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2023/09/22
PMをやりたくないエンジニアへ|退職だけが答えではないキャリアの道を解説

Last Updated on 2025年9月4日 by idh-recruit
「PM(プロジェクトマネージャー)だけはやりたくない……」
そう感じるエンジニアは、実は少なくありません。
複数のプロジェクトを同時に管理し、納期・品質・予算、そしてチームの状態まで全てを背負うPMは、まさに“超人レベル”のスキルが求められるポジションです。
一方で、適性や働き方の志向によっては、大きな負担やストレスにつながることもあります。
本記事では、PMをやりたくないと感じる理由や向いていない人の特徴、そしてPMを選ばなくてもキャリアを築ける道について解説します。
「PMをやるくらいなら退職したい」という気持ちは、あなただけが抱えているわけではありません。今回は、自身に合った働き方や環境を見つけるためのヒントを現場目線でまとめました。
※本記事は、当社に所属する複数の現役エンジニアの知見をもとに編集部が作成しました。
Contents
PMってどんな仕事をしているの?多岐にわたる仕事内容を確認!
PMがなぜ敬遠されるのかを掘り下げる前に、まずはPMの仕事内容を改めて整理してみましょう。
PMの仕事内容は「プロジェクトの責任者として企画から予算や工数を割り出し、プロジェクト遂行に必要な準備・調達を行うこと」であり、具体的には次のような流れで仕事を進めていきます。
- 開発目的、予算、納期を決める
- 仕様策定、設計、テストなど各工程の工数を決める
- 人員計画、作業環境、リスク回避対策を考慮した作業計画を立てる
- 作業計画に従ってチームを編成する
- プロジェクトの作業進捗状況を定期的に確認する
- スケジュールの遅れや問題が発生した場合は早急に解決策や改善案を実施する
- プロジェクト完了後はレビューを実施して完了報告書を作成する
このように、様々なスキルが求められる役職と言えます。
退職を考えるほどPMをやりたくない!その理由を整理
「PMをやりたくない」という気持ちは、珍しいものではありません。
むしろ多くのエンジニアがPMの役割や責任の重さを理解したうえで、そのポジションを避けたいと考えています。
ここではなぜそう感じるのか、主な理由を整理してみましょう。
重い責任を負う立場になる
前述のように、PMはプロジェクト全体の責任者であるため、何か問題が発生すればすべてにおいて責任を負うことになりますから「とにかく重い責任がつきまとう」という点はPMが敬遠される大きな理由の一つです。
プログラマーの責任範囲はシステムエンジニアの設計書に基づいて自身が実装した部分に限定される一方、PMはプロジェクトに関する全責任を負うことになります。ストレス過多になったり、プレッシャーでうつ病になってしまったりするケースがあるのも頷ける話でしょう。
プログラミング(開発)ができなくなる
PMになるとプロジェクトのマネジメント業務に中心になるため、直接プログラミングできなくなるとの理由でPMが敬遠されることもあります。
ITエンジニアの将来的なキャリアプランには専門職として開発を続けるか、マネジメント業務に挑戦するか、という大きな分岐点がありますが、前者の専門職として開発を続けたい場合はプログラマーやシステムエンジニアを続けながらその道のスペシャリストを目指すことになります。
新しいスキルのアップデートが必要にはなりますが、プログラミングが本当に好きであれば、PMとして昇格するよりも今まで通り楽しく仕事をする方を選ぶエンジニアがいても不思議ではありません。
PMに求められるスキルが不足している
PMはプログラマーやシステムエンジニアとは違ったマネジメントスキルやビジネススキル、リーダーシップが求められます。
さらに、プロジェクト全体の責任を負う立場になることで、高度なITスキルや多方面でのステークホルダーに対するコミュニケーションスキルも必要になるので、PMをやりたくないというよりはスキル不足でPMになれないということも。
次の章では、PMに向いていない人、向いている人の特徴を整理しました。
PMに向いていない人の特徴
PMの仕事が大変だと感じる理由は人それぞれですが、中には役割や業務内容そのものが、自分の適性と合わないケースもあります。
向き・不向きは努力だけでカバーできる部分ではなく、性格や価値観にも大きく影響されます。ここでは、PMに向いていないとされる人の特徴を整理してみましょう。
細部まで自分で手を動かしたいタイプ
PMは全体管理が中心です。コードや設計を自分で書く時間は減ります
即時成果や手応えを求めるタイプ
成果が出るまで時間がかかるため、短期的な達成感を求める人はストレスになりやすい
人の調整や交渉が苦手
メンバーや顧客との調整が日常業務の中心になる
不確実な状況に強いストレスを感じる
計画通りに進まないのが常で、その都度判断や軌道修正が必要
PMに向いている人の特徴
PMになるデメリットを色々と挙げてしまいましたが、それでもPMの仕事をやり遂げられるであろう「PMに向いている人」がエンジニア界隈には存在します。
では、PMに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。
物事を多角的に考えることができる
PMとしてプロジェクトをマネジメントするためには、物事を多角的に考えられなければなりません。
というのも本来、プロジェクトを遂行する際はシステムを作る側の立場で物事を考えがちになってしまうものです。ですから、プログラマーとシステムエンジニアが開発者としての視点で考えるのは仕方がないのですが、PMはクライアントに最も近い立場でクライアントの要件を把握してニーズを叶えるために、クライアント側の視点で物事を考える必要があるのです。
その結果、両者の視点で物事を考えたうえで予算や納期を割り出すことになるので、全体像を把握するのが得意で、物事を多角的に考えられる人はPMに向いています。
専門知識が豊富
多彩な専門知識をキャッチアップすることが得意な人はPMに向いています。
たとえば、「PMは開発しなくて良いのでITの知識は必要ないのでは?」と誤解されがちですが、それは大きな間違い。各工程の見積もりやチームを編成するには、開発するシステムに関する高度なITの知識が必須です。
またPMはIT業界の知識だけでなく、マネジメント業務に関する知識やクライアント業界の用語・専門知識を知っておく必要があります。
たとえば、広告業界なら「リスティング広告」「CV」「ターゲティング」、人材派遣業界なら「完全週休二日制」「SES」「インボイス制度」といった専門用語が当たり前のように飛び交いますので、知識欲旺盛で積極的に学ぶ姿勢は非常に重要なのです。
ストレス耐性がある
PMには必須です。具体的には、プロジェクトが迷走したり炎上したりしても意識を高く持って地道に業務を進めつつ、プロジェクト関係者と頻繁にやり取りすることが苦ではない場合は、ストレス耐性があると言えるでしょう。
PMはプロジェクトすべての責任を負う立場になるので、責任感がないと務まりませんが、とはいえ責任感だけでは最後までやりきることはできません。
ストレス耐性の強さを自己判断するのは難しいので、ストレスに関する質問票に答えてストレス耐性を測定できるストレスチェックで検査してみることをおすすめします。
スケジュール管理が得意
プログラマーやシステムエンジニアは自分に与えられた役割に対してスケジュール通りにタスクをこなしていくことになりますが、PMはプロジェクトの総責任者として全体のスケジュールを管理する能力が必要です。
各工程の工数を具体的に決めたうえで適したメンバーをアサインし、タスクを割り振って納期までに遂行することになるため、納期を見越して定期的に開発メンバーの進捗状況を把握し、さまざまな調整を行わなければなりません。
逆を言えば、自分だけの作業に集中して開発に没頭したい人や、他人に作業を任せることに抵抗感や不安がある人はPMに向いていません。
コミュニケーションスキルに長けている
PMはプロジェクトの開発メンバーだけでなく、プロジェクトのステークホルダー全員と関わることになります。クライアント企業に要望やQAをヒアリングしたり、経営陣や担当者を前に予算や仕様、不具合の発生などを説明したりすることも珍しくありません。
また、開発メンバーと朝会やミーティングで作業内容や進捗報告のやり取りを行うことは日常茶飯事ですし、予算や人材の調整では経営層、協力会社との話し合いもあります。
プロジェクトの規模が大きくなればなるほど人員が増えてより多くの人と関わることに……。
退職を考える前に。ほかのキャリアの選択肢を知ろう
PMの役割に魅力を感じない、やっぱり自分はやりたくないと感じても、キャリアが行き止まりになるわけではありません。中には「もう退職するしかない」と感じてしまう人もいますが、実際にはPM以外にも多様なキャリアの道があります。
ここでは、PMを選ばずともステップアップできる代表的なキャリアの選択肢をご紹介します。
技術を極めるスペシャリスト職
- アーキテクト、テックリード、リードエンジニアなど、技術面での最上流ポジション
- コードや設計に深く関わり続けたい人向け
- 大局観と勝負勘を“技術領域”に集中する選択肢
プロダクト開発寄りの役割
- プロダクトマネージャー(PdM)、UX/UIスペシャリストなど
- ユーザーや市場を見ながらプロダクト全体を育てる
- PMとは異なる「成果の判断軸」を持てる
品質・プロセス改善の専門職
- QAエンジニア、テストマネージャー、DevOpsエンジニアなど
- 現場の安定性と効率化を支える役割
- PMの心理戦とは違う“安定と最適化”のフィールド
技術と人をつなぐ橋渡し役
- カスタマーサクセス、技術営業、プリセールスなど
- 対外コミュニケーション力を活かしつつ技術知識も使える
このように、PMだけがキャリアの頂点ではありません。
自分の強みや興味を軸に、別の道を選んだ方が、長くやりがいを持って働ける場合も多いのです。
次の章では、こうしたキャリアを実現しやすい環境の条件について見ていきましょう。
PMをやりたくないエンジニアが働きやすい環境とは
PMをやりたくない場合でも、環境次第でスキルを伸ばしながら安定して働くことは十分可能です。
ここでは、PM志望でなくても成長できる職場を選ぶための条件を整理しました。
転職先や配属先を検討する際のチェックリストとしても役立ちます。
案件や役割を自分で選べる自由度がある
- 無理なアサインがなく、希望やスキルに合った案件を選べる
- 長期的に同じ役割で専門性を磨ける環境かどうか
キャリアパスが多様に用意されている
- PM以外の昇進ルートや評価制度がある
- 技術スペシャリストや専門職へのステップアップ支援
教育・スキルアップ支援が充実している
- 外部研修、資格取得補助、社内勉強会など
- PM以外のスキルでも評価される文化
評価基準が透明で納得感がある
- PM経験の有無だけで評価されない仕組み
- 成果や専門性で正当に評価される環境
メンターや相談体制が整っている
- 配属後もキャリア相談できる相手がいる
- 適性や希望に応じて役割変更が可能
当社では、PM志望でなくても歓迎しています。
案件選択の自由度やキャリア相談体制を整え、あなたが自分らしい働き方を選べる環境を用意しています。最後に、PMに関するよくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
FAQ:PMに関するよくある質問
Q1:PMをやりたくない人でも、PMになるメリットはありますか?
A1:いくつかの大きなメリットがあります。技術知識を持ったままマネジメント経験を積むことで市場価値を高められます。したがって収入アップの可能性も高いといえます。 また顧客折衝の中心に立つため、直接感謝されることも多く、プロジェクト成功時には達成感とやりがいを強く感じられます。
Q2:PMがつらくて退職を考えています。どうすればいいですか?
A2:退職を選ぶ前に、まずは異動やキャリアチェンジなど他の選択肢を検討してみましょう。技術スペシャリストやプロダクト寄りの職種など、自分の適性に合ったキャリアがあるかもしれません。
まとめ|PMをやりたくない!そんなエンジニアでも目指せるキャリアはある
PMは、まさに“総合格闘技”ともいえる責任とスキルが求められる職務です。
「やりたくない」と感じるのは決して珍しいことではなく、あなたの適性や働き方の志向に正直な反応ともいえます。
重要なのはPM以外にも成長できる道があり、自分の強みを活かせる環境を選べるということです。
PMをやりたくないエンジニアへ
当社では、PMをやりたくないエンジニアも歓迎しています。案件選択の自由度やキャリア相談体制を整え、無理にマネジメント職を強いられない働き方が可能です。
あなたらしいキャリアの形を、私たちと一緒に描いてみませんか?
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