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2024/10/04

フロントエンドエンジニアもAWSを習得するべき理由とおすすめサービスについて

開発現場において「AWSって何?」とは言っていられない状況にある昨今。
にもかかわらず、JavaScriptのフレームワークやバックエンド言語の学習に気を取られてAWSを後回しにしているフロントエンジニアの方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フロントエンジニアもAWSのスキルを習得すべき理由と、おすすめのサービスについて、現役エンジニアが解説します。

【この記事を書いた人】
<KY>
経歴10年以上のエンジニア。言語・担当・業務に拘りはなくアセンブラから最新の言語まで業務経験有。

AWSとは何なのか?

AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供するクラウドサービスプラットフォームのことを指し、サーバー、データベース、ストレージ、ネットワーキング、人工知能(AI)、機械学習(ML)など数多くのITインフラサービスを提供しています。その数はなんと200以上ともいわれていますから、「毎日誰かが、どこかで、何らかの形でAWSを利用している」と言ってもよいでしょう。

日々ITと向き合うフロントエンドエンジニアの皆さんも、ウェブサイトやアプリケーションのデプロイや開発環境の構築で何かとAWSのお世話になっているはずです。

フロントエンドエンジニアがAWSを習得するべき理由

つまり、AWSはもはやインフラエンジニアやバックエンドエンジニアだけが扱うものではないのです。
AWS未経験者であっても、いつかはAWSを触る日が来ます。もちろん、クラウドサービスはAWSだけではないので他のサービスを扱うことになる場合もありますが、クラウドの基本的な考え方や仕組みには大まかな共通点がありますから、クラウドサービスの中でも圧倒的なシェアを誇るAWSを最初に知っておいて損はありません。
ここではフロントエンドエンジニアがAWSを習得すべき理由について、現役エンジニアの視点から説明していきましょう。

1.さまざまな知識が得られる

AWSを習得することで、フロントエンドのスキルに加えて、クラウドインフラやバックエンドの基本的な知識を身につけることができます。たとえば、AWSのS3を使用した静的サイトのホスティングや、API GatewayとLambdaを利用したサーバーレスアーキテクチャの構築など、AWSのサービスを活用することで、フロントエンド開発だけではなく、アプリケーションの全体像を理解する力も養えるでしょう。
特に、クラウド環境でのアプリケーション運用や、データの管理、セキュリティの設定など、インフラ関連の知識を深めることは、フロントエンドエンジニアだけではなく、他のエンジニア職種にとっても重要です

2.時代的にフロントばっかりやっている場合じゃない

AIが台頭してきている現状、ITの仕事も今までと同じようにはいかない時代がすぐそこまで来ています。
そうなると、フロントかバックかなどと仕事のすみ分けを探っている場合ではなく、どんな職種のエンジニアもオールマイティに対応できる知識とスキルが必要になると思います特にパターンを流用しやすいフロントエンドはその影響を一番受ける可能性が高いと思いますので、「私はフロントエンドエンジニアなのでフロント部分しかやりません」などと言っている場合ではないのが現実です。

3.仕事につながる

実はこれが最大の理由と言えるでしょう。現在、クラウドスキルはエンジニアにとって必須となっており、AWSの知識があるエンジニアは、より多くの仕事の機会に恵まれます。AWSはクラウド市場で最も利用されているプラットフォームですから、AWSに対応できるエンジニアとそうでないエンジニアでは当然スキルがある前者が選ばれるからです。
“あると高評価”となる技術の中でもAWSは上位にあると考えてください。

フロントエンドエンジニアにおすすめのAWSサービス

つまるところ、AWSに対応できないエンジニアは自身がレガシー化してしまうと言っても過言ではないのです。となれば、なるべく早めにAWSに触れておきたいところですが、先ほど言及したように、AWSは200以上ものサービスがあるので、どこから手をつけていいのか迷うところでしょう。
ここでは、現役エンジニアから見た「フロントエンドエンジニアにおすすめのAWSサービス」を、おすすめ順に紹介します。

1. Amazon S3

Amazon S3(Simple Storage Service)は信頼性が高く、スケーラブルなウェブ上のストレージサービスです。データのバックアップやファイルの保管に加え、静的ウェブサイトのホスティングも可能で、サイトのリソースを簡単に管理できます。操作がシンプルで学習コストが低いので、フロントエンド開発ができるエンジニアならば、難なくサイトを公開できるでしょう。
Amazon S3のメリットは従来のサーバー契約や管理の手間を省ける点。サーバーのセットアップや管理のための煩雑な手続きが不要なうえ、従量課金制なので使用した分だけの料金が発生し、初期コストを抑えつつ始められます。
Amazon S3はクラウドストレージの基本であり、AWS初心者が最初に学ぶべき重要なサービスと言えるでしょう特に、AWSを活用して迅速にサイトをデプロイしたいフロントエンドエンジニアにとって、覚えておくべきツールの一つだと思います

2. Amazon Route 53

Amazon Route 53は、ドメインの取得やDNSルーティングの設定を簡単に行えるサービスで、サイト運用に欠かせないツールです。ウェブサイトを公開する際のドメイン管理やトラフィックルーティングの設定が簡単にできるため、非常に便利。覚えるべき内容も多くはなく、初学者にも取り組みやすいところもおすすめのポイントです。
また、Amazon S3と組み合わせることで、静的サイトの公開などフロントエンドの開発にも大きなメリットがあります。たとえば、独自ドメインを簡単に設定し、ユーザーに信頼感のあるURLでサイトを運用できるなど、使い勝手が良く、より信頼性の高いサイト運営が可能になります。

3. AWS Lambda

サーバーを借りるのではなく、プログラムをWeb上で作成し、必要に応じて実行されるLambdaのサービスは、Amazon S3と組み合わせることでサーバーレスな動的なサイトを公開することができるので、おすすめのサービスの一つです。数年前まではDBとの連携が苦手といった一部使いにくい側面もありましたが、現状はアップデートされ、場合によってはサーバーより安く早くなるのでさらに便利なサービスとなりました。
ただ、汎用性の高さゆえに技術的難易度も少し高く、Webに公開する場合は他のサービスと併用したほうが良いなど技術的に少し難しい側面もありますが、先駆者も多いので他のサービスと比べて習得しやすいでしょう。

フロントエンドエンジニアがAWSを利用する場面

フロントエンドエンジニアがAWSを利用する場面は業務の中で非常に多くありますし、利用することで効率が大きく向上することがあります。
たとえば、本番環境にデプロイする前に、テスト用として仮のサイトをAWS上に簡単に公開し、クライアントやチームメンバーに確認してもらう場面です。これにより、実際のリリース前にフィードバックを得やすくなります。

また、プロジェクトや現場によっては、フロントエンドエンジニアであってもインフラの設定や管理に携わる必要が出てくることもあるため、サーバーサイドやクラウドインフラの知識が求められることがあります
クラウドのインフラに対応できるスキルを持っていれば、エンジニアとしての価値が高まり、仕事の幅が広がるでしょう。

このほか、API管理やリアルタイムデータ処理、ストレージの利用など、フロントエンドエンジニアがモダンなウェブアプリケーションを構築する際は、どこかでAWSがひょっこり姿を現す可能性があります。モダンなツールを積極的に活用する現場であれば、複数のAWSサービスを使っていることも珍しくありませんから、やはり早めにAWSを学んでおいて損はないのです。

まとめ

AWSを習得することは、単に新しい技術を身につけるだけではなく、フロントエンドエンジニアとして自分の可能性を広げるための一歩になります。クラウドインフラやサーバーレスアーキテクチャの知識があるエンジニアとそうでないエンジニアとの間には、今後ますます大きな差が生まれるでしょう。
幸い、AWSはシェアナンバーワンということもあり、公式のドキュメントやコミュニティによるチュートリアルが非常に充実していますから、AWSが手付かずになっているフロントエンドエンジニアの方は、早めにスキルを習得しておきましょう!