エンジニアが転職して後悔するパターンと転職で失敗しないための対策とは?
2023/10/13
【向き・不向き問題】エンジニアに向いている人・向いていない人の特徴とは?
エンジニアデビューしてしばらく経った頃、こんなことを考えたことはないでしょうか。
「自分はエンジニアに向いていないのでは……」と。
IT業界のエンジニアは一般的に向き・不向きが割とはっきりしている職種だといわれているため、すでに“経験者”となっているエンジニアでも自分自身に対して疑心暗鬼になってしまうこともあるでしょう。ましてやエンジニア未経験者や現場デビュー直前の新米エンジニアであればなおさらです。
そこで今回は、多種多様な開発現場を経てきたエンジニアが「エンジニアに向いている人・向いていない人の特徴」について本音で語ります。
エンジニアに向いている人の特徴
現場に出る前から幾度となく耳にしてきたであろう、この“向き・不向き問題。まずは「向いている人の特徴」からお話ししましょう。
成長が著しく早い同期または後輩エンジニアは、きっと複数当てはまっているはずです。
ITが好き
ITエンジニアとはITの専門知識やスキルを備えた技術者のことをいいますから、普段からIT関連のモノ・情報に触れるのが好きな人は、やはりエンジニアに向いています。そして成長も早いです。
子どもの頃からゲーム好きで「自分も開発に携わってみたい」という夢を抱いてエンジニアになるような人も適性があると言って良いでしょう。
プログラミングが好き
設計、製造、テスト、リリースという一連の開発工程の中でも大きなポイントとなる製造。ここで必須となるプログラミングが好きな人はエンジニアに向いています。プログラミングには論理的思考能力や情報収集能力が求められますから、課題や問題を解決するために筋道を立てて考えることが好きな人はエンジニアとしての素質があるのです。
地道にコツコツ取り組める
地道にコツコツ取り組める人もエンジニアに向いています。
システム開発の期間は小規模であれば1~3ヶ月、 一般的な規模であれば6~12ヶ月、大規模であれば2~3年かかるため、一日一日の積み重ねがシステムを完成させることに繋がります。ですから地道にコツコツ取り組める人はエンジニアに向きなのです。
作業効率を追求できる
作業効率を追求できる人はエンジニア向きでしょう。
たとえば、決まった作業を何度も繰り返すエクセル上の作業を、マクロを使って複数の操作をまとめて必要に応じて呼び出せるように自動化する……といった作業効率を上げる工夫ができるような人です。エンジニアの開発工程においてもテストを自動化することで人件負担を減らしてコストも削減できるとされているので、作業効率を追求できる人はエンジニアに向いていますし、現場でも評価が高くなります。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力の高さもエンジニアには重要です。プログラマーはシステムエンジニアと連携し、設計書の意図を理解したうえで製造する必要がありますし、プログラマー同士でも同じ処理を分けて協力しながらプログラミングしたり、設計者はお客様と対話して要件を理解したうえで設計したりする必要があるため、コミュニケーション能力が高い人はエンジニアに向いているのです。
困難な状況に強い
困難な状況に強い、精神的にタフな人はエンジニアに向いています。皆さんもおわかりの通り、設計工程ではお客様の要件を実現するために設計すること、製造工程では設計書の処理をプログラミングすること、リリース工程では不具合などのトラブルが起きたときに対応することなど、システム開発は何かと困難がつきもの。精神的にタフな人はどのような現場でも活躍できるうえ、困難な状況を乗り越えることで達成感を得てエンジニアとしてどんどん成長していけるのです。
臨機応変に対応ができる
状況に応じて臨機応変に対応できる人はエンジニア向きです。
システム開発ではお客様からの要望で急に仕様が変更になったり、想定外の不具合で設計から再検討する必要が出てきたりするため、状況に応じてタスクの優先度が変わることも珍しくないからです。
几帳面
几帳面であることもエンジニアには必要です。
システム開発の設計工程ではお客様の要望が漏れなく反映されていること、後工程で致命的な問題が発生しない設計になっていること、製造工程では設計書の処理が漏れなく実装されていること、不具合が出ない作りになっていること、他の人が理解できる綺麗なコードになっていることなどが求められますから、エンジニアにとって几帳面さは欠かせない要素なのです。
好奇心が強い
強い好奇心はエンジニアとして素晴らしい素質です。
業務上の不明点はすべて調べる必要がありますし、新しい技術のアップデートや開発しているシステムの存在意義など、好奇心からスタートすることが多いため、好奇心が強い人にはエンジニア気質だと言えます。
エンジニアに向いていない人の特徴
次に「向いていない人の特徴」をエンジニア視点で挙げていきましょう。
正直、向いている人の特徴よりこちらの方が気になるエンジニアが多いかもしれませんね。
実はITが嫌い
そもそもITが嫌いな人は言うまでもありません。人は好きなものでないと長続きはしないものです。「勉強は嫌いだから続けられなかったけど、ゲームや漫画は好きだから続けられた」という話はよくありますが、ITエンジニアという仕事においても好き・嫌いは本当に重要なポイント。嫌いなことを職業にしていても上手に仕事をこなす人がいますが、エンジニアについては難しいでしょう。「新卒でたまたま配置されたのがSEだった」「稼げると聞いてエンジニアになった」……ITがそこまで好きではないにもかかわらずエンジニアになった場合は、先々苦しい思いをするかもしれません。
正直プログラミングが嫌い
プログラミングが嫌いな場合も当然ながら向いていません。
プログラミングに求められる論理的思考能力は業務経験や勉強である程度カバーできますが、プログラミング自体に嫌悪感があり、ロジックを考えるだけで頭が痛くなるような人は、たとえエンジニアになれたとしても本質的なところでエンジニア向きではありません。
疑問や課題意識を持たない
エンジニアは日々疑問や課題に突き当たる事が多い職業ですから、疑問や課題意識を持たないタイプはエンジニアに向いていません。開発したシステムが仕様通りに動作していてもあまりに速度が遅いと使い物になりませんし、逆に動作が速くても仕様通りに動作しない不具合だらけのシステムであってもいけません。問題のあるシステムを開発しないようにするために、エンジニアは日頃から色々な側面で物事を見る必要があるため、疑問や課題意識を持たない人はエンジニアに向いていないと言えます。
地道な作業や調査が好きではない
華やかな世界だと思われているIT業界ですが、エンジニアの仕事は泥臭い地道な作業の連続。
ですから地道な作業や調査が好きではない人はエンジニアに向いていません。運用中のシステムで障害が起きた場合にはログをひたすら見て原因を特定しなければなりませんし、原因が特定できたら検証環境で再現することを確認し、不具合があった場合には修正・テストして問題がなかったことを確認する……。想像以上に地道な作業が多いのは、エンジニア経験者であればわかると思います。開発工程においても設計者、プログラマー、それぞれの視点で開発工数や実現可否の技術調査が必要になりますので、地道な作業や調査が好きではない人はエンジニアに向いていません。
自分で試す好奇心や自発性がない
前述の通り、エンジニアは地道な作業や調査をすることが多い職業。何もしないで物事が解決されることはほぼありません。結果、自分で試す好奇心や自発性がない人はエンジニアに向いていないのです。
大雑把
大雑把な仕事をする人はエンジニアに不向きです。
エンジニアの仕事はプログラマーであればコーディングの命名規則などのルールを守ること、テスターであればバグを見逃さない的確な操作をすること、といった観点で几帳面さが求められます。
普段の生活で大雑把なのは構いませんが、仕事で大雑把さを出すタイプの人はエンジニア向きではありません。
クリエイティブな仕事が苦手
意外だと思われるかもしれませんが、長年エンジニアとして開発に携わってきた私からすれば、エンジニアはクリエイティブな仕事であり、これが苦手または興味がない人はエンジニアに向いていません。システムエンジニアであれば設計工程で抽象的な要望を仕様として変換する作業があり、これはクリエイティブ寄りの仕事になるからです。
プログラマーであれば、より良いコードを書くためにリーダブルコードを意識して実装することもクリエイティブ寄りの作業と言えるでしょう。きれいで読みやすく、メンテナンスしやすいコードにはプログラマーの創造性が体現されているものです。そういった意味でも、クリエイティブな仕事が苦手な人はエンジニアに向いていません。
ルーティーンワーク希望
「同じことを毎日続けたい。ルーティーンワークがいい」というタイプはエンジニアに向いていません。なぜなら、似たようなシステムを開発することはあっても、全く同じものを開発するということはほとんどなく、設計する内容や製造する内容が毎回異なるからです。
そして、設計や製造工程における想定外の障害を解決するためのスキルが必要になる観点からも、エンジニアの仕事とルーティーンワークは性質が根本的に異なります。
スキルをアップデートできない
IT業界では天才的なプログラマーと呼ばれている有名な人がいます。
天才と言われている理由は言語の習得能力の習得スピードが早かったり、読みやすいコードが書けるセンスが抜群であったり……とさまざまなのですが、いずれにしても天才の称号は努力して最先端技術を学び、技術力を懸命に磨いて手に入れたものです。何もしないで天才とは呼ばれません。たった一握りの天才プログラマーになることは難しいかもしれませんが、スキルのアップデートはエンジニアとして成長し続けるうえで非常に大切なこと。日々進化を続けているIT技術のスキルをアップデートできない人はエンジニアに向いません。
独断で仕事を進めがち
独断で仕事を進めがちな人もエンジニアには向いていません。システム開発はPM、PL、チームメンバーと連携して開発するからです。
たとえば、独断で作業し、チームメンバーとの連携が上手く行かず失敗する例としては報連相を怠ることが挙げられます。曖昧だと感じた仕様を誰にも確認しないまま独断で作業を行ってしまい、後工程で間違いだったと発覚してやり直しが必要となり、納期が大幅に遅れてしまうことなどはいい例です。曖昧だと感じた時点でチームメンバーに相談すれば良かっただけなのですが、独断で仕事を進めてしまったがために、取り返しのつかない事態へと発展してしまうのです。
まとめ~向いていないと感じても……ゆっくり進んでみよう!~
まだエンジニア志望者だった頃、上記のような話はたくさん耳にしたかもしれません。
“今更感”があるかもしれませんが、今もう一度見返してみると「あぁ……」とより深く納得できるところがあるのでは。
個人的に、エンジニアに向いている人の特徴に一つでも当てはまればIT業界で活躍できる可能性は十分あると思いますから、今現在エンジニアとして限界を感じている方は早まって異業種への転職など考えず、ゆっくり前へ進んでみてはいかがでしょうか。
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