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2023/09/29

40代・未経験からエンジニアへ|エンジニア出身社長が語る転職の現実と戦略

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Last Updated on 2025年8月18日 by idh-recruit

「40代に入ったけれど、今からエンジニアを目指せるだろうか……」

20代・30代を通して甘いも酸いも知ったこの年齢に突入すると、いくら情熱があっても実際行動に移すことには迷いが生じるものです。
特に働き盛りの中年期に大きなキャリア転換を図ろうとする場合、悩みに悩んであっという間に時間が過ぎてしまいます。
このような中年期のキャリア再構築の問題は、高度に発展したIT社会を支えるエンジニアの将来とキャリア、育成を真剣に考える私たち、アイ・ディ・エイチにとっても他人事ではありません。

そこで今回は、当社代表の伊藤が40代・未経験からエンジニアを目指す皆さんに向けてエンジニア転職の現実と可能性、狙える年収、エンジニアになるメリット、エンジニア以外の狙い目職種など可能な限り具体的に、本音で語ります。

<代表:伊藤貞治>
1978年生まれ。25歳でこのIT業界に営業職で就職。3年ほど営業職を経験後、「売れるためには技術力が必要」と思いエンジニアにキャリアチェンジ。32歳でプロジェクトマネージャーとなり、以降7年間で担当したプロジェクト数は50件以上。
PMP合格、資格取得者(現在は失効)。直近5年間で1万人以上のエンジニアの選考と面接をしているエンジニア出身経営者。

40代・未経験でエンジニアに転職できるのか?

――当社代表の伊藤がエンジニアに転身したのは28歳の頃。40代の方からみれば希望や夢を持てる年齢だと思われるかもしれませんが、当時のエンジニア志望者の中では決して若い方ではありませんでした。
寝る間を惜しんでプログラミングを学んだ当時を振り返りながら伊藤が語る「40代、未経験からのエンジニア転職」の実態・可能性とは。

「学ぶのに遅すぎることはない」。こう言いたいところですが、40代で未経験からのスタートとなると、現実は相当厳しいものになると考えています。
なぜ、こう思うのか。大きな理由は、40代以降の年齢でプログラミングを学ぶ難しさと、転職活動で直面する”年齢の壁”です

やり遂げるために必要な「気力・体力・集中力」、本当にありますか?

プログラミングの習得自体、人によってはかなり難しく感じることがあります。しかし、40代の方の場合、問題はもっと別のところ、具体的には何かをやり遂げるために必要な「気力・体力・精神力」、この3つに衰えが現れ始める点にあると思っています

40代になれば、かつてあった体力や集中力、将来を創造する情熱、環境や条件に屈しまいとする負けん気などが薄れていくのを感じるのではないでしょうか。
そういった状態でプログラミングを学んでも、いい結果は得られません。
40代、しかも未経験でエンジニアを目指すのであれば、色々な意味で「丸く」なってはいけないのです。

エラーの連続で幾晩も徹夜したり、周囲の人に「その歳で」と呆れられたり、ときには将来への強い不安に苛まれても、めげずに学び続けられる高いレベルの「気力・体力・精神力」が今のあなたに備わっているでしょうか。

私はこの点を、改めて皆さんに問いたいのです。

マネジメントしづらい40代は敬遠される傾向……やはり存在する年齢の壁

また、無事に学習を終えてスキルを身に付けたとしても、年齢を理由に転職活動で厳しい場面に直面します。
IT業界は歴史の浅い、新しい業界です。つまり、内部の人間は比較的若手が多い傾向にありますから、狙ったポジションの上司が30代、場合によっては20代であっても不思議ではありません。
そんな中、40代の応募があると正直「やりづらい」と敬遠されることも40代・未経験のエンジニア転職が難しい理由の一つです。
この”年齢の壁”の現実はIT企業、事業会社を問わず存在しますし、もっと言えばどこの業界・企業でも同じ傾向があるのではないでしょうか。

ですから、「40代から未経験でエンジニアに転職できるのか?」と聞かれたら、私は「相当厳しい戦いになる。理想は20代、遅くても30代前半からのスタート」と答えます。それがエンジニア出身のIT企業経営者としての正直な感想です。

年収1000万、2000万も夢じゃない!?「エンジニアは稼げる」は本当なのか?

――40代、未経験からスタートすることの厳しさ。それでもなお、40代でエンジニア転職を考える方が後を絶たないのは「エンジニアは高収入。稼げる仕事だ」との情報が巷に溢れているからでしょう。では、エンジニアになれば本当に年収1000万、2000万も狙えるのでしょうか。多くエンジニアたちの給与実態を熟知する伊藤が出す、リアルな年収額とは。

インタビューに答える代表伊藤

 

現実は300万円程度からのスタートが多い

現実はそれほど甘くありません。実務未経験者なのですから、年収300万円程度からスタートすることが多いでしょう。今までのキャリアにもよりますが、未経験者に最初から難易度の高い仕事は振りません。システムの運用保守やテストといった、いわゆるロースキルかつオペレーター寄りの仕事から始まるでしょうから、結局40代にして新卒と同程度の年収額になってしまうのです。
今までの仕事で年収500万円、600万円以上あった方はこの金額を受け入れられるでしょうか?

将来は年収700万円に届いたら上出来

将来の年収についてもお話ししましょう。
40代で未経験からエンジニアになれたとしても、狙える最高年収は700万円未満ではないでしょうか。40代からのスタートとなるとエンジニアとして活躍できる時間もさほど多くありませんから、伸びしろにも大きな期待はできません。これはあくまで企業に所属する会社員エンジニアの場合ですが、経験を積んでフリーランスのエンジニアになったとしても、1000万円を超えることは非常に難しいでしょう。

需要がある言語を習得してスキルを磨けば目指せないことはありませんが、皆さんご存じの通り、インボイス制度が始まったことで売上1000万円以下の免税事業者(多くのフリーランスはこれに該当)も消費税を納税しなければならなくなりました。つまりその分利益が減るわけですから、一定の収入を維持したいのであればこうした事態を見越したうえで、今までより多く稼ぐ必要がでてくるわけです。
20代、30代のエンジニアでもフリーランスとしてやっていくことはなかなか難しいといわれています。40代・未経験からスタートしたエンジニアならなおさらでしょう。

こうしたフリーランスを取り巻く環境の厳しさも、私が「狙えて700万円。これ以上は難しい」と判断する理由の一つです。

40代以降のエンジニアの就業状況や年収の実態は?

参考として、当社所属エンジニアの就業状況と年収についてお伝えしておきます。

まずは就業状況ですが、40代以降でもバリバリ活躍されている中高年エンジニアは多いですただし、これは40代までに最低3年以上の経験と相応のスキルがあることが前提。ギリギリ経験3年であっても条件をつけなければ(絶対フルリモート、年収○○万円以上が希望など)仕事はあります。
年収は経験5年で500万円、10年になれば600万円以上を狙えるようになります。開発するものや使用言語にもよりますが、このあたりの年収が現実的なラインだと思っていただいて構いません。

エンジニアになって得られるものとは?

――確かに、エンジニアは専門知識と技術が求められる専門職であるため他の職種と比べると平均年収は高めです。しかし、金額を見ればわかる通り”大きく稼げる仕事”ではありません。ですから「とにかく稼ぎたい。何はともあれお金なんだ」と考えているようであれば、前述したようにエンジニアへの転身は考え直した方がいい。これが伊藤の本音です。では改めて、エンジニアになって得られるメリットは何なのでしょうか。

腕を組み笑顔を浮かべる代表伊藤

 

エンジニアになるメリット=生活が安定すること

「背水の陣で臨む40代・未経験からのエンジニア転職なのに、そこまで稼げる仕事じゃないなんて……」とがっかりされた方がいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、今からでもエンジニアになる大きなメリットが一つあります。

それは「ひとたびスキルを身に付けてしまえば安定した生活が送れる」ということ。

今までもインターネットやスマホのような新たなデバイスやプラットフォームが出る度に、それらに載せるコンテンツやサービスが必要になってきた経緯がありますから、エンジニアの仕事はそう簡単にはなくならず、これからも需要は続くでしょう。となれば、職にあぶれることなく、経済的にも精神的にも安定した生活を送れることになります。

”手に職”で支えられた強固な生活基盤は、さまざまな面で人生にゆとりを持たせてくれるのです。

それでも稼げるエンジニアを目指したい40代・未経験者がやるべきこととは?

――現実的な話が続きましたが「それでも稼げるエンジニアを目指したい!」と熱意溢れる40代以降の方々のために、エンジニア出身かつエンジニア採用に携わる者として、伊藤はいくつかアドバイスしたいことがあるといいます。

代表伊藤から読者のみなさんへアドバイスの画像

 

とにかく必死に勉強して経験を積む

本気でエンジニアになりたいのであれば現状に甘んじず、必死に学んでください
「仕事で疲れているから」「家事で忙しいから」などといった言い訳は通用しません。20代・30代でも難易度の高いことを成し遂げようとしているのですから、40代であれば一層のひたむきさが要求されるのは当然です。

可能であればプログラミングスクールに通った方が良いでしょう。独学の場合、学習方法を間違えると挫折につながる可能性が高いからです。

そして、プログラミングの勉強が一段落したところで、現段階のスキルでも挑戦できそうな仕事をクラウドソーシングや週末アルバイトで探してみましょう。安い案件・時給の仕事で経験を積み、苦労することでスキルも磨けますし、こうした仕事がのちのポートフォリオとなって応募する企業へのアピール材料となります。

「必死に勉強すること」「経験を積むこと」は前述の年収300万円スタートから抜け出すために絶対必要です。

「営業力=自分を売り込むスキル」を身に付ける

40代・未経験の自分をどうしたら魅力的に見せて売り込めるか。ここでいう営業力とは、企業に自分を売り込むスキルのことを指します。
ただでさえ年齢・経験の面で圧倒的に不利な状況ですから、「私はできる人間です」とアピールする必要があります。もちろん言うだけではなく、実行して結果を出さなければなりません。


上記のうち、私が最も強調したいのは最初の「必死に勉強する」です

当社は転職保証付きのオンラインプログラミングサービス『UenoVarista(ウエノバリスタ)』を運営しています。現場のエンジニア250人のノウハウを凝縮したわかりやすいカリキュラムだと自負していても、40代の方が最後までやり通すのは相当な気力・体力・精神力が必要になるだろうと思っています。
だからこそ、必死に学んでカリキュラムを終えた方には年齢関係なく就業先をご紹介したいので、他のプログラミングスクールの転職支援によくある年齢制限は設けていません

それが「エンジニアはスキルのみで評価されるべき」を理念としている当社のあるべき姿だからです。

エンジニア以外のおすすめ職種と未経験者から注目の”あの職種”

――気力・体力・精神力を持ってプログラミングの習得に挑んだものの「自分には合っていなかったかも……」と感じて早々に挫折してしまうのはよくある話。しかし、伊藤はそんな方々に「別の道もある」と語ります。また、40代以降の未経験者からなぜか注目されているインフラエンジニアについては注意点も……

エンジニア以外であればWebマーケターやWebデザイナーがおすすめ

プログラミング学習の挫折率は9割といわれていますし、向き・不向きも関係してきますから仕方がないのかもしれません。
そこで私がおすすめしたいのがWeb系職種であるWebマーケターやWebデザイナーです。
プログラミングよりは習得しやすいですし、何よりも需要があります
どちらもコミュニケーション能力が重視される職種なので、ここに自信がある方は思い切って方向転換するのもアリです。
ただし大前提として、どちらもそれぞれの専門知識やスキルを学ぶ必要があることはお忘れなく。

インフラエンジニアはクラウドに対応できれば高需要

なお、最近40代以降の未経験者から「なれる可能性が高い」と注目を集めているインフラエンジニアですが、甘く見ない方が良いでしょう。未経験者から注目される理由は、他のエンジニア職種と比べて難しいプログラミングの知識が不要だと考えているからだと思いますが、これは一昔前の話。

確かに、銀行や生保、証券、クレジットなどの金融系企業は機微情報を扱うためセキュリティ上、オンプレミス(施設内に物理的な自社サーバーを用意すること)を固持する傾向があり、今後も需要は続きますが、それ以外ではAmazon Web ServiceやMicrosoft Azureのようなクラウドサーバーが主流となっています。クラウドサーバーであればものの1時間で構築できてしまうからです。しかしそうなると、やはりプログラミング(開発)の知識が必要になってきます。
40代・未経験でインフラエンジニアを目指す場合は、オンプレミスとクラウド、どちらにも対応できるスキルを身に付けておきましょう。
くれぐれも「プログラミングを勉強しなくて済みそうだから」といった理由で選択しないように!

最後に伊藤から皆さんへ~長い人生、一度必死になってみませんか?~

エンジニアは”大きく稼げる仕事”ではないけれど、一応の安定は手に入る仕事。私はこう考えています。

この業界に入れば、仕事は絶対にある。

ですから40代・未経験の皆さん、本気でエンジニアを目指すのであれば、このあたりで一度必死になってみませんか

人生80年どころか100年になろうとしている今の時代において、ここで一念発起するのも悪くないでしょうし、長い目で見たら遅い方ではありません。
色々と厳しいことをお話ししましたが、私は日本の40代が持つ底力を信じています。

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