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2021/06/29

【完全版】エンジニアの目標設定とSMART活用法|評価もキャリアも伸ばす具体例付き

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Last Updated on 2025年10月28日 by idh-recruit

エンジニアとして働いていると、「来期の目標、どう書こう……」と悩むことがありますよね。 AIやクラウドの進化が速い今、「与えられた仕事をこなす」だけでは評価されにくい時代になりました。

だからこそ「どんなスキルを伸ばしたいか」「どんな価値を生みたいか」を自分の言葉で描くことが大切です。 それが、変化の早い現場で自分を見失わないための「軸」になります。

この記事では、エンジニアが目標を立てるときの考え方と、すぐに使える具体例・書き方のポイントを紹介します。 会社提出用の目標と、自分のキャリアを伸ばすための目標、両方の観点から整理していきましょう。

なぜエンジニアは目標を立てるべきなのか

コーディング画面を見ながら静かに作業するエンジニアのデスク風景

「毎日、目の前の仕事をこなすだけで精一杯……」 そんなふうに感じたこと、ありませんか?

ITエンジニアの世界は技術の移り変わりが速く、数年で「当たり前」が変わります。 だからこそ、「自分は何を伸ばしたいのか」「どんなエンジニアになりたいのか」を言葉にしておくことが、成長を続けるうえでの「軸」になります。

① 成長スピードが速い業界だからこそ「軸」が必要

生成AIやクラウド自動化の普及で、仕事の進め方が大きく変わりました。 自分の方向性を決めずに動くと、気づけば周りとのスキル差が広がることも。

目標を立てておくことによって、どんな変化の中でも「何を優先すべきか」が見えやすくなります。

② 評価・チャンス・報酬につながる

最近は評価制度でも、「どんな成果を出したか」だけでなく「どんな意図で動いたか」が重視されています。 「今期はAWS運用を自動化できる仕組みを作る」など、具体的な目標を掲げて行動することで、評価につながりやすくなります。

③ 行動が変わり、結果が見える

目標を立てると、自然と「逆算思考」になります。 「目標を達成するために今日何をするか」を考えるようになり、行動が具体化していくのです。 結果としてスキルも成果も可視化され、成長実感が得やすくなります。」「

④ 自信とモチベーションにつながる

小さくても「できた」という経験を積み重ねると、自信が生まれます。 この前向きな循環が次の挑戦を後押ししてくれます。 最初は「仕事の宿題」のように感じてしまって億劫かもしれませんが、続けるうちに「成長の足あと」として振り返られるようになります。

会社の評価用目標と、自分のキャリア目標の違い

目標を立てようとすると、まず理解したいのが「目標と目的は違う」という事実。 会社に入って「今期の目標を提出してください」と言われると、つい「数字を埋めること」や「評価されること」が目的になってしまいがちですよね。

でも、本来の目的は「自分がどんなITエンジニアになりたいのか」を形にすること。 いったん立ち止まって、「何のためにその目標を立てるのか」を思い出してみましょう。

会社から求められる「評価用目標」

会社が求めるのは、組織として成果を出すための「行動指針」です。 たとえば「納期遵守率を上げる」「工数を削減する」「コードレビューを定着させる」など、チームの成果に直結する内容が求められます。

こうした目標は、「どんな価値をチームや顧客に提供できるか」という視点で書くと伝わりやすく、上司の評価基準も明確になるでしょう。

一方で、自分の「キャリア目標」は未来の自分への約束

キャリア目標は、今の仕事の「先」を見据えて立てるもの。 「3年後にマネジメントに挑戦したい」「クラウド設計を任せられるレベルになりたい」など、自分の理想像を描くための道しるべです。

この目標があることで、目の前の業務にも意味づけができ、日々の努力が「成長の積み重ね」として感じられるようになります。

両方を意識して書くとブレない

  • 会社の目標 → 「組織にどう貢献するか」
  • キャリアの目標 → 「自分がどう成長したいか」

この2つをセットで考えると、「上司のため」でも「自分の理想だけ」でもない、現実的で納得感のある目標になります。

たとえば、

  • 会社の目標:AWSの運用効率を上げる自動化フローを構築する
  • キャリア目標:クラウドインフラの設計段階から提案できる力を身につける

こう書くと、評価と自己成長の両方が一本の線でつながります。

まとめ

目標とは、数字を埋める作業ではなく、「目的(何のためにやるか)を可視化するツール」です。 だからこそ、一度立ち止まって「自分は何を目指しているのか」を思い出す――そのひと手間が、形だけの目標を「意味のある目標」に変えてくれます。

SMARTの法則で目標を立てる

「いい目標を立てよう」と思っても、いざ書こうとすると「ふわっとした理想」で止まってしまうこと、ありますよね。

そんなときに役立つのが、SMART(スマート)の法則です。

SMARTとは?―世界中の企業が採用する「目標設定の基本」

SMARTの法則は、1981年に経営学者ジョージ・T・ドランが提唱した目標設定のフレームワークで、現在も世界中の企業が採用しています。IBM等の企業でもその有効性が言及されています。

S:Specific(具体的に)
「何を」「どのように」行うのかを明確にする。
例:「資格を取る」ではなく「AWS SAA資格を3か月以内に取得する」
M:Measurable(測定可能に)
数字や期間で、達成を判断できるようにする。
例:「3件」や「10%」など、ゴールが見える形に。
A:Achievable(達成可能に)
無理のない範囲で、現実的に設定する。
例:現職の業務時間・スキルを考慮して設定。
R:Relevant(関連性を持たせる)
会社やキャリアの方向性と結びつける。
例:チーム貢献や自身の成長に関連づける。
T:Time-bound(期限を決める)
いつまでに達成するかを決める。
例:「半年以内」「今期末まで」など期限を明記。

SMARTを使うときのコツ

ポイントは、「一度に完璧に作らなくていい」ということ。 まずはざっくり書いてから、SMARTの5つの視点で少しずつ整えていきましょう。

Before(あいまいな目標)

クラウドスキルを上げたい。

After(SMARTで整理)

3か月以内にAWS SAA資格を取得し、本番環境のインフラ設計レビューに参加できるようになる。

これだけで、「行動の方向」と「期限」がはっきり見えるようになります。

「やる気を持続させるための仕組み」としてもSMARTは有効と言えます。

フェーズ目標例やること
新卒/1年目3か月以内に自分で環境構築ができるようになる先輩の開発環境をまねて構築し、週1で復習メモを残す
3年目/中堅層半年でコードレビューの主担当を担うペアレビューを月5回行い、品質指標を共有
リーダー層チームのリリーススケジュールを3か月前倒しで達成するメンバーの進行状況を可視化し、週次ミーティングを改善

SMARTの法則はキャリアステージを問わず活用できます。

むしろ経験が増えるほど、「自分の目標を他者と共有できる言葉にする」力が問われるようになるため、キャリアを伸ばすうえでも積極的に取り入れたい考え方です。

まとめ

SMARTの法則は、理想を「行動に変えるための整理術」です。 抽象的な目標をひとつずつ具体化していく。 それだけで「何をすべきか」明確になり、自然と次の行動が見えてきます。

次の章では、実際に職種別の具体例(SE/インフラ/Web等)を見ながら、自分に合った目標を立てるステップに進みましょう。

職種別|エンジニアの目標設定具体例

ここまでで、「目標を立てる意味」と「SMARTで形にする方法」はつかめたと思います。でも実際に書こうとすると、「自分の職種だと、具体的にどんな書き方がいいのか?」と迷いますよね。

ここでは、ITエンジニアの主要5職種を例に、評価用目標(会社提出向け)キャリア目標(自分の成長軸)の両方をセットで紹介します。

SE(システムエンジニア)

評価用目標(組織貢献)

要件定義段階でのレビュー体制を整備し、再修正工数を前期比20%削減する。

キャリア目標(自己成長)

要件定義〜設計〜レビューの一連を主導できるリーダーシップを身につける。

システムエンジニアは、プロジェクト全体を見渡す「設計の要」。現場の課題を拾い上げつつ、改善施策に落とす姿勢が評価につながります。

「数字で見える改善」と「自分がどう成長したいか」を両立させるのがポイントです。

インフラエンジニア

評価用目標

Terraformを導入して、手動構築作業を半期で50%削減する。

キャリア目標

クラウドインフラを設計段階から提案できるアーキテクトスキルを磨く。

自動化や可観測性の向上など、「地味だけど効く改善」が多いのがインフラ領域。 SMARTの「Measurable(測定可能)」を意識して、「どの作業をどれくらい削減できたか」を明文化すると説得力が増します。

Web/フロントエンドエンジニア

評価用目標

サイト全体のCore Web Vitalsを改善し、CLSを0.1以下・LCPを2.5秒以内に保つ。

キャリア目標

デザインやUX観点も踏まえた改善提案ができる「フロント+体験」エンジニアになる。

Web系は、数字で改善効果を示しやすい分野です。パフォーマンス指標(速度・安定性)をKPIに設定し、「技術でユーザー体験を良くする」という観点を入れると評価が上がりやすくなります。

若手エンジニア(1〜3年目)

評価用目標

チームのコードレビューに週1回以上参加し、指摘内容を記録・共有する。

キャリア目標

毎月1テーマを決めて自主学習し、社内LTやブログでアウトプットする。

最初のうちは「習慣化」を目標にするのが効果的です。 「スキルを広げる」よりも「学び続ける習慣をつくる」ほうが長期的には強いからです。小さな実践を積み重ねることで、のちのキャリア目標が具体化していきますよ。

リーダー層・マネジメント

評価用目標

コードレビュー基準をチームで統一し、品質チェックの属人化を解消する。

チームメンバーの進行状況を可視化し、リリース遅延率を前期比30%削減する。

キャリア目標

チーム全体の生産性を支える「仕組み設計」ができるマネージャーを目指す。

マネジメント層では、「自分の成果」より「チームの成果」をどう高めるかが焦点。 個人KPIではなく、チームのKGI(目標成果指標)を設定すると、「管理ではなく支援」というリーダー像が伝わります。

まとめ

目標を立てるときに大事なのは、「自分ができること」ではなく「自分がどうありたいか」を軸に置くこと。

数字やスキルは通過点にすぎません。 どの職種でも、SMART5要素と「評価 × 成長」の2軸を意識すれば、形だけで終わらない「生きた目標」になります。

目標を達成するための習慣・振り返りのコツ

目標を立てた瞬間は「よし、やるぞ」と思えても、忙しい日々の中でだんだん意識が薄れていくことありますよね。 でも、少しの工夫で「続ける仕組み」をつくることはできます。

ここでは、日々の習慣づくりと、成長を実感するための振り返りのコツを紹介します。

1. 「時間を決める」より「タイミングを決める」

「毎朝1時間勉強する!」と決めても、予定がずれると続かなくなりがち。

それよりも、「きっかけ」で行動できるようにすると続けやすくなります。

たとえば:

  • 通勤電車に乗ったら技術記事を1本読む
  • 朝のコーヒーを淹れたら昨日のメモを見返す
  • デプロイが終わったら学びをSlackに投稿する

こうした行動トリガーを決めることで、意志ではなく仕組みで続けられるようになります。

2. 「1週間単位」で小さく区切る

1か月や四半期単位で考えると、成果が見えにくくなります。

週単位で「今週できたこと」「できなかったこと」を振り返る方が、スモールステップの積み重ねが実感しやすいです。

たとえばエンジニアなら:

  • 今週はAWS CLIを触って小さな自動化を試した
  • テストコードの書き方でつまずいたけど、来週リトライする

こうして「成功も失敗も同じ目線で記録」していくと、学びのログがたまって自信につながります。

3. アウトプット前提で学ぶ

学びを定着させる一番の方法は、誰かに話すこと・書くことです。ブログ、社内チャット、勉強会LTなど、形式は何でも構いません。

人に伝える前提でインプットすると、自然と理解が深まり、「どう説明すれば伝わるか」を考える癖がつきます。

成長は、「学んだ量」ではなく「伝えた回数」で実感できる。

この意識を持つだけでも、日々のモチベーションが変わりますよ。

4. 「達成したかどうか」より「何を得たか」で振り返る

目標が100%達成できなくても、それ自体は問題ではありません。 大切なのは、そこまでのプロセスで何を学べたかです。

たとえば:

  • AWS資格には落ちてしまったけど、VPC構成の理解が深まった
  • コードレビューの基準作りは途中だが、議論の文化が定着した

結果より「成長の中身」を言語化することで、次の目標がよりリアルで自分らしいものになります。

5. 定期的に「軸」を見直す

環境や立場が変わると、目標の意味も少しずつ変化します。 「今の自分に合っているか?」を定期的に見直す習慣を持つと、形だけの目標ではなく、「進化する目標」になります。

3か月に一度、過去の目標を見返してみましょう。 書いたときには見えなかった成長や、新しい課題に気づくはずです。

目標は「変えてはいけない」ものではなく、「進化させる」もの

目標を達成する力は、気合いではなく習慣でつくられることがわかったと思います。

  • 行動のトリガーを決める
  • 小さく振り返る
  • 学びを発信する
  • 結果より成長を見つめる
  • そして定期的に軸を更新する

最後に、もう一つ大切な考え方をお伝えします。

目標が達成できない人に共通する3つの落とし穴

どんなに良い目標を立てても、「うまくいかない」と感じる時期は誰にでもあります。そのとき大切なのは、「自分がダメ」と思うことではなく、つまずきやすいパターンを知ること。ここでは、目標が達成できない人に共通する3つのポイントを紹介します。

① 目標が高すぎて現実味がない

「せっかくだから大きな目標を立てたい!」

――そう思う気持ちは素晴らしいのですが、あまりに高すぎる目標は「やる気の持続」を奪います。

たとえば、現時点でインフラの基礎を学んでいる段階で「半年以内にAWS認定プロフェッショナルを取る」など、現実とのギャップが大きいと途中で「無理かも」と感じてしまいがちです。

理想を描くことと、現実的なステップを設定することは別の話。

まずは「小さく達成できる成功体験」を重ねて、少しずつハードルを上げていきましょう。

🎯 コツ:高すぎる目標よりも、「今の自分より半歩先」を目指す。

② 「自分ごと化」されていない目標

他人に決められた目標や、上司に言われて仕方なく書いた目標は、どうしても「やらされ感」が強くなります。

モチベーションを維持するためには「なぜそれをやりたいのか」という「自分の中の理由」が必要です。

たとえば同じ「資格を取る」という目標でも、

  • 「評価に必要だから」よりも
  • 「自分の設計力を証明したいから」

といった自分の言葉で動機づけるだけで、行動の質が変わります。

💡 コツ:他人に説明する前に、「自分のための理由」を一行メモしておく。

③ 立てただけで「行動の仕組み」がない

目標を立てて満足してしまい、行動に移せない―― 実はこれが、最も多いパターンです。

行動につなげるためには、「何を・いつ・どの順でやるか」をざっくりでもロードマップ化しておくことが大切。

たとえば、

  1. 1か月目:公式ドキュメントを読む
  2. 2か月目:ハンズオンを1つ完了
  3. 3か月目:模擬試験を受けて弱点を分析

といったように、行動の地図を描いておくと迷いにくくなります。

🗺️ コツ:「目標 → タスク → 日々の行動」に分解する。

目標変更は「敗北」ではなく「再調整」

3つの落とし穴に気づいたけど今更目標変更できない……そんな風に思った方もご安心ください。

現場で働いていると、技術トレンドも業務環境も想定以上の速さで変わります。その中で、当初の目標が現実に合わなくなることは自然なこと。

むしろ、「状況に応じて見直す力」こそが、成長を止めないための武器です。

たとえば次のような工夫を取り入れてみてください。

  • 四半期ごとに目標の棚卸しを行う(例:新技術やチーム体制の変化に合わせて再設定)
  • 変更理由を記録し、上司やチームで共有する(透明性と納得感を保つ)
  • 承認フローを簡素化して「柔軟な再設定」を許可する(形式よりも成長の継続を優先)

これにより、「計画通りにいかなかった」ではなく、「今の自分とチームに合わせて最適化した」と捉えられるようになります。

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まとめ|目標は「努力の宣言」ではなく「成長の設計図」

エンジニアの目標設定は、スキルアップのためだけでなく、自分の軸を見失わずに成長し続けるための道しるべです。

目標を立てるときは、

  • 自分にとって意味があるか(Will)
  • 会社やチームに貢献できるか(Value)
  • 現実的に達成できる範囲か(Do)

を意識してみましょう。

そして、立てて終わりではなく、小さくても行動し、定期的に振り返り、また次の一歩を描く。 そのサイクルを回すことが、確かなスキルアップにつながります。

目標は、「努力しなければならない」義務ではなく、「どんな自分になりたいか」を可視化するツールです。

焦らず、比べず、ひとつずつ積み重ねていきましょう。 気づけばその足あとが、あなた自身のキャリアを形づくっています。

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