Last Updated on 2025年10月16日 by idh-freelanceidh-freelance

フリーランスのエンジニアとして案件に参画する前には、ほとんどの場合「面談」が行われます。
これは単なる条件確認の場ではなく、スキルや人柄、企業との相性が判断される重要なプロセスです。フリーランスだけでなく、業務委託契約で働くエンジニアも同様に、クライアントとの初回面談が選考の一環として行われます。
本記事ではフリーランスのエンジニアが面談で受かるためのコツを中心に、よく聞かれる質問や避けるべきNG行動、落ちる理由まで具体的に解説します。
「面接」と「面談」の違いにも触れながら、プロとして好印象を残すためのポイントを押さえていきましょう。

1.フリーランス・業務委託案件は「面接」ではなく「面談」が多い

フリーランス案件では、契約前の顔合わせは「面接」ではなく「面談」と呼ばれるのが一般的です。
面接は雇用契約を前提とした採用選考ですが、面談は業務委託契約の条件や業務内容をすり合わせる場であり、法的にも立場は対等です。

とはいえ、実際にはスキルや経験、人柄を確認され、案件参画の可否が判断されることも多く、実質的には面接に近い選考プロセスになるケースが少なくありません。
そのため「面談」という呼び方であっても、事前準備や心構えは面接と同じレベルで臨むことをおすすめします。そういった姿勢が希望する案件を獲得するための重要なポイントとなります。

2.業務委託・フリーランスにとって面談が重要な理由とは

フリーランス案件の選考ではスキルシートが重視されますが、それだけで合格が決まるケースはごく稀です。
多くの場合、クライアントとの面談を通過して初めて契約が成立します。
ではなぜ面談が必要なのでしょうか？ここからは具体的にその理由を解説していきます。

スキルだけでなく、企業文化や人柄・コミュニケーション力を確認する

面談は、スキルシートだけでは把握しきれない技術レベルを、直接のやり取りを通して確かめる場でもあります。
また、企業やプロジェクトごとの開発文化・進め方との相性を判断するためにも行われます。
プロジェクトに長期的に参画してもらうには、仕事への姿勢や人柄がチームに合うかが非常に重要。そういったマッチング度合いを確かめるために面談が行われるのです。

条件のすり合わせを行う

面談は、単価や勤務条件などをしっかり確認、すり合わせをする機会でもあります。
書類だけでは伝わらない希望条件や稼働可能日数などを確認し、スキル面では合っていても条件面でのミスマッチが起きないようにします。

ここを曖昧にしておくとのちのちトラブルにつながりかねないので、細かい点でも確認をするようにしましょう。

チームとの相性や協働姿勢を判断する

多くの案件はチームで進行するため、協働できる姿勢やコミュニケーション力は不可欠です。
面談では、技術力だけでなく、他人と円滑に仕事を進められるかどうかも重視されます。

3.フリーランスITエンジニアの面談の流れ

フリーランス案件の参画までには、スキルシート提出から契約締結までいくつかのステップがあります。ここでは一般的な流れと、エージェント経由の場合のポイントを整理します。

1. スキルシート・ポートフォリオ提出

まずは応募先企業の求人情報を確認し、必要事項を記載したスキルシートを提出します。
案件によっては、実績や開発内容を確認するためのポートフォリオの提出が求められることもあります。
書類審査を通過すると、面談日程の調整に進みます。

2. 面談（オンライン・対面）

クライアント担当者と面談を行い、スキルや経験、人物面を確認されます。
同時に、プロジェクト内容や開発体制・使用技術など、応募者が参画を判断するための情報提供も行われます。
面談は選考要素を含むため、事前準備と丁寧な受け答えが重要です。

3. 条件調整（合格後）

面談で合格となった場合、契約期間・勤務場所・単価などの条件調整に進みます。
エージェント経由の場合は、クライアントとの交渉はエージェントが代行し、事前にヒアリングした希望条件をもとに調整を行います。

4. 契約締結

双方の条件が合意に至れば、契約書を取り交わして契約成立となります。
内容は必ず確認し、署名・押印後に正式に稼働開始となります。

4.業務委託・フリーランス面談でよく聞かれる質問

フリーランス案件の面談は、転職面接と大きく変わらない部分もありますが、即戦力を前提とするため何度も確認される重要項目があります。ここでは代表的な質問とその意図を整理します。

経験・スキル

これまでの開発経験や得意分野、使用言語・ツールなどは必ず確認されます。
プロジェクトの規模や担当工程、関わった期間などを具体的に答えられるようにしましょう。
ポートフォリオは実際のスキルを示す有力な資料なので、常に最新の状態に更新しておくことが大切です。

【Point】スキルシートを棒読みせず、「そのスキルでどう貢献できるか」を具体的に伝えましょう。

過去のプロジェクト事例

「どんな案件で、どのような役割を果たしたか」を説明できるようにします。
規模・技術構成・課題とその解決策など、プロジェクトの全体像と自分の貢献度を簡潔に伝えると効果的です。

困難の克服方法

納期遅延や技術的な壁など、過去に直面した課題をどう乗り越えたかはよく聞かれます。
具体的なエピソードを一つ用意し、「課題 →行動→ 結果」の順で話せるよう準備しておきましょう。

【Point】技術的な課題だけでなく、チーム内の課題をどう解決したかを話せると評価が上がります。

チーム開発の経験

単独作業だけでなく、チームでの開発経験や貢献内容も評価されます。
メンバーとの役割分担、プロジェクト管理ツールの活用、コードレビュー経験などを伝えると加点につながります。

リモート対応力

リモート案件では、自己管理やコミュニケーションスキルが問われます。
メールやチャットでの報連相の仕方、問題発生時の対応スピード、自宅の作業環境などについて具体的に答えられるようにしましょう。

今後のキャリアプラン

「このエンジニアは長期的にプロジェクトへ貢献できるか」を見極める質問です。
将来のスキルアップ目標や関わりたい分野を伝え、長期的な関係構築への意欲を示すことが重要です。

5.フリーランス・業務委託契約面談で落ちる主な理由

書類審査を通過して面談まで進んだとしても、次のような理由で見送りになるケースがあります。事前に知っておくことで、回避できる可能性が高まります。

スキルや経験を適切に伝えられない

十分なスキルや実績があっても、面談でそれを明確にアピールできないと評価が下がります。
また、説明が抽象的すぎると「本当にそのスキルがあるのか？」と疑われることも。
面談では、具体的な数値や事例を交えて伝えることが重要です。

スキルシートと発言が食い違う

スキルシートに書かれている内容と、面談での回答が一致しないと不信感を持たれます。
事前にスキルシートを読み返し、記載内容を根拠にした回答を準備しておきましょう。

条件の不一致

希望する単価や勤務形態が、クライアント側の条件と合わない場合も不採用の理由になります。
エージェント経由の場合は、事前に条件の優先順位を整理し、譲れる部分と譲れない部分を明確にしておくとスムーズです。

会話マナーや身だしなみの不備

フリーランス面談はビジネスの場です。

• 自分ばかり話し続ける
• 相手の話を遮る
• 視線を合わせない

といった態度はマイナス評価につながります。

また、清潔感のある服装も重要です。ラフすぎず、商談にふさわしい格好を心がけましょう。スーツやジャケットを着用すると、案件への本気度も伝わりやすくなります。

6.フリーランス・業務委託面談で受かるためのコツ

ここまで紹介したポイントを踏まえ、これから面談に臨むフリーランスエンジニアは、次のコツを押さえて準備を進めましょう。

簡潔で印象的な自己紹介

面談の第一印象を左右する自己紹介は、短く明確にまとめることが大切です。
これまでの経験や専門分野、得意な技術を端的に述べ、面談冒頭で相手に「この人は信頼できそうだ」と思わせることを意識しましょう。詳細は後の質問で補足できるため、自己紹介はダラダラと長く話しすぎないようにします。

想定質問への準備

「よく聞かれる質問」や案件特有の質問を事前にリスト化し、端的かつ分かりやすく答える練習をしておきます。
面談中に資料を見ることはできないため、ある程度は暗記しておくことが必要になってきます。練習することによって本番での回答もスムーズになりますよ。

企業・案件リサーチ

事前にクライアントやプロジェクト内容を調べ、応募する案件の背景や目的を理解しておきましょう。
この情報を面談中に活用すれば、プロジェクト適性や意欲を効果的にアピールできます。
たとえエージェント経由の場合でも、自分でも事前にリサーチして面談に臨むのが理想です。

清潔感ある服装と礼儀

フリーランス面談は商談の場です。
ビジネスカジュアルを基本に、清潔でシワのないシャツやジャケットを着用しましょう。女性は華美にならないワンピースも可。スーツを1着持っておくと安心です。
礼儀正しい態度や言葉遣い、時間厳守など、社会人としての基本的なマナーも徹底してください。

逆質問の用意

面談は情報収集の場でもあります。
体制、開発環境、業務フローなど、不明点や気になる点は積極的に質問しましょう。
これは疑問解消だけでなく、コミュニケーション力や主体性のアピールにもつながります。クライアントから見ても積極的な姿勢として高く評価されるでしょう。

オンライン面談と対面面談で異なる準備ポイント

面談は、案件や企業によってオンラインか対面のどちらかで行われます。形式によって準備すべきポイントが少し異なるため、事前に押さえておきましょう。

オンライン面談の場合

• 通信環境の安定化：Wi-Fiの速度や接続の安定性を確認しておく。可能であれば有線接続がおすすめ。
• カメラ・マイクのチェック：顔が暗くならないように照明を調整し、マイクの音声も事前テスト。
• 背景の整理：生活感が出すぎないよう、白い壁やバーチャル背景を使用。
• 資料共有の準備：ポートフォリオやコード例をすぐ画面共有できる状態にしておく。

対面面談の場合

• 会場までのアクセス確認：迷わないよう事前に地図アプリで経路をチェックし、余裕を持って到着。
• 持ち物の準備：印刷したスキルシートやポートフォリオ、筆記用具を持参。
• 身だしなみの最終チェック：会場に着く前に鏡で服装・髪型を確認。
• 名刺交換の準備（任意）：持っている場合はビジネス用名刺を持参すると好印象。

7.まとめ｜面談での印象が案件獲得に影響する

フリーランスエンジニアにとって面談は、単なる条件確認ではなく、契約前の重要な選考ステップです。
ここでの印象や受け答えが、そのまま案件獲得の可否や条件面に影響します。

事前に自己紹介や想定質問への回答を準備し、企業や案件についてリサーチを重ねることで、好条件の案件に近づくことができるでしょう。
またプロとしての意識や、円滑に協働できるコミュニケーション力を示すことも欠かせません。

面談の時間は短くても、その中で「ぜひこの人と一緒に働きたい！」と思わせることができれば、あなたのフリーランスキャリアはさらに広がります。
しっかり準備して、自信を持って臨みましょう。