エンジニアが転職して後悔するパターンと転職で失敗しないための対策とは?
2024/09/28
AWSとは何なのか?サービス概要とできること、導入事例などの基礎知識を現役エンジニアがわかりやすく解説
今や世界中の企業が活用するクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)。
インフラ領域でAWSの名前を聞かない・見ない日はないかもしれませんね。
そこで今回は、このAWSのサービス概要やAWSでできること、導入事例、スキルの習得方法などについて現役エンジニアが解説します。
【この記事を書いた人】
<KY>
経歴10年以上のエンジニア。 言語・担当・業務に拘りはなくアセンブラから最新の言語まで業務経験有り。
AWSとは何だ?Amazon Web Serviceのサービス概要
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスのことを指し、仮想サーバーやオブジェクトストレージ、リレーショナルデータベース、仮想ネットワークなどのITインフラに必要な機能をオンラインで提供しています。
AWSは、いわば「ITインフラの総合商社」。
AWSは2006年にサービスを開始して以来、次第にシェアを拡大し、スタートアップ企業やテック企業を中心に広く採用されるようになりました。現在では世界中の企業がAWSを利用しており、ウェブアプリケーションの開発やデータ分析、人工知能の導入など、さまざまなITソリューションも提供しています。AWSの強みは信頼性の高いインフラと多彩なサービス、活用シーンの幅広さにあると言ってよいでしょう。
AWSで何ができるのか?何がすごいのか?
アマゾンと言えば、あの世界規模の巨大ECサイトを思い浮かべることが多いですが、上記のようなクラウドコンピューティング事業も売上に大きく貢献し、小売り事業に迫る勢いで急成長しています。それもそのはず、AWSはITインフラの技術やシステムを大きく進化させたからです。
特に影響が大きかったのはクラウドサーバーでしょう。
Webサイトの公開を例に説明すると、ひと昔前はサイトを公開するためにサーバーを購入して設定を行い、ネットワークに接続するなど、多くの時間と手間がかかっていました。しかし、AWSの「Amazon S3」や「Amazon EC2」といったサービスを使うことで、サーバーの購入や設定の手間を省き、オンライン上で必要なリソースをすぐに利用できるようになったのです。
また、クラウドサーバー(インターネット上にあるサーバー)なので、従来のように物理的な設置場所を用意する必要がなく、サーバーの相性や故障の心配もありません。
さらに、AWSは使った分だけ支払う従量課金制なので、初期費用が少なく、不要なコストがかからないのも大きなメリットです。
以上のようなメリットから、AWSのクラウドサーバーを利用すれば、契約手続きやサーバーの設定といった複雑な作業が最小限に抑えられ、ものの数時間でWebサイトを公開できるようになります。
時間と労力、そして物理的な制約を一掃し、社会のDX化を急速に推し進めるきっかけを作ったサービスだと言っても過言ではありません。
AWS導入事例とその効果~コストの大幅削減やセキュリティも!~
では、企業がどのようにしてAWSを活用しているのでしょうか。
ここでは、AWSの導入事例とその効果について、具体的な事例を交えながら紹介していきましょう。
株式会社アイ・ディ・エイチ リモートワーク勤怠管理システム「RemoLabo」
最初に、当社開発のリモートワーク勤怠管理システム「RemoLabo」での導入例を紹介させてください。
AWSを自社開発システムに導入して得られた大きなメリットとしてまず挙げられるのは、開発コストの削減です。そして、「共有責任モデル」(AWSがインフラストラクチャのセキュリティを担当し、顧客はその上で動作するデータやアプリケーションのセキュリティを担当する)により、セキュリティの一部をある程度AWSに任せられる点も外せません。
また、AWSの提供する各種サービスやコンソールを使えばインフラ関連の作業をWebブラウザ上で簡単に行えるので、少人数での開発・運用チームとしては非常に助かりました。
任天堂
「ゲーム界の雄」任天堂ではゲーム公開時の体験版公開で全世界からのアクセスにも耐えられるインフラをAWSで構築できたうえ、利用分のみの課金になるのでコスト面でも非常にメリットがあったようですね。
(参考:AWS 導入事例:任天堂株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー)
金融サービス(フィンテック)
外貨両替や国際送金などの金融サービスを世界規模で展開するトラベレックス(Travelex)はAWSでシステムのクラウド移行を進めた結果、運用コストを削減しつつシステムの信頼性を高め、新しいサービスの展開も迅速に行えるようになったといいます。
(参考:AWS「Travelex の導入事例」)
実は以前、AWSの担当者の方とお話しする機会があった際、欧米の銀行ではAWSの導入によってセキュリティ性が高く、大量のアクセスに耐えられるシステムを構築・運用していると聞きました。得られた効果としては、セキュリティの向上はもちろんのこと、インフラコストの削減が大きいとのことでした。
AWSを導入するメリットとして共通しているのがインフラのコスト軽減、セキュリティの向上、開発の容易性です。どちらもIT社会が長きにわたって向き合ってきた課題ですから、AWSの提供するサービスがエンジニアたちに歓迎されるのも納得ですね。
初心者向けAWSの学習方法と習得で得られるメリット
当社のエンジニアにアンケートを取ると必ずと言っていいほど見かけるのが「次はAWSを学びたい」との声。今やクラウドによるサーバー構築が主流になりつつありますから、現役エンジニアとしては早くスキルとして身につけたいところでしょう。
AWSの学習方法はいたってシンプル!「講習の受講」と「実践」が基本
しかし、焦る必要はありません。AWSの学習方法は「講習の受講」と「実践」の2本柱であり、これは皆さんがエンジニアデビューする前にやってきたことと同じではないでしょうか。ですから、まずはAWSの講習を受けましょう。
AWSでは定期的にカンファレンスや無料講習に関してアナウンスをしているので、それらに参加して知識をインプットしてください。
そして学習と同時並行で実際にAWSを触ってみましょう。
AWSには無料枠もあるので割と簡単に始められると思います。たとえば、ご自身のサイトやブログをお持ちであれば、AWSを使ってサイトを公開してみてはいかがでしょうか。そして静的ウェブサイト、動的サイト(サーバー)、サーバーレスのサイトなど段階を追って挑戦してみるといいと思います。今の時代、AWSの利用方法については世の中にあふれていますから、信頼できる情報を基に実際に自分でやってみて覚えていくのが手っ取り早いと思います。
AWSのスキルを取得すればキャリアが広がる!
AWSには多種多様なサービスがあり、インフラに限らずさまざまな知識を得ることができます。
そして何より、多くの企業がAWSを使ってシステムを開発・運用しているので、転職や案件参画(SES)、フリーランスとしての独立に役立つはずです。
インフラエンジニアの方がリモートワークを希望する場合、AWSのようなクラウドへの対応は必須なので早めに習得しておきましょう。
※インフラエンジニアの働き方についてはこちらをご参照ください。
取得して損はなし!AWS資格の一覧と概要
学習の到達度を測る指標としてAWS認定の資格を取得もぜひ検討してください。z
スキルを客観的証明できますから、キャリアアップ、転職市場での競争力向上につながります。
とはいうものの、AWS認定資格は12種類もあるので、この中から知名度と汎用性が高いものを5つ紹介していきましょう。
AWS Certified Cloud Practitioner
AWSの基本的な概念、サービス、料金体系、セキュリティの理解度が問われます。技術職以外のビジネス担当者や初心者が最初に目指す資格として最適です。
AWS Certified Developer – Associate
AWS上でのアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグの基本的なスキルが問われます。この資格取得の勉強でAWSサービスの利用方法、APIの呼び出し、エラー処理、パフォーマンスの最適化に関する知識が習得できるので、アプリケーション開発者やプログラマーに適しています。
AWS Certified Solutions Architect – Associate
AWSの基本サービスを使ってスケーラブルで高可用性のあるシステムを設計・展開する能力が問われます。セキュリティ、コスト効率、パフォーマンスの最適化についての理解も必要であり、インフラ設計やアーキテクチャに携わる初中級エンジニア向けです。
AWS Certified SysOps Administrator – Associate
AWS上での運用管理に関するスキルが問われます。システムのデプロイ、管理、モニタリング、セキュリティ、ネットワーク設定の知識が必要なので、合格できれば運用管理のプロセスを効率化するスキルを証明できます。
まとめ
AWSの登場により、スタートアップ企業は初期投資を抑えつつスピーディーに市場へ参入し、大企業は柔軟なスケーラビリティでイノベーションを加速させることができるようになりました。
しかし、こうしたAWSのメリットをフル活用するためには、AWSの仕組みと技術を正しく理解したうえで状況に合った最適なサービスを選び、セキュリティやコスト管理を怠らないことが求められます。これはChatGPTをはじめとするAIの利用についても同じことが言えるのではないでしょうか。
これからAWSを学ぶ方は「技術やツールを操るのは人である」という姿勢を忘れないようにしてください。
新着ブログ
フロントエンドエンジニアもAWSを習得するべき理由とおすすめサービスについて
AWSとは何なのか?サービス概要とできること、導入事例などの基礎知識を現役エンジニアがわかりやすく解説
NFTとは何なのか?将来性やNFTエンジニアに必要なプログラミング言語・スキルも解説
現役エンジニアが「稼げるプログラミング言語」をランキング形式で紹介!新しい言語を学ぶ際の注意点も解説
炎上プロジェクトが発生する原因と特徴、上手く逃げる<撤退する>方法を現役エンジニアが解説
【SES営業】現役コーディネーターに転職した理由や向いている人の特徴、やりがい、気になる年収についても聞いてみた!
【エンジニアの職位・PLとは?】PLの仕事内容や役割、PMとの違い、チームをマネージメントするコツを解説
ママエンジニアが語る1日のルーティーンと仕事と子育て両立のコツ、現在と将来のキャリアとは?