エンジニアが転職して後悔するパターンと転職で失敗しないための対策とは?
2023/12/01
【SESで年収800万円超】稼げるSESエンジニアが歩んできた軌跡とは?年収遍歴も大公開!<Hさん編>
新米からベテランまで、日本中の多くのエンジニアが所属しているSES。必要なときにスキルと人員をすぐに調達できるメリットを維持しつつ、安定した正社員という日本型雇用を両立できる日本独自のシステムとして発展してきたSESは、日本のIT社会を支える重要なシステムです。
しかし、IT業界における下請けの存在ゆえ、SESの給与水準については常に議論がありました。「SESでは稼げない」という声はSESエンジニアたちの低い年収から出たものです。
では実際のところ、SESでは本当に稼げないのでしょうか。
そこで今回ご紹介したいのが、当社アイ・ディ・エイチ所属の年収800万円超えSESエンジニア、Hさんです。
SESの平均年収が400万円~500万円程度といわれる中、Hさんはどのようにして高収入を実現したのでしょう。
ベテランのバックエンドエンジニアであるHさんの”年収800万円超えまでの軌跡”をたどっていきます。
【Hさんのプロフィール】
Java、PHPをはじめ複数の言語を操る業界歴20年超のバックエンドエンジニア。システムの設計からプログラミング、保守運用、PMまで幅広く経験し、得意とするのはLaravelを使った開発。
”どんな立場からみても効率良く、使いやすい高品質なシステムを構築する”をモットーに仕事をしつつ、趣味や娯楽もバッチリ楽しむエネルギッシュなエンジニアライフを送っているそう。
① ~高校の情報処理科を卒業後、独立系SIerに就職。激務でも年収300万円程度~
<HさんがITに触れたのはなんと小学生の頃。一般家庭にパソコンがあること自体珍しかった時代にパソコンと出会ったHさんは「将来はこれ(PC)を仕事にしたい」と決意。以降もその志が消えることはなく、高校は情報処理科へ進学しました。卒業後は独立系SIerに就職し、エンジニアとしてのキャリアがスタート!念願叶って希望の職業に就けたHさんを待ち受けていたのは……>
―過酷な労働環境でした。時代は90年代後半。IT革命の波がいたるところに押し寄せていましたから、入社早々忙しい社会人生活が始まったのです。急激なIT化で仕事は大量にあるのにもかかわらずエンジニアの数は今より断然少ない状況でしたから、終電帰りや家に帰れない日も珍しくありませんでした。
ですから、働き始めて10年間は非常につらかった記憶があります。業務をこなせるスキルがあっても、あまりに激務だと本来楽しいことも楽しくなくなりますし、年収も300万円程度。色々なことを学び、経験できましたが、これでは割に合いません。年収アップのために頃合いを見計らって退職しました。―
② ~独立系SierからSESへ転職して年収は400万円台へ。しかしここでも悩みは尽きず~
<Hさんが次に選んだ職場はSESです。年収アップが目的の転職であり、実際に年収は100万円以上アップしましたが、それで仕事の悩みが解決できるほど話は単純ではありません。そこには古いタイプのSESにありがちなデメリットがあったからです。>
―確かに年収は上がり、労働環境も多少は改善されましたが、転職先企業はエンジニアにとって大きなデメリットとなる制度が2つありました。
1つ目は案件を選べないことです。スキルに自信があったので、できれば興味を持てて、かつ自分のスキルを活かせる仕事がしたかったのですが、ここではそれが叶いませんでした。SESは多くのエンジニアを派遣して稼働率を維持しなくては利益になりませんから仕方がない部分もありますが……。
2つ目は給与体系が年功序列だったことです。これも案件が選べないとの同様、ある程度はわかっていたことですが、徐々に納得できなくなってくるんです。「こちらのスキルは上がっているのに、なぜそれが年齢を理由に評価されないのか」と。今でこそ、エンジニアのスキルを「案件単価の○○%を給与に還元」という形で比較的高く評価してくれるSESが増えてきましたが、当時はそのような給与体系のSESは少なかったですし、現在も年功序列を基礎とする古いタイプのSESが存在します。
……私にとってこのSESへの転職は、日本のIT業界が抱える課題、日本のエンジニアの労働環境や待遇、今後のエンジニアとしてのキャリアについて改めて深く考えさせられる機会になりました。
新卒からの激務の日々が徐々に明けてわかった”業界の闇”。薄々気付いてはいましたが、身に染みて理解したのはこの頃です。―
③ ~SESエンジニアからフリーランスへ。自由気ままに働きながら年収500万円~
<ベテランエンジニアの域に入ろうとしていたHさんが次に求めたのは「自分が納得できる年収と仕事内容」。スキルと知識、経験を備えた今だからこそ手に入れられるこの2つを獲得してもっと自由に楽しく働くために選んだ道は、誰もが一度は憧れる“あの働き方”でした。>
―「もっと稼ぎたいし、やりたい仕事だけをやりたい」。この希望を叶えるために選んだのはフリーランスのエンジニアです。結果はというと……独立した当初は本当に理想的な働き方ができていました。やりたい仕事だけやるどころか、働きたいときだけ働くという、今振り返ってみたらとんでもなく自由な働き方だったにもかかわらず、年収はSESエンジニア時代より100万円アップの500万円。多趣味な私は空いた時間に、思う存分自由を謳歌しました。
そう、このときは……。―
④ ~悠々自適なフリーランスエンジニアライフが暗転。2ヶ月間無収入となる~
<独立後、Hさんはしばらく悠々自適なフリーランスライフを送っていましたが、長くは続きませんでした。ある案件のプロジェクトが終了した後、次の案件がなかなか決まらず2ヶ月間無収入の状態になってしまったのです。>
―フリーランスをやっていると、仕事の話が来ても業務内容や単価が微妙な案件が続く、タイミングが悪い時期に突入することがあります。しかし、こちらの生活はそんなタイミングなど関係なく続きますから、何もしなくてもお金がかかります。フリーランスの怖さはこんなところにあるわけです。エンジニアに必要とされるスキルや知識、経験は十分あると自負している私でも、さすがに2ヶ月間無収入の状態は焦りました。
「このままではいけない。どうにか現状を打破しなければ」。
この焦りをバネに、引き続きフリーランスエンジニア向け案件のほか、再就職目的での転職活動も視野に入れ、仕事探しに本腰を入れ始めました。―
~⑤社長直々のスカウトメールがきっかけでアイ・ディ・エイチへ入社。年収800万円超に~
<「納得できる年収で、比較的自由な働き方ができる企業なら」との条件のもと、企業への再就職も視野に入れたHさんは某転職サイトに登録。これが現在につながる大きなきっかけになりました。>
―転職サイト経由で当社の伊藤社長から直々にスカウトのメールをいただきました。詳しく話を聞いてみると、「給与は年功序列ではなくスキル見合い」「案件は自由に選べる」「イベントは自由参加」……と自分が理想としていた条件が揃っていたので割と早く入社を決めました。
転職はすぐに決断せず、できる限り時間をかけて検討した方がいいとの意見がありますが、今回は直感で決めた部分も大きかったです。
その結果、現在は好きな案件だけを選んで働きながら、年収は800万円を超えています。
激務、疲労、つかの間の自由、無収入……と紆余曲折を経てようやくたどり着いた場所がここで本当によかったと思っています。―
年収800万円に到達して得たものとは?生活はどう変わった?
<国税庁が令和4年に発表した「民間給与実態統計調査結果」(令和3年度分)によれば、年収800万円を超える給与所得者は全体のわずか9.7%。給与所得者の平均年収は467万円(男女合計)ですから、年収800万円台は高収入です。Hさんはそんな高収入を実現した一人ですが、年収がグッと上がったことによって生活はどう変わったのでしょうか。>
―それほど変わりません。以前より趣味や余暇に使えるお金が少し増えたくらいで。ただ、私は好きな仕事をして、納得できる十分な給与がもらえている……これほどの幸せはありません。ですから、年収800万円に到達して得たものは何かと聞かれれば、私は「経済的・精神的に安定した生活」と答えます。
世の中には年収800万円以上、1000万円以上の人はごろごろいるものですが、私のようにワークライフバランスが保たれているパターンは少ないでしょう。通常、年収が増えれば増えるほど激務だったり、何かと心配事が多かったりするからです。―
SESで年収を上げるにはどうすればいい?
<一昔前と比べると、SESエンジニアの労働環境はだいぶ改善されましたが、給与・年収の評判は未だに芳しくないのが現状です。その一方、HさんのようにSESエンジニアの平均年収(400万円~500万円程度)を大きく上回るエンジニアも存在します。つまり、”やり方”によってはSESでも十分稼げるのです。
では、具体的にどうすればSESにいながら年収を上げられるのでしょうか。Hさんは長年の経験から次のように語ります。>
―まずは、かつて私が所属していたような年功序列型のSESは避け、スキル見合いのSESを選びましょう。年功序列型ではいくら個人で努力してもそれが評価・年収につながりにくいからです。そして、そのようなSESに入社した後は、入った現場で職域を広げる努力をしてください。フロンドエンドエンジニアであればバックエンドもできるようになる、プログラマーであればSEもできるようになる……といった感じです。任せられる仕事が多ければそれだけ頼りにされ、単価アップにつながります。そして、参画することになった業界のことも熱心に勉強してください。特定の業界についてよく知るエンジニアは高く評価される傾向にあります。
SESについては賛否両論ありますが、私は正社員の安定とフリーランスのような自由な働き方の両方を実現できるシステムだと思っています。もちろん、エンジニアの待遇や労働環境、将来をしっかり考えてくれるホワイトなSESに限りますが。―
これから、そして現在SESで働くエンジニアへ~自身の直感を大切に!~
<かつて経験した激動の時代からは想像もつかないほど充実した社会人生活を送っているHさんは、長いIT業界歴を振り返りつつ、これから、そして現在SESで働くエンジニアの皆さんにこのようなアドバイスを送っています。>
―興味がない、または自分のスキルに合わない案件にアサインされないSESを選ぶことも重要なポイントです。私の経験上から言うと、エンジニアはただでさえ病む要素が多い仕事ですから、少しでもストレスを軽減できる現場を選んだ方がいいに決まっています。また、還元率が低いからといって必ずしもブラックSESだとは限りません。エンジニアから集めたマージンで福利厚生や研修を充実させている場合だってあるからです。
皆さんが今後のエンジニアライフで重要視することは何でしょうか。この点についてこれといった答えが出ない場合は直感でSESを選ぶ手もアリです。私がアイ・ディ・エイチへの入社を決めたときもそうでしたが、こうした直感に任せた方が上手くいくこともあります。
ネットで色々調べたり、友人・知人に相談したりするのもいいですが、最後に決めるのは自分自身ですし、自分で決めて行動したことなら後悔も少なくて済むでしょう。
エンジニア経験者であれば、IT業界に存在する”いい直感”と”悪い直感”が肌感覚でわかるはずです。―
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