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2023/11/10

エンジニアが激務といわれる理由と過酷な労働を回避する方法とは?

エンジニアは近年の子供のなりたい職業ランキングに上位ランクインする人気の職業です。巷には子ども向けのプログラミングスクールが次々と登場し、社会人向けのスクールにおいても年齢・性別問わず入学希望者が殺到するほどの人気ぶり。

であるにもかかわらず……どこの企業でもエンジニアが不足しているのは、ITエンジニアが激務であるという理由から進路選択の際に避けられてしまう現状も大きく影響しているのです

そこで今回は、エンジニアが激務だと言われている理由と過酷な労働を回避する方法について解説します。

【この記事を書いた人】
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情報系工学部の大学を卒業後からIT業界で仕事を続けている経歴10年以上のエンジニア。
案件自由選択制SESという様々な経験と幅広いスキルを追及できる働き方と、お客様とHappy-Happyの関係を築きたいという理念に共感してIDHに転職。
これまでWeb系エンジニアとしてフロントエンドからサーバーサイドまでJava、Ruby、Pythonを中心に設計、プログラミング、テストまで幅広く担当し、通信インフラ、広告配信、人材派遣業、金融、ECサービス、IoTなど数多くのプロジェクトを経験。

エンジニアが激務だといわれる理由10選

納期を厳守しなければならない

エンジニアという仕事のゴールの一つは、お客様から要望があった製品を開発して納期までに納品することです。
案件によって不測の事態が生じた場合にはお客様と交渉して納期を遅らせたりすることはできますが、プレリリースとしてメディアに新サービスの開始日時を公表してしまっている場合や、消費税率の変更やインボイス制度のような法律改正を伴う既存システムを改修する場合には期日まで納品しなければなりません。
期日までに納品しなければならないということは、開発中に想定外の事態が発生した場合でも何が何でも納期を厳守しなければならないので、残業が多くなったり、休日出勤が必要になったりすることが多く、これが精神的にも肉体的にも激務になりがちな理由になります。

突発的な仕様変更が多い

エンジニアの仕事はPM(プロジェクトマネージャー)がスケジュールを管理して仕事を進めていくことがほとんどですが、要件定義や設計の考慮漏れによって仕様変更が急に必要になることがあります。
特に設計工程が終わった後の製造工程やテスト工程で仕様変更が発覚する例が多く、仕様変更に伴う影響度が大きかった場合には、設計以降の工程がやり直しになってしまうこともあります。
その場合は納期に影響するため、工程の遅れを取り戻すために激務になってしまうのです

また、エンジニアが原因の仕様変更だけでなく、納期間近になってお客様から急な仕様変更の要望があった際は迅速な対応が必要になることも。こうした開発当初のスケジュールにはなかった仕様変更により、結果的にデスマーチ(過重労働の状態を指す)となってしまうことがあります。

予期せぬ障害対応が多い

エンジニアは製品を開発し、納期までに納品することがゴールの一つになりますが、これはあくまで一つの通過点に過ぎず、納品してサービスが稼働した後で不具合や想定外の障害が発生した場合には、保守作業として対応しなくてなりません
たとえば、エンドユーザが使用するWebアプリケーションの画面でバグが発生した場合には早急に画面の改修が必要になりますし、アクセス数が急増してサービスが停止してしまった場合にはサーバを増強して復旧させなければなりません。さらに、不正なアクセスが起きた場合には情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を早急に行う必要も出てきます。

24時間稼働しているシステムでは夜間でも休日でも障害対応の電話がかかってくることがありますが、特にインフラ系のエンジニアはこの傾向が顕著です。こうした急な障害対応の多さもエンジニアが一層激務になる原因の一つです。

終わりが見えにくい作業が多い

エンジニアの仕事は終わりが見えにくい作業が多いです。
設計漏れがあって後の工程で発覚した場合には納期の遅れに繋がってしまうため、第三者によるレビューを行うことが多いですが、それでも漏れが出てしまうことがあるのが実際のところ。こうしたことから、心配性の人は必要以上に何度も設計漏れがないか見直してしまう人がいます
また、プログラミングによる開発では、実装が終わったとしても時間があればコードをより分かりやすくするために変数名の修正や共通化のリファクタリングに時間を費やす人もいます。
つまり、エンジニアの仕事は作業が早めに終わったとしても「品質を上げるためにやるべきことはないか?」と考えることが多く、気になってしまったらキリがないのですが……結局はこの“プロゆえの気がかり”により長時間労働となってしまうのです

炎上プロジェクトに投入されてしまう

リリース間近に仕様変更や不具合が見つかった場合には早急に対応して納期までに対応する必要がありますが、炎上案件はこの状態になっていることが多く、配属されたエンジニアは火消しに追われることになります
IT業界は人材不足のため、未経験でもいきなり炎上案件に投入されてしまうことありますが、その場合には未経験でも実施できるテストを長時間にかけて何度も行ったり、バグを改修したりする作業に追われることなります。こうなると他のプロジェクトメンバーも忙しいため、分からないことがあっても相談しづらく、炎上案件に投入されてしまった場合は心身にとって劣悪な環境になりがちです。

テレワークで長時間労働になりがち

ITエンジニアの仕事はパソコンを使用して行う仕事なのでテレワークと相性が良く、コロナ禍後でもフルリモートが続いている案件は多数あります。
一見通勤がなくラクそうだと思われがちですが、リモートワークはパソコンが手元にあるため、一度退勤した場合でも気になることがあればパソコンの電源を入れて仕事をしてしまい、結果的に長時間労働になってしまうのです。

ルーティーンワークではない

エンジニアの仕事はルーティーンワークではありません。どちらかといえば、非定型業務だといえるでしょう。お客様の要望は都度異なるため全く同じ改修というのはほぼありません。
したがって、設計や実装などの各工程ではお客様の要望に従って考える必要があります。
また、障害が発生した場合にはその障害に応じて早急に対応する必要があるので、想定外の障害が発生すれば、その日の仕事の内容がガラッと変わってしまうことも。
このようなことが精神的な負担になる場合は激務だと感じてしまうかもしれません。

プログラミング以外の仕事が多い

年齢を重ねるにつれてプログラミング以外の仕事が多くなってしまい、苦痛と感じて激務と感じてしまうこともあります。ですが、エンジニアはプログラミングしていれば良いという訳ではありません。
プログラマー(PG)であってもチームメンバーとコミュニケーションを取る必要がありますし、SEであればプログラミング以外に設計書の作成やテストなど担当範囲が増えることになります。そして、PLやPMであれば責任が重くなり、会議やメンバーのフォローや管理する時間が大半に。プログラミング以外の仕事が増えて苦しくなると激務だと感じるようになるわけです。

環境が変わることが多い(SESエンジニアの場合)

SESエンジニアは契約後にお客様の現場に参画して業務を行うことになりますが、お客様から延長の依頼がなかった場合には、契約は終了になります。
契約終了後は再度新しい現場の採用面談を経て異動となりますが、新しい現場の業務内容を覚える必要があったり、チームメンバーも一新されたりするため、信頼関係も新しく構築し直す必要があります。
このように、SESエンジニアはお客様の都合で契約が突然終了した場合に環境が変わりますから、これがしんどいと感じてしまう人にとっては、精神的に安定しないでしょう

覚えることが多い

「エンジニアは一生勉強しなくてはならない」と聞いたことがあると思います。
実際には、一度エンジニアになってしまえばそこまで勉強しなくても仕事自体は続けられますが、モダンな技術を取り入れている案件に参画した場合には最新の技術トレンドをインプットする必要がありますし、ITとは異なる業種の知識を幅が広く覚えることも多いです。
世の中には金融、食品、メディア、ゲーム、医療など、星の数ほどある様々な業界×ITを使った現場がありますから、参画経験のない現場に入る際にはその業種の専門用語や知識を覚えなくてはなりません

エンジニアが激務を回避する方法とは?

上記のような状況を考えると、エンジニアは激務から逃れられないようにも思えますが、実はこの激務をなんとか回避する方法があります。
今現在、「疲労・ストレスの限度を超えそうだ」と思い詰めている方は次の“激務回避方法”を検討・実践してみてはいかがでしょうか。

業務を効率化させる

激務になっている理由が自分自身にあると自覚している場合は、今の業務への取り組み方を見直したうえで、業務を効率化できるよう工夫すれば解消できるかもしれません
お客様からの仕様変更に対応するのは難しいことですが、たとえば、明らかに要件に問題があることが事前に分かっている場合は、できるだけ早い設計工程でお客様に問題点を提示することで後工程での急な仕様変更を防ぐことはできるはずです。

また、終わりの見えない作業が多いIT業界の仕事ですが、チェックシートやTo Doリストを作ってタスクを見える化し、作業完了の定義を明確にすることで作業を効率化して無駄な長時間労働を防ぐこともできるでしょう

そのほか、スキル不足が長時間労働に繋がっている場合には、不足している業務知識を補うために勉強したり、手動で行っている作業を自動化してみたりすることも効果的です。

常駐先を変更する

SESエンジニアの場合は常駐先の変更も視野に入れましょう
会社側に変更を依頼しなければなりませんが、激務で仕事ができなくなるほど心身が疲弊してしまう現場にいても状況が悪化するだけであり、炎上案件に投入されてしまった場合はなおさらです。このようなときは自ら申し出て事態の深刻化を防ぐことが重要なのです。
常駐先を変更することで環境が変わってしまうため、人間関係を再構築したり、新しい現場での知識を覚えたりする必要が出てきますが、新しい業務知識を取り入れることでリフレッシュとスキルアップの向上に繋がる場合もあります。

なお、常駐先の変更は常駐先との契約があるので本人の意思で勝手に決められるものではありません。必ず担当営業に相談して適切な対応を取ったうえで変更を検討するようにしましょう

プロパーの方が過酷な環境を一新したい場合、まずは上司に改善できる余地がないか相談し、それでもだめなら思い切って転職を考えてみるのも手です。

エンジニアの職種を変更する

SESとして常駐先を変更する場合は、今持っているスキルを活かすことを前提としています。
したがって、PGであればPG、SEであればSEでの現場変更を意味しますが、エンジニアの職種変更にチャレンジしてみるのも過酷な労働を回避する一つの手段になります

元インフラエンジニアだった人がWebエンジニアに職種を変更したり、逆に元Webエンジニアの人がインフラエンジニアに職種を変更したりすることは、IT業界ではよくある話。同じIT業界のエンジニアでも職種によって向き不向きがありますから、職種を変更してたら激務だと思わなくなった……ということもあるのです。
ただし、職種によって必要なスキルが異なるので、職種を変更する場合は相当な勉強量を覚悟しなければなりません。この点は留意しておきましょう。

まとめ

もし、激務である原因がエンジニア個人ではなく、今置かれている環境にあるのなら、常駐先の変更や職種変更で回避できるかもしれませんので、劣悪な労働下に置かれている場合は行動を起こしてみましょう。
常駐先の変更や職種変更は決して“逃げ”ではありません。エンジニアとしてのキャリアを守る一手段ですから、自分自身をあまり責めず、明るく楽しいエンジニアライフを過ごせる方向に進んでいきましょう。