器にする資格ではなく、「ITの基礎がある」ことを証明するツールとして使いましょう。特に未経験や異業種からの転職希望者にとっては、ITキャリアの土台として価値があります。
2. 専門性は高くない
試験内容はIT全般の基礎知識にとどまり、高度な開発スキルや専門技術を直接身につけることはできません。
こう考えよう!:専門分野に進む前の“地図作り”として位置付けてみて。学習中に興味を持った領域を見つけたら、その分野の専門資格や実務スキル習得に進みましょう。
3. 業務独占資格ではない
資格を持っていなくてもIT関連の業務は可能です。こう考えよう!:資格自体で職務範囲が広がるわけではありませんが、取得過程で得られる知識を業務改善や効率化に活かせます。特に非エンジニア職では、IT関連の会話や要件定義に参加できるようになる点が強みです。
4. エンジニアにとっては年収に直結しづらい
エンジニアの現場では「持っていて当然」という暗黙の了解があり、資格だけで年収アップにつながるケースは少ないのが実情です。
こう考えよう!:資格取得は目的ではなく手段と捉えましょう。基礎知識の抜け漏れを補い、現場での説明力やチーム内の信頼感を高めるなど、日々の仕事の質向上に活かすことで真価を発揮します。
当社スタッフの体験談
ITパスポートが役に立つかどうかは、その人の使い方次第だと思います。
専門スキルを直接証明する資格ではない一方、「何もわからない」状態から抜け出すための最初の一歩としては効果があるのではないでしょうか。
広く浅く学ぶことでITへの苦手意識が薄れ、エンジニアとの共通言語が増えます。結果として、業務での理解度やコミュニケーションの質が上がる。社会人の学習は、勉強中にわからなくても実際の業務の際に後から効いてくることが多いと感じています。 (CS担当・H.N)
▽エンジニアと非エンジニアのコミュニケーションに悩んだら、こちらもあわせてご覧ください。
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ITパスポートの資格取得に向いている人とは?
最後に、ITパスポートの資格取得が「特に効果的」な人の特徴をまとめます。もし1つでも当てはまれば、受験を検討してみてください。
1. ITの知識が浅いと感じている人
ITパスポートの学習では、パソコンやネットワーク、情報セキュリティ、システム開発の流れなど、ITの基礎知識を網羅的に習得できます。
ブラウザの仕組みを理解できていなかった人が、この資格をきっかけにプログラミングの基礎理論まで学び、最終的にコードが書けるようになった例もあります。
「Excelの関数があやふや」「ネットワークの用語が苦手」という人ほど、資格取得のメリットを感じやすいでしょう。
2. 履歴書に書ける資格が欲しい人
比較的取得しやすい国家資格であるため、「何か一つでも履歴書に書ける資格が欲しい」という方に向いています。
特に新卒や第二新卒、異業種からの転職希望者で、資格欄が空欄だと寂しい……という方には、短期間で埋められる有効な選択肢になります。
3. IT業界への就職やキャリアチェンジを考えている人
ITパスポート1つで採用が決まるわけではありませんが、業界未経験者やエンジニア志望の若手であれば、基礎知識の証明として十分な価値があります。
特に面接で「この人はITの土台を理解している」と思ってもらいやすく、研修期間の短縮や配属の幅が広がる可能性もあります。
4. 新卒で社会人デビューする予定の人
学生生活ではスマホやタブレット中心で過ごしてきた人こそ、入社前に取得しておくと安心です。
現代の職場では、IT業界ではなかったとしてもパソコン操作やITツールの活用は必須。さらに、思いがけず社内SEやシステム企画のような部署に配属されることもあります。
「社会人として必要とされる最低限のIT知識を身につける」という意味でも有効です。
当社スタッフの体験談
IT業界で働きたいけれど何を学べばいいかわからない人にとって、最初の一歩として最適です。
広く浅く学べるため、ITに対する苦手意識を払拭する効果も期待できます。(CS担当・H.N)
ITパスポートに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 試験日はいつですか?
ITパスポート試験は全国の試験会場で随時実施され、希望日を選んで受験できます。土日・平日ともに設定があります。
Q2. 難易度はどの程度ですか?
国家資格の中では比較的やさしい部類ですが、出題範囲は広いため計画的な学習が必要です。
Q3. 勉強時間の目安は?
IT未経験者は約150〜200時間、IT業務経験者は50〜100時間が目安です。1日1時間で3か月ほどの学習が一般的です。
Q4. 効率的な勉強方法は?
公式過去問題集や過去問道場などのWebサービス、スマホアプリの活用が有効です。試験範囲を一通り理解してから過去問演習に取り組みましょう。
Q5.おすすめの参考書は?
「いちばんやさしいITパスポート」や「よくわかるマスター」シリーズが定番。過去問道場などの無料サイトとの併用がおすすめです。
まとめ|ITパスポート試験とはどこでも活きる“共通言語”
ITパスポートは、キャリアや業界を問わず活用できる“共通言語”のような存在。資格の有無よりも、取得までの学習で得た知識が日々の業務やキャリア形成に確実に活きてきます。特に何から学べばよいか迷っている人、未経験だけどIT業界に入りたい人にとって、ITパスポートは役に立ってくれるでしょう。
当社スタッフの体験談
新しい現場になるたび、壁にぶつかることはありました。でも新しいことを学んでいくのは当然のことです。ITや通信業界の様々な職種で仕事ができたのは、やはりITパスポートを取得したことで基礎と自信を持てたことが影響しているかもしれないな、と思います。(CS担当・H.N)
次の一歩にチャレンジしませんか?
ITパスポートで基礎を学んだら、実務で使えるスキルを伸ばすチャンスです。
「ウエノバリスタ」では、Javaをはじめとしたプログラミングを体系的に学べます。
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